雪山飛狐 第7話、8話

物語はいよいよ、本来の主人公である胡斐(こ・ひ)に移り、彼の人生を変え、あるいは将来に大きく関わる人々との出会いがもたらされる今回、
ほぼ原作に沿った展開ナだけに、内容も盛りだくさん。
もう1話くらいは引っ張るかな~と予測してたんですが、
なんと、2話で収まっちゃってました。ちょっとビックリ(笑)

さて。
胡一刀の墓参中に、『鉄花会』の面々に取り囲まれた苗人鳳(びょう・じんほう)。
すわ、一触即発か ―― と思ったら『鉄花会』は、すでに自分たちの支部を襲った実行犯(だったかな?)である陶百歳(とう・ひゃくさい)を捕らえており、彼の口から一切は田帰農(でん・きのう)のたくらみであることが告白され、苗人鳳と『鉄花会』は、逆によしみを結ぶこととなります。
なんたって、二番役の無塵道人(むじんどうじん)を始め、人材が揃ってますからね、『鉄花会』
これが仮に全真教……まあ、これ以上はいいか(笑)
それにつけても、田帰農って悪辣な割には、やることの底は浅いのね。

それでも武芸者としては、名高い『打遍天下無敵手』と手合わせがしたいという『鉄花会』の面々と後日を約して別れた苗人鳳、
(正確には、幼い娘の前で手合わせというわけには行かないだろうと、鉄花会のほうが引いてくれたんですが)
雪が激しくなってきたので、道を行く人に教えられた商家堡へ向かうことにします。

ところがこの商家堡、苗人鳳の弟夫妻の仇で、十数年前に胡一刀に斃された商剣鳴の実家―― って、承知で出かけてるんだろうな、この人 (^_^;)
しかも、道中、馬車の車輪がミゾにはまり込んで難儀をしていたところを、通りすがりの鏢局(ひょうきょく=運送警備業者のようなもの)の一行に助けられた田帰農と南蘭が、
胡斐(こ・ひ)と平阿四が、
さらには、鏢局の荷を奪おうおして、閻基(えん・き)率いる盗賊団までが、この商家堡目指してやってきます。

そうして門前で、母子再会の愁嘆場やら、剣戟沙汰寸前の一騒ぎやら~が演じられたあと、
苗人鳳の一喝で、全員はとりあえず、屋敷に入ることに。

ドサマギで中へ紛れ込む平阿四と胡斐。

で、それぞれの様子を伺って、苗人鳳と田帰農が自分を覚えていないと判断した平阿四、苗人鳳に何かを耳打ちすると、閻基に迫って奪われた秘伝書の最初のページを取り戻します。
(この“何か”。あとで胡斐に明かされるんですが、「閻基が私の土地の証書を奪ってしまったので、取り戻したい」ですって。頭いいなぁ)

一方、
若蘭に向かい「母様に、何か云うことがあるんじゃなかったのか」云う苗人鳳。
………ううむ(-_-;) 幼い娘に言わせるかぁ。と、思いもしましたが、
まあ、自分では云えませんわな、出て行った嫁さんに。大の男が。

何でも云うことを聞くから帰ってきてと幼い娘に泣かれ、それでも帰れないという南蘭(帰ればいいのに)

その若蘭に、どうして母様を取り上げたのかと責められた田帰農、それが本心なのか、苗人鳳の人柄を知っての上に作戦なのかは判りませんが、苗人鳳に抜き身の剣を手渡し、自分を殺すようにといいます。が、

「帰農が死んだら、私も生きていけない!」
田帰農を庇って、刃の前に立ちふさがろうとする南蘭。

……という状況で、ましてや幼い娘の前で、(さらに、多くの人目もあるし)その母と自分の義弟を手にかけられるはずもない苗人鳳、
結局、今後は自分の目の届くところへ現れるなといい置いて、娘を連れて商家堡を出て行ってしまいます(雪なのに~(^▽^;)

と、突然閻基に向かい、鏢局の荷の半分を自分たちの馬車へ積むように云う田帰農……って、いきなり態度豹変というか、馬脚を現すかよ、ここで?
しかも、いわば自分達の恩人に当たる相手に向かって。
本当に、恥も何も知らん男だな。
……って、考えてみれば、恥の概念が欠片でもあったら、あんなコトとかこんなコトとか、しませんか。
(ちなみに、この間、南蘭は心痛のあまり失神中)

