雪山飛狐 題31話、32話

終盤に差し掛かり、何やら相当に派手な展開になりそうな『雪山飛狐』。
その分、突っ込みどころも大幅に増えたようで……(^▽^;)


さて。





玉筆山荘の広間に閉じ込められた田帰農たち、
当時は若気の至りで苗人鳳の悪辣(あくらつ)さに気付かなかっただの、
現在は、とても後悔しているだの、
なんとか、胡斐の腕では苗人鳳には敵わないから、なんとか仇討ちの手助けをしてやりたいだの、
田家の屋敷には、胡一刀夫妻の位牌が祀ってあるだの、
もう、ここまで臆面もなく嘘をつかれると、地獄へ落ちてから、閻魔さんも抜く舌の数が多すぎて困るだろうと云うくらいの嘘八百を並べ立て、
(二枚舌どころか、数十枚ありそうですからねぇ)
さらには、仲間割れの挙げ句に、平阿四をかばった田帰農が負傷する、なんて真似までやって見せ、平阿四を信用させて、広間からの脱出に成功します。

一方では……
収穫を明日に控えた七心海棠の実を袁紫衣と(オマケの)苗若蘭に見せ、
「もう絶対に放さない」
「そんなコト言われると、照れるわ」
ラブラブモードの胡斐と袁紫衣。
(だったら、無理せずに7年前に結ばれときゃよかったのに……(^_^;)

いたたまれなくなった若蘭、そっと席をはずし、七心海棠の植えてある中庭に出て、それでも、胡兄さんと袁姉さんの幸福を祈らなきゃと、健気な言葉。
………………までは、良かったんですが。
この子に割り振られた役割ってのは、あくまでもトラブルメーカーなんですな。可哀想に。

ふと、七心海棠の植えられている土が乾いているのに気付き、全くの好意から、水をやってしまいます。
が、七心海棠は酒だけで育てなければならず、水をかければたちまち枯れてしまうという、特殊な花。
(なのに、あんな雪の多い場所で、よく育ったもんだ。雪が溶けりゃぁ、水になるって云うのに――という突っ込みは置いておいて) □\(゜O\)  (/O゜)/□ 

ああいう立場(おミソにされたことですね)に置かれて若蘭が傷ついているに違いない。探しに行ってという袁紫衣の言葉に従って、中庭に出た胡斐の目の前で、水をかけられた七心海棠は見る間に無残に枯れ果て ―― 呆然と見てる間に止めろよって、思わず内心で突っ込み入れましたけど。

激怒した胡斐、叫び声を上げ、思わず若蘭に打ちかかります。
……って、ここも。
内力を込めてなかったからって、怒りに我を忘れた男の力で横っ面を張られたら、普通は、その場にひっくり返るくらいのことはありそうですが。
まさか、こんなときでも、咄嗟に手加減したのか、胡斐?

その胡斐の叫びを聞いて中庭に出た袁紫衣、一切を悟り、過失なのだし、これが自分達の運命なのだから若蘭を責めるなと胡斐を諭します。
(もう、このあたりほとんど『神雕侠侶』)

山からの降り口に案内し、馬を買うようにと路銀を与えながら、
「おまえが紫衣を殺したんだ」
あくまで若蘭に冷たい胡斐。
で、立場を換えれば恨まれても仕方がないと悄然とする若蘭ですが……
ここの若蘭、あの時(楊過と小龍女に毒針を誤射したときね)の郭芙に比べると、三万五千2倍(当社比)もしおらしいだけに、哀れです。

そうして、償いをしたいという若蘭に、無事に家に帰ってくれるのが一番の償いだと背を向けた胡斐(なんか、予感があったのかしらね)
山荘に戻り、夕焼けが美しいという山頂へ紫衣を連れてゆき、紫衣の望みに従い、夫婦の誓いをかわします。
が、二人の唇が重なろうとした矢先、紫衣の容態が急変。
自分が死んでも早まったことはしないで。生き続けてと言い残して、息を引き取ってしまいます。

