秋水長天

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雪山飛狐 第11話、12話

金庸作品の男性、フェミニスト――というよりは、女性に弱いというか、女性に対して腰の引けてる人物が多いんじゃないかと思う今日この頃(笑)
主人公の胡斐(こ・ひ)も、出会って間もない袁紫衣(えん・しい)に、いいように翻弄されております。
が……

鉄花会の令牌のおかげで、の命令を聞かなければならなくなった胡斐、あれやこれやと(主として食べ物ですが)買い物をさせられた挙句、留守番を命じられ、
「その間に、これを全部食べてなきゃお仕置きよ」
(セーラームーンかい(^▽^;)

――てなコトを言われて、大人しくお留守番をしているようでは胡斐ではありません。
当然のように、こっそり袁紫衣の後をつけると……
案の定、彼女は先週取り損ねた韋駄門の掌門の令牌を手に入れに行っておりました。
(掌門候補だった弟子3人の怯え方ってのが、妙に笑えました)

そうして、その帰り道――
掌門人大会の邪魔をするものは始末しろとの命令を受けた呂猛と崔百勝に襲われ、暗器によって傷を受けてしまう袁紫衣。

隠れて見ていた胡斐は、「俺は人食い吸血鬼だぞ」(これって、キョンシーのことかな、多分)だぞと2人を脅し上げ、
暗器の勝負で買ったほうは食わないでおいてやると、2人を同士討ちさせた挙句、
勝ち残ったほうをさらに脅して毒消しを取り上げた上、掌門人大会の裏に隠された陰謀を全て聞き出してしまいます。
(このあたりの芝居ッ気とか、先週分で使った妙な偽名とか、かなりキャラが楊過にかぶってる感じがします)

その掌門人大会に隠された陰謀とは……
って、別段、それほど大したことじゃなくて(笑)
まずは、武林には未だに清朝に反抗するものが多いので、その掌門を集めて、できれば手名付けてしまおう。で、それに逆らうものは、大会に事寄せて抹殺してしまおう。
と、鉄花会がこれに関わってくるはずなので、これを機会に潰してしまおう、ということで、
朝廷が鉄花会を目の敵にするのは、陳家洛と乾隆帝の間の秘密に原因がある――ことにしてあるのかな、このドラマでは?
まあ、それは先の楽しみということにしておいて。

毒消しを手に袁紫衣を追った胡斐、別口の刺客(?)たちに捕らえられかけていた彼女を救い、近くの家に担ぎこみます。
が、夫婦だなんて言っちゃったものだから、親切なそこの家の奥さんに、奥さんの着替えは旦那さんがさせて上げなさいね~なんて、ちょっとドキドキな展開に(笑)

で、意識朦朧(もうろう)となっている袁紫衣に、またまた持ち前の芝居ッ気が頭をもたげ、なにやら声色を使って彼女の師匠を聞きだそうとしたり、そこに、その家の奥さんが入ってきて胡斐だってばれちゃったり、の一幕があって……

とりあえずは、まあ、一旦休戦? みたいな状況になった胡斐、
掌門人大会の邪魔は袁紫衣の師匠の百暁神尼(ひゃくぎょうしんに)の命令であり、鉄花会もそれに関わっていることを知り(というか、それなら俺も知ってたって言ってたケド、いつ聞いたんだろう?)紫衣に協力を申し出ます。

が、袁紫衣の申し出で、1週間(とNECOさんのサイトのストーリー紹介には書いてあるんだケド)で、どちらが多くの令牌を集められるかを競い、負けたほうが勝ったほうの願いを3つ、かなえることとなります。
(そういえば、なぜか願い事は3つなのね。これは、3という数字に意味があるらしいんですが、そのうちわかったら書きますね)

そうして1週間後。
令牌を集めて戻ってきた胡斐が見たのは、掌門人大会に行くために船出しようとしている九龍派の易老師に、この旅は不吉だとかイチャモンをつけ、勝負に持ち込もうとしている袁紫衣の姿。

で、原作では確か袁紫衣と易老師、舟の帆柱の上で戦った記憶だったんですが、ここではなぜか屋根の上。

九龍派と

で、何やら弟子も参戦して陣を敷かれて、ちょっと危機かな~というところへ胡斐も参戦。
(で、軽功を使って舞い降りるところが、オープニングのあのシーンなんですね)
2人で掌門の令牌をかっさらって逃げ出します ヾ( ̄o ̄;)オイオイ