と思ってみてたら、この田帰農のあまりの恥知らずぶりに、とうとう胡斐が爆発しました。
(というか、これまで平阿四が必死で押さえ込んでたのね(^▽^;)
ですが、まだ年少の上に腕が未熟な胡斐、田帰農どころか、閻基にも叶いません。
田帰農に負けた時は、意識を取り戻した南蘭に庇われ、
閻基に負けそうになった時には、助太刀(?)に入った商夫人のおかげで、かろうじて勝ちを拾います。

が、この時に胡斐が使った刀法から、商夫人、胡斐を胡一刀の縁者と悟った様子。
閻基を追い払った後、胡斐たちをとどめ、何とか身元などを探り出そうとします。

が、単純に夫人は親切な良い人だと思った平阿四とは対照的に、これまでの様子 ―― 鏢頭(ひょうとう)が夫の友人である鏢局の揉め事にも最後まで口も手も出そうとしなかったり、閻基になどあっさり勝てるはずの腕前でありながら、あえて取り逃がしたことなどから、どうも怪しいと感じた胡斐、
平阿四の助言もあり、出自と胡家刀法を隠し通します。
(でも、後で自分から名乗っちゃってますけど)

ちなみに、この商夫人、ひたすら“夫の敵討ち”という概念に凝り固まってしまった人でして、
情けない息子の商宝震を叱咤激励し続けてるんですが、何かというとバチーンと頬っぺたを引っ叩くという、どことなく「アンタら、吉本かい?」な親子関係ですが――これがなかったら、かなり陰惨になっちゃってたでしょうからね~。
こういう設定も、意外に良いかも(笑)

で、この商夫人の逆恨みの凄まじさというか、ダンナの商剣鳴のロクでも無さときたら相当なもので、
当時、武林で名前が売れ出していた商剣鳴、何やかやの評判を維持するためにお金が要り、それを確保するために、夜毎顔を隠して強盗をはたらいていた、というんですな。
で、ある夜、こともあろうに友人の営む飛馬鏢局を襲い、鏢頭の馬行空(ば・こうくう)に手傷を負わされ、その傷に苦しんでいるところに折悪しく胡一刀がやってきて、あっさりと討ち取られてしまった――って、自業自得じゃ、そんなもん。誰が聞いたって。
胡一刀に殺されたのだって、武芸が使えない苗家の弟嫁まで殺しちゃったからだし。

……を、しっかり逆恨みした商夫人、仕掛け部屋に“胡一刀”“苗人鳳”と書いた人形を用意して、それを的に、日ごと息子に武芸の修練をさせた上、飛馬鏢局にまで復讐の矛先を向け、
まずは鏢局を、しばらく商家堡にとどめるための手段として、鏢頭の娘の馬春花(ば・しゅんか)を息子の嫁に迎えようとします。

が、偶々それを聞いてしまった胡斐、早速、仲良く将棋を打ってる最中の平阿四と馬行空に報告。
それならばと一計を案じた馬行空、先手を打って、娘と弟子の徐錚(じょ・そう)の結納を、この商家堡で執り行いたいと申し出ます。

そうして、相手が油断している鋤に、立ち退こうとするのですが~

師匠に事情を聞かされて、頭に血が上った雲錚(うん・そう)が――あ、間違えた!(爆)
徐錚が、商宝震を問い詰めに行ってしまったものだから、折角の師匠の計画はパー。

そういえば、去年の今頃は『大旗英雄伝』で視聴者よってたかって雲錚をバカだ、バカだと。
まあ、恋人から雲錚本人まで「俺はバカだー!」と言ってたから、いいんですケド(笑)

で、その雲錚と同等か、ひょっとするとよりバカな徐錚、商宝震をやっつけようとして、武芸の腕が圧倒的に劣っていたものだから、逆に殺されかけ、
平阿四の取り戻してくれた秘伝書で胡家刀法を身につけた胡斐に助けられます。
しかも胡斐、徐錚が飛び出していったのを見て、危ないと思って後をつけてたって。
この子が頭が良すぎるのか、大人のくせに徐錚が情けなさ過ぎるのか……

で、こうやって見てると、なんか胡斐って、もう一人の ―― というか、別の生き方をしてる楊過みたいな感じがします。
(楊過はもっと神経質でしょ、と仰った方もありましたが。まあ、こと女性に関しちゃ、胡斐ほどニブくないことは確かですが)