――という、このシーンでも袁紫衣の老成ぶり、達観ぶりと、胡斐の意外な稚さが際立ってる気がする~と云うか、
何かと『神雕侠侶』とダブるものだから、ついつい比較して、楊過のほうが佳い男だわとか、言動が水際立ってたなぁとか、思ってしまいました。

というか、王晶(バリー・ウォン)監督、本当は『神雕侠侶』が撮りたかったんでしょうね。
(プロデューサーの馬中駿(マ・ジョンジュン)氏は、どの版だか知りませんが『神雕侠侶』を製作してるそうですが)
ただ、この監督にかかったら、小龍女はあのまま死んじゃって、楊過は郭襄とくっつけられそうな気がします。

過去に何作も作られた『神雕侠侶』の中には、小龍女が死んでしまう版もあるそうですから。
(どこかで読んだ記事にいたっては、小龍女が登場しない版もあるとか。それはちょっと凄すぎ(笑)
(と云うか、これはもう『宮本武蔵』にお通が登場しないようなものでしょ(^▽^;)

と云うところで、話を戻しまして……

袁紫衣を喪った胡斐の悲痛な叫びを耳にし、胡斐に何かあったのではないか
(最初は、獣が吼えてるとか言ってましたが)
と案じてみせる田帰農。
と、ここで突然、態度を豹変させた平阿四。
皆に少しでも悔恨の情があって、真実を語るなら、命を助けても良いと思っていたが、全員が臆面もなく嘘を並べ立てる。
それでも、一番の敵は苗人鳳だから、それ以外のものは2人が死ねば、あとの2人は命を助けてやろうと、仲間割れを図ります。

それに引っかかり、あっという間もなく命を絶たれる陶百歳。
(殺したのは劉元鶴だったかな。それにしても、4人の中じゃ一番罪が軽いのに、気の毒な(^▽^;)

さらに、先ほど田帰農が負傷したときに飲ませたお茶に毒が入れてあったという平阿四ですが、そのあたりは妙に小才のまわる田帰農。
袖の中にお茶を捨てていて(濡れるでしょうに)毒は口にしていません。
逆に平阿四を人質に、胡家刀法の秘伝書を渡すように胡斐に迫ります。

平阿四を捕らえたまま、軽功を使って逃れる田帰農。追う胡斐(武侠ドラマは、こうでなくちゃ!)

断崖に立ち、秘伝書を要求する田帰農に、懐から出した秘伝書を差し出す胡斐。
あんた、趙半山兄貴から暗器の手ほどきも受けてるでしょうに――と、思わず突っ込みを入れたんですが、監督、ここは悲劇にしたかったのね(~_~;)

どこまでも悪辣な田帰農の掌打を受け、お前が親の仇を討つのをこの目で見たかったと言い残して、平阿四叔父さん絶命。
自分に何の罪があって、次々と大切な人と死に別れなければいけないんだ。しかも、田帰農のような大悪人が、あんな楽な死に方をして。天は不公平だと、自分の悲運を嘆く胡斐。

その田帰農のほうはといえば、胡斐の蹴りを数発受けて、秘伝書ともども深い谷底へと転落。
ですが~~~~
あーれで生きてたら大笑いだけど、あのキャラが、あっさりと退場するわきゃないよな~と思ってたら、案の定……

この後、話はあっちこっちへ細かく飛びますので、先回りして書いちゃいますと、
こんにゃろ、あれだけの蹴りを受けながら、内傷も負わずにしぶとく生きております。
でもって、落っこちたのは、胡斐がここへ来た時に最初に落っこちた岩棚――つまり、李自成の財宝が隠してある洞窟の入り繰りの前。
…………………………コレって、『碧血剣』のパロディーでもあるわけですか?
(袁承志が金蛇郎君の洞窟を発見したのと、同じ展開)
しかも、どうやら胡斐より数段タフに出来上がっていたらしい田帰農、
つーか、あれだけの胡斐の蹴りを喰らって、内傷のカケラもないってのがねぇ(^▽^;)
胡斐の内力って大したことない? って話しになっちゃいますが、
ともあれ、起き上がって洞窟に入って、まだまだたっぷり残っている李自成のお宝を発見してしまいます。
(秘伝書だ釵だと散々伏線を敷いておいて、謎解きが無いんだものな~)

