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知過必改 得能莫忘

  • 2018/04/26(木) 16:21:52

過ちを知れば必ず改め
能(よきこと)を得ては忘るる莫(なか)れ

『千字文(せんじもん)』の中にあった言葉で、読む方も書き写す方も、なかなかはかどりませんが(^^ゞ
これは楊過の名前の元となった『過ちあれば之を改む』と似てるな~と、印象に残りました。

岩波文庫版にある「李注」(これが面白くて読んでるワケですが(笑)によると

『過ちがあっても、改めることができれば、過ちがないのと同じことである。過ちを犯しても改めないのなら、それは大きな災いとなる。【論語】(学而がくじ)に言う。「過てばすなわち改むるにはばかることなかれ」と。過ちを犯さない人は居ない。過ちがあれば、必ず改めよというのである――云々とあって、秦の穆(ぼく)公が、自分の駿馬を殺して食べた5人の盗賊を許した上、馬肉に毒があった場合でも、これを飲んでいれば病にならないで済むという薬酒まで与えたところ、5人はすっかり改心。さらに穆公の恩義に報いたいと思い、秦が晋と戦った時、先鋒の将となって大いに戦ったというエピソードがこれに続いています。

現代はここまでは行かなくても、身近なところでは、仕事でミスって注意されたら、そこを修正して、以後、同じミスを犯さないように注意するなり対策を立てるなりすれば、より良いことになる、というところでしょうが~~

まあ、仕事のミス程度なら、注意してくれる人はいくらでもいますが
(というか、そこでミスったまま放置したら、会社の損失になりますものね(笑) 
性格の欠点とか行動の過ちとかは、なかなか注意してくれる人がいないわけで。
それでも、親とかししょー~もとい、師匠(「ししょー」は『エミルクロニクル』キャラのサイちゃんの呼び方だった)とか上司がいる場合はね~、まだ、あれこれ注意してくれるんでしょうが、自分が、まあ、親になった場合は兎も角(子供が結構文句を言うので)師匠だの先生だの、上司でも部長、専務クラスになってくると、これはもう、注意じゃなくて諫言(かんげん)ってコトになりますから、相手に受け入れるだけの度量がない場合、自分で自分の首を絞める――場合によっては首が飛ぶことになります。
(実際、上司のパワハラに耐え兼ねて本社の部長に訴えた友人、その上司を地方の支社に飛ばすことに成功した代わりに、「喧嘩両成敗ということで、申し訳ないが辞めてくれるか」と、会社から因果を含められちゃいましたからね~)

というわけで、わが友人並みに気性が激しいか、余程腹に据えかねているか、そうでなければ、昔の、影腹(切腹しておいて、すぐには死なないように、腹に晒(さらし)を巻いておく)切っておいて殿さまに諫言した忠臣並みにその人のことを思っているのでもない限り、『大人』な人は、黙って穏便に、その人から離れて行くわけで…………
そうすると、人間、偉くなればなるほど、自分で自分を顧みて自省して自制して、相手に対する言動も、それが正しいか、効果的か、自分の思い込みだけで突っ走っていないか、部下や生徒たちが、自分との立場の違い上素直に指示に従っては居ても、本心では反発したりショックを受けたり、それを通り越して愛想を尽かすようなことを言ってないか、よくよく注意しなければいけないわけで――いやぁ、今の偉い人は大変だ(笑)
だって、立場が偉くなっただけで、自分の中身は変わってないのに、専務とか社長とかって持ち上げられると、精神までレベルアップしたって錯覚しちゃいがちですものね~。
(あ~。その点、ウチの社長は偉いな~。まあ、やっておられる仕事は、専務時代と全く変わってない――むしろ、自分がトップに立った分、大変になってるわけですが――専務時代と全然変わられないですもの)

ちなみに、なんで話がこういう流れになったかというと、中学生のころ、あれは武者小路実篤の本でしたかね。宮本武蔵が、当時当時仕えていた殿さま(細川公だったと思う)に、「真(まこと)の武士とはどういうものであろうか?」 と尋ねられ、養子の宮本伊織を呼ぶや、殿から切腹を仰せつかったと告げます。
と、伊織、顔色一つどころか眉一筋動かさず、平然と切腹の支度をはじめ、続いて、切腹の沙汰は取りやめになったと聞かされても、同様に平静なままであった――というエピソードが載っておりまして、真の武士とは、それほどに死を見ること帰するがごとく――というか、生死に対して感情を動かさないものだ、と云返答であったかと思われましたが、本当につい最近まで、私はこの話が大嫌いでね~。
なんせ、侍なんて、殿さまの命令ひとつで簡単に、唯々諾々と腹を切っちゃうようなものか、と思っちゃったものですから。

で、その考えが、ころっとひっくり返ったのは、隆慶一郎を読むようになってからですから、三十代になってからかなぁ。
殿さまの立場になってみれば、余程のバカ殿でもない限り、侍というものは、自分の命令ひとつでこんなに簡単に死んじゃうものかと、慄然と――人によっては恐怖すら覚えたことでしょう。
で、ちょっと考え深い殿さまなら、だからこそ、決して間違った命令は出せない。よくよく熟考しなければ、と思ったことでしょうし、武蔵の方も、自分が仕える殿さまが名君と思えばこそ、二重の意味で、こういう答え方をしたのだろうなぁ、と思ったからです。
でもって、子が親に従い、部下が上司に従う以上、親や上司は正しい支持が出せて当たり前。自分を律して手本となることが当たり前であり(実は、これに気付いている人は、もの凄く少ないと思いますケド)
そうしてみると、親であれ上司であれ、その他の人であれ、人の上に立つってことは大変なことだよなぁと、ずっと思ってきたからなのでした。

(知らない人は、昔の殿様や将軍様は、やりたい放題やってたみたいに思ってますが、殿さまたちがワガママを言うと、組んであった予定が狂って家来が大変なことになったり、下手をすると切腹した、場合によっては御家おとり潰しの元になったりするので、余程のバカ殿じゃない限り、自制が習慣になってたって言いますから、やっぱり大変は大変だけど、大変さが違うと思う(笑)



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