ともあれ、徐錚は救われ、そこへ馬行空と春花の父娘も駆けつけ、
「あ! 阿四叔父さんを助けに行かなきゃ」
胡斐が気づいたところで、それを聞いていたかのように、平阿四を人質にした商夫人が登場。
そうほう、「1、2の3」で人質交換となるのですが~
ここで商夫人、何かキタナイ真似をやらかすかな? と思ってたら、それほどの頭は持ち合わせなかったみたい。

ですが、やはり、ただではおさまりませんでしたね~。

無事に人質が交換されたところで、向こうからやってきたのは輿に乗った貴人らしい若い男性と、それを護衛する一行。
で、この護衛のうちの二人が王剣英(おう・けんえい)と王剣傑 (おう・けんけつ)の兄弟で、商剣鳴の兄弟弟子。
ちなみに、輿に乗っているのは福康安(ドラマの中では“福の若様”と呼ばれている)といって、大した秘密じゃないからバラしちゃいますけど、乾隆帝の隠し子です。

その王兄弟の投じた石で次々と穴道を塞がれ、捉えられてしまう平阿四たち。
そのなか、胡斐一人が
「逃げろ!」
平阿四の言葉に従い、前の川に飛び込みます。

ところで~

こちらは原作を読んでたんで、ここのシーンで福の若様と馬春花との間に意味ありげな視線の交錯があっても、ああ、と思っただけなんですが……
そうなんですね~
商家の牢に捉えられた一行から、馬春花だけが連れ出され、福の若様のところへ。
そうして、何やら甘い言葉を囁かれ(以下省略)

manrann


(原作では福公子と徐錚の恋の鞘当てやら、揺れ動く春花やら~が描かれていた記憶ですが、メロドラマは前回で充分やったから、これも省略なのかな)

一方、何とか平阿四たちを助け出そうと商家堡の様子をうかがう胡斐、
そこを通りかかった、少女を連れた針売りだか小間物屋だか(どちらの商売もあるから、どう判断すべきか……)に、この家は危ないからと声をかけます。
その危ない家から家族を助け出さなきゃという胡斐に、感心した様子で立ち去る男。

そうして、

平阿四たちを助け出すために胡斐が選んだ手段は、正面から堂々と乗り込むこと。
(これは、物凄く意表を突かれました)
で、まずは王兄弟のどちらだか(判らないんですよ~、辮髪だし(^_^;)と立ち会うこととなった胡斐。
年少で跳躍力が及ばないとわかると、椅子を持ち出して、その上で戦い、
「この椅子にさわったら、お前の負けだからな」
う~ん。賢い(笑)

ですが、負けの込んできた王(どっちだろう?)椅子をばらばらに。
大人のくせに卑怯な真似をと悔しがる胡斐。

というところへ、まったくその通り、子供相手の大人気ないといいながら入ってきたのは、さっきの商人。
実はこの人、『鉄花会』の三番役で趙半山。
げんさく(日本語訳版)では確か、連れていた少女に絡んで、なにか頼まれごとを片付けにきてたはずですが、省略されちゃったみたいですね、その話は。

で、胡斐を助け、王某(だから剣英、剣傑、どっち?)と手を交える趙半山。
(相手の投げた暗器を巻き取るシーンで思い出したんですが、こちらのほうが暗記の達人でした。確か、全身にあらゆる暗記を仕込んでるの)
さらに、戦いながら胡斐に業の要訣を伝授してゆきます。
(で、それにあわせて動く子役、実に良くやっています)

が、彼らが戦っている広間は、各扉が鉄で作られており、その間に妄執に凝り固まった商夫人が、全員を焼き殺してしまえと部屋の周りに火をつけたので、敵味方関わりなく、あわや全員が粟や蒸し焼きに(~_~;)
(ダンナの兄弟弟子まで、仇討ちに手を貸さなかったからって復讐の対象になってしまうあたりがスゴイ)

ですが、部屋の外から何やかやとワメく商夫人の声が以外に通るのに気付いた大人たち、壁に薄いところがあると気付き、協力して穴をあけます。
で、その狭い穴を、自分なら行けそうだと潜っていった胡斐、
飛び出した先が、例の商宝震の練習用の仕掛け部屋で苦戦しますが、部屋の外から王(どっちだっけ?)の教えを受け、見事、商宝震を倒します。
(初めて人を斬ったんだろうに、あの動じなさが凄いといえば、凄い)

そうして、大人たちを鉄の広間から解放し、平阿四と馬行空も無事に助け出されるのですが……
息子を殺されてすっかり狂乱した商夫人、せめてお前だけは道連れに――と、馬行空を抱きかかえ、炎の中に飛び込んで果ててしまいます。
(凄い執念というか、凄い馬力というか……(~_~;)