で、2人の奪った令牌を数えてみると、九龍派の1枚を足して袁紫衣の勝ち~
……って、それはないだろうって胡斐も抗議してましたが、これは、こういうことにしないと話が進んでゆかないからなんですね(笑)

それにしても、生死の問題だからとはいえ、あれだけコケにしてくれた袁紫衣の命を助けたり、令牌の件でも結局は譲歩したかたちで3つの願いを利いてやることにした胡斐って、基本的に気が良いというべきなんでしょうかねぇ。
(平阿四叔父、何やかやといいながらも、かなり大事に育てたんでしょうな)

という次第で3つの願いをかなえることとなった胡斐に、袁紫衣が最初に言い出したのは、行方の知れない母親を探すこと。
赤ん坊の時に百暁神尼に預けられた袁紫衣、ずっと、産みの母に会いたいと願っていたのでした。

ということで母を捜して2人が訪れた町にいたのは、何と鳳南天。
先に胡斐を見つけ、もしや自分を追って来たのかと思った鳳南天、食堂の給仕に言いつけて罠を仕掛けます。
が、無論、そんなコトとは夢にも思わない2人、袁紫衣に似た女性が刺繍工房で働いていると聞き、早速出かけてゆきます。
で……見ているこちらとしては、99,99%くらいまで罠だと思っていたので、袁紫衣に似た女性が登場したときは、マジでビックリしたんですが……
やっぱり罠だったんですねぇ。
(それにしても、凝った罠を……)

2人揃って捕らえられそうになりますが、胡斐の趙半山から伝授された暗器の技で危機を脱します。
(鎖を巻かれてて、後ろ手の状態で暗器を投げるだから凄い)

そうして、刺繍工房を出た2人を待っていたのは1人の尼僧。
さらに、案内された寺にいたのは、なんと出家した上に視力を失っていた袁紫衣の母、銀姑でした――って、ここまでくると大概、ご都合主義って云いたくなります。
ここンところは、ドラマオリジナルの展開ですし。

で、

銀姑が袁紫衣を百暁神尼に預けて出家した理由というのは……
実は銀娘は仏山の貧しい漁師の娘だったのですが、例の鳳天南に目をつけられ、無理矢理妾にされた上に、紫衣を身ごもった時点で新しい妾に苛められ、ついには娘ともども屋敷を追い出されてしまいます。
そうして、死んじゃおうか。でも、道連れにするには、幼い娘が可哀相すぎるし……などと思いながらさまよっているところを百暁神尼に助けられ――
という次第だったんですが、さっき飛狐外伝の2を買ってきて読み返したら、鳳天南の○○オヤジってば、もーっと酷くて最低のことしてる~

これを、この程度のエピソードに留めたのは、胡斐と袁紫衣の仲を、もっとややこしいものにするためなんでしょうね、きっと。

さて。

自分の父が、そんなサイテー男だったことに衝撃を受けた袁紫衣、母に、あんな男でも実の父親なんだから許してやりなさいといわれ、心乱れるままに尼寺を飛び出します。

一方、庵主さんと一緒に別室にいて、↑の話を聞いていなかった胡斐、袁紫衣が寺を出て行ったと聞いて、慌てて後を追います。
が、追いつけず、一旦戻って事情をただそうとしますが、もう縁は切れたからと、閉ざされた尼寺の扉は開かず――
……って、なんか仏教の教えとは違う気がするんだけど、基はひとつの教えでも、広まった国の風土によって変化するからなぁ……(-_-;)
(でも、普通のお寺は、土砂降りの夜に、若い衆を締め出したりはしないと思うけど(苦笑)

ともあれ、気になることは多々あるし、扉をぶち破るのは簡単だけれど、そんなことをすれば最低男の鳳天南と一緒になってしまうと思い直した胡斐、結局、馬を3頭乗りつぶして、ひたすら袁紫衣を追います。

そうして、胡斐に追いつかれてしまった袁紫衣……
駱冰(らく・ひょう)の白馬って、どれだけタフなんだ!?
(って、突っ込みどころがズレてるし(笑)

実は袁紫衣、胡斐が鳳天南を鐘阿四(しょう・あし)一家の仇と狙っていることは知っていて、
いざとなったときには、やはり実の父だし、胡斐が鳳天南を殺すのを見過ごしに出来るだろうかetc……
悩んで寺を出てきたのでしたが、胡斐の自分を案じてくれる気持ちにほだされ、結局は又、行を共にすることに。