でもって、お宝は発見できたけれど、どうにも出られそうにもない洞窟の中。愚痴ったり嘆いたり、これも悪行の報いかとしょげてみたり、いや、あれは自分のせいじゃないと開き直ってみたり。
で、その愚痴がねぇ。乾隆帝にはニラまれ、福康安なんかに頭を下げ、江湖の連中には見下げられ~と、結構あれこれ気にしてたんですな。正直なところが、以外に可愛い(爆)

ですが、悪が盛んなときには天にも勝ってしまうというのか、単に製作者に贔屓されているだけなのか(それとも、福康安がラスボスじゃ、さすがに役者不足だと思われただけなのか)
洞窟の細い横穴から温風が吹き込むのに気付き、そちらへ体を入り込ませてみると、
なぜか、フビライの着用した鎧(鎖帷子だと思うんだケド)と冑。
刀と剣(倚天剣と屠龍刀かと思ってしまった(^^ゞ

倚天屠龍
(↑ You Tube 『刀剣若夢』からの画像)

さらに、ぴったりと重ねた黒い金属の面(まさか玄鉄?)の間から見つけ出したのは、こともあろうに老玩童の武芸の秘伝書(爆)
で、そこに『左右互縛』の文字(ドラマの法は隻手互縛としてあったようですが)の文字を見つけた田帰農、
この技を身につけ、右手で胡家刀法、左手で剣を使えば ―― って、本来は無理なハズですケド。

この左右互縛術、老玩童や小龍女のように無垢な心の持ち主か、郭靖みたいに、な~んも考えてない(老玩童に言わせると、ほとんどアホ)、つまり雑念のない人物でないと身につかず、黄蓉や楊過(あと、黄薬師おとーさまもでしょうな)クラスの頭脳の持ち主では、逆に聡明さが邪魔をして身につかないと、『神雕侠侶』原作の方に書いてありましたから、
ましてや、小才子を絵に描いて額に入れた(しかも、しょっちゅう、底の抜けた作戦を立てる)田帰農ごときでは、本来身につくはずもないのですが……
習得しちゃうんでしょうねェ、これが……

……となったら、もう、胡斐がどこぞで独孤九剣や黯然銷魂掌(あんぜんしょうこんしょう)を身に付けてきても、驚かないぞ、わたしゃ!

さて、そんな頃、胡斐の指示に従って宿に着いた苗若蘭はと云いますと、食堂に座ったまま、ひたすら涙にくれておりました。
と云うところへ目をつけて、ちょっかいを出そうとする馬方約2名。
と、そこへやってきたのが、福康安とそのご一行サマ。
若蘭を救い、馬方約2名の首を刎ねさせた、まではいいんですが、
美女に目がない ―― というか、とにかく女癖の悪いこの男、早速若蘭に目をつけて、口説きにかかります。

でもって、世間知らずの若蘭(しかも、自分の父親は世界で一番強いと信じている)素直に、姓は“苗”と名乗ってしまったことから、こともあろうに、自ら虎穴に飛び込む羽目に……。

それでもさすがに、豪華な衣服をプレゼントに部屋へ尋ねてきた福康安に警戒心を抱いた若蘭、
家まで送ろうという福康安の申し出を断るのですが、
眠っている間に、部屋に睡眠薬(眠り香と云うべきでしょうか)を流され、囚われの身になってしまいます。

そうして、福康安が、捕らえた若蘭を連れてきたのは、玉筆峰。
で、鳥なき里の蝙蝠とやらで、無人に思える玉筆山荘へ入り込み、点穴で動けなくした若蘭をベッドへ運び込み、服を脱がせ…… ポカッ! (._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; ) コンニャロメ!
……と云うところへ飛び込んでくる、定石通りのお邪魔虫~