そうして一夜が明けて――
父を失い、すがるべきはこの人しか居なくなったと、福の若様について商家堡を去る馬春花。(この二人、又胡斐の人生に関わってくるはずです)

一方、自分は『鉄花会』のものであることを明かした趙半山、胡斐と平阿四に一緒に『鉄花会』へ来るように勧めます。
が、胡斐を趙半山に託し、自分は平凡な生活に戻るという平阿四。
「生まれからすれば、この子はいずれ、江湖に出てゆくことになるでしょう」
そのためにも、江湖の作法その他、しっかり身につけさせてやって欲しいと。

平阿四の決意が固いと見て取った趙半山、胡斐を自分の義弟にすると、平阿四には自分のゆかりの者を訪ねるように言い、胡斐を預かって平阿四に別れを告げます。

で、ここのところの胡斐と平阿四の別れ――というか、全体的な二人の親子関係
(と云っちゃっていいでしょう、この二人の場合)
が、実にいいですねぇ。
胡斐が真っ直ぐな良い子に育ったのは、持ち前の気性のほかに、
平阿四が、しっかり愛情を持って育てたからだというのがうかがえます。

と云う次第で、次回いよいよ青年胡斐(17歳かな)の登場となります。
(ところで、この趙半山の連れていた女の子、何処へいっちゃったのかな~?)
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コメント

徐錚、本当におバカでしたね…脇役だからこんな扱いなのかもしれませんが。
商母子、物凄く執念に凝り固まってますが、息子はどうも母親の言いなり、な所に、既に仇打ち計画の破たんを感じさせます。言われてやるんじゃダメな気が…。おっしゃる通り、”「アンタら、吉本かい?」な親子関係”にちょっとホッとさせられました(^^;
趙半山の出番、もっと尺を取って見せてくれても良かったな~と思いますが、あくまでも主役は胡斐、という事でしょうか。
子供の胡斐、良い子ちゃんでした(^^)
次回からは青年胡斐ですね!

今回の胡斐少年の大活躍は、見ていて非常に楽しかったです。私も楊過を連想してしまいました。

>師匠に事情を聞かされて、頭に血が上った雲錚(うん・そう)が――あ、間違えた!
大ウケしました!(≧∇≦)
私も、あ、雲錚と同じ字だ、と思ったんですけど。
「錚」って、そんな意味の文字なのかしら?と疑ってしまいます(笑)

>全体的な二人の親子関係(と云っちゃっていいでしょう、この二人の場合)が、実にいいですねぇ。
本当に。稽古を眺めるシーンが挿入されてたり、とても丁寧に表現されていたように思います。別れのシーンでは、私、しみじみしてしまいました。

青年胡斐の活躍も楽しみですね!

阿吉さんへ

>徐錚、本当におバカでしたね
はい。あのおバカっぷりには、ちょっとビックリしました。
確か、原作では、もうちょっとマトモでしたよね? (^▽^;)

>息子はどうも母親の言いなり、な所に、既に仇打ち計画の破たんを感じさせます。
そういわれれば、息子のほうが自分の意見なり考えなりを述べているところって、なかったような。
だったら、どうせなら、もうちょっとわかりやすくボケと突っ込み~では、物語から浮いてしまいますね(^^ゞ

>趙半山の出番、もっと尺を取って見せてくれても良かったな
ですよね。
たしかこの人、もうちょっと見せ場があったはずだったのに。
やはり胡斐中心、ということで、色々削られてしまったんでしょうね。
ただ、その分テンポはよくなってる――といっていいんでしょうか。

>次回からは青年胡斐ですね!
はい!
青年胡斐、何やら少年胡斐より、やんちゃになってましたね。

ふく*たま さんへ

>私も楊過を連想してしまいました。
あ! ふく*たまさんもですかv-238
どことなく似てますよね、知恵の回るところとか、以外に豪胆なところとか、やんちゃなところとか……

>「錚」って、そんな意味の文字なのかしら?と疑ってしまいます(笑)
名は体を現す、というアレですよね。
私も、本当にそういう意味なのかと思ってしまいました。

>別れのシーンでは、私、しみじみしてしまいました。
実の親子以上、という間柄が、良く出ていましたね。
本当に、佳いシーンでした。

>青年胡斐の活躍も楽しみですね!
はい! 
青年胡斐、のっけから、なかなか派手な活躍を見せてくれています。
オリジナル部分も色々加わってるので、これからどうなるかが楽しみです。

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