ですが……

二人で雨宿りと一夜の宿にと入った廟で、折角いい雰囲気になりかけたところへ、ドヤドヤと入ってきたのが、選りにもよって鳳天南とその一党。

最初は胡斐が鳳天南父子を殺すを見過ごそうとした袁紫衣でしたが、鳳天南が唯一の心残りと銀姑の肖像画を取り出し、火にくべるのを見て、ついに飛び出してしまいます。
そうして、江湖に出たら決して人を殺してはならないと師匠に命令されたと、それを口実に、鳳天南の命乞いをします。

が、師匠の咎めは自分が代わりに受けるからと、あくまでも鳳天南に手を下そうとする胡斐に、ついに自分が立ち向かうことに。
そうして、鳳天南父子を逃し、自分もまた、胡斐の前から立ち去ってしまいます。

思いもかけない形での決裂に、呆然とする胡斐。

一方、その頃の田帰農(でん・きのう)は――
福康安と共に、着々と掌門人大会の準備を進めておりましたが――
これに関わってこられると、非常――に拙い相手(というか、とにもかくにも恐いんだ、きっと)というのが、例によって例のごとくの苗人鳳(びょう・じんほう)。
何とか策略をめぐらして暗殺してしまおうと相談しているところへ、お茶を運んできたのが夫人の南蘭(なん・らん)。
話を耳にして、驚いて何かを落としたのに、それに気付きながらも、まだ苗人鳳の毒殺計画を話しているということは、またまた何か良からぬことを思いついたんでしょう、この小才子は。

ですが、当然のことながら、そこまで考える頭を持たない南蘭、
苗人鳳は理想のダンナじゃなかっただけで、自分には優しかったし、可愛い娘の父親でもある。何とか警告をしたいと考えた末、匿名で手紙を書くことにします。
が、どうやら、そんなことは先刻お見通しの田帰農に屋敷の使用人をそっくり入れ替えられ、見張りをつけられ、さらには、福康安をもてなす食事会に顔を出すように――って、この時代の良家の子女は本当は、滅多に外出もしない、男性の前に顔を出すなんてもってのほか、だったらしいんですけどね。

ともあれ、以下次週です。

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Comment

いつもながら 

丁寧なレビューですね。
胡斐はどうですか?
Dさんがおっしゃたよう(揚過+令狐中)/2と言う印象でしたがドラマでは・・・
英雄は「武術だけじゃなく人の為に」などと言う師匠の言葉、父が英雄だった為の気負いを演出してると理解してます。
あと、雪蓮花は、糖尿病の効果があるとか北京大学の先生が発表しており、日本でも販売してるそうです。金庸さんは博識ですね。
  • posted by 新龍 
  • URL 
  • 2008.10/18 20:31分 
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新龍さんへ 

>いつもながら丁寧なレビューですね。
ありがとうございます。
1週間送れのレビューとなると、忘れてる部分も多いんですが、
書き始めると、明確に思い出すことも多い(笑)
この辺の脳の作用は、自分でもちょっとビックリしています(^▽^;)

>胡斐はどうですか?
>Dさんがおっしゃたよう(揚過+令狐中)/2と言う印象でしたが
さすがDさん。言いえて妙、ですね。
確かに、楊過よりはちょっと間が抜けている部分、冷狐冲的かも。

父が英雄だったための気負いは……大いにあるでしょうね。
少年胡斐が陳家洛に父のことを訊ねるエピソードとか、その他、気がつかない部分でも、胡斐の父に対する憧れ→胡一刀の息子であることの気負い を現す細かい演出、色々されているかと思います。

>雪蓮花は、糖尿病の効果があるとか
なんと、実在するんですね!
驚きというか、感心というか、感動というか……

>金庸さんは博識ですね。
作家さんは博覧強記な方が多いと言いますが、本当にそうですね。
(日本の作家さんの書いた中国モノに、断腸草が登場して、実在するんだ! と驚いたことがあります)

  • posted by rei☆azumi 
  • URL 
  • 2008.10/19 08:06分 
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>鳳天南の○○オヤジってば、もーっと酷くて最低のことしてる~
ここの袁紫衣出生の秘密について、原作は、彼女が登場した時、既に事情を知ってましたが、ドラマだと知る過程を描いてくれてて、お芝居が介入する余地があり、なかなか深いな~と思いました。

あと、このドラマ中での出家者の立ち位置、reiさんがおっしゃるように、微妙~に仏教の教えと違うような気がしますね(^^;次の13話でも出てきますが、「出家は俗事に関わらない」とか言って人助けを拒んだり。
他の武侠ドラマだと、少林寺なんかが江湖の派閥争いに係わって来る関係か、「殺生はダメだ」と言いながらも、武術をやる僧侶がいたり-なんて部分もあるようですが。

田帰農がまたゾロ動き出しましたね…( ̄ー ̄)ニヤリ
  • posted by 阿吉 
  • URL 
  • 2008.10/19 22:58分 
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阿吉さんへ 

>ドラマだと知る過程を描いてくれてて、お芝居が介入する余地があり、なかなか深いな~と思いました。
そうですね。
視聴者にも、こちらの展開のほうがわかりやすいし、袁紫衣にも感情移入しやすそうです。
鳳天南が原作よりはちょっとマシになってる分、結末はどうなるのかな~と興味も増しますし。

>このドラマ中での出家者の立ち位置、微妙~に仏教の教えと違うような気がしますね(^^;
仏様自体が本来、衆生の救済を目的としているんだから、おかしな話ですよね。
ひょっとして、脚本家の仏教に対する解釈が違うんでしょうか?
笑傲江湖や大旗英雄伝のお坊さんたちは、なんだかんだといいながら、怪我の治療やらなにやらと、俗事に関わっていましたものね。
ただ、やっぱり武芸もやるし、戦ってもいましたっけ(苦笑)
華流ドラマにおける仏教の解釈、どうなってるんでしょう?

>田帰農がまたゾロ動き出しましたね…( ̄ー ̄)ニヤリ
自分にとってもロクなことにならないから、動かなきゃいいのに……って気もしますが(苦笑)
  • posted by rei☆azumi 
  • URL 
  • 2008.10/20 19:02分 
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  • [Res]

 

>胡斐って、基本的に気が良いというべきなんでしょうかねぇ。
そうですね。ひねくれてる様に見えて根は素直ですよね。
女性には(それが例え少女でも)優しいし( ̄m ̄*)

>鳳天南の○○オヤジってば、もーっと酷くて最低のことしてる~
原作では、鳳天南はもっと酷いヤツなんですか。
それ程主要人物だと思っていなかったのですが、袁紫衣の父親とのことで、後々まで関わってくる人物だったのですね。

>普通のお寺は、土砂降りの夜に、若い衆を締め出したりはしないと思うけど(苦笑)
確かに(^_^;)
お寺の人たちは、他人を救うコトより、自分の修行を優先している感じがします。
衆生を救うということより、自分が救われることに重きが置かれてるのかなぁ、なんて、仏教の立ち位置のことまで考えたことなかったですが、みなさんのコメントを読んで、そんなことを思いました。
  • posted by ふく*たま 
  • URL 
  • 2008.10/21 16:55分 
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  • [Res]

ふく*たま さんへ 

>ひねくれてる様に見えて根は素直ですよね。
平阿四が、しっかり愛情を持って育てたんでしょうね。
楊過より、数段素直です。
(楊過と比較するなって、ワタシも(^▽^;)
で、女性に優しいのは……これは天性のものかな(笑)

>原作では、鳳天南はもっと酷いヤツなんですか。
はい。ドラマでは、まがりなりにも銀姑に対して責任を取ったかたちになってますし、
(彼女を追い出したのは、新しいおめかけさんですものね)
ずっと銀姑を思ってた風でしたが、
原作では、慰み者にした挙げ句に責任も取らず、紫衣ごと引き取って銀姑と結婚したいという男性が現れたら、祝言の当日に、彼を殺してしまったんですよ。
銀姑も町から追い出してしまうし。
とことん酷いヤツでしょ。

>衆生を救うということより、自分が救われることに重きが置かれてるのかなぁ、
そんな感じですね。
本来なら、こういう形で修行をしたあと、衆生を救いに行かなきゃいけない気がするんですが。
宗教の立ち位置とか、国によって違う気もしますし、難しいです。
  • posted by rei☆azumi 
  • URL 
  • 2008.10/21 18:59分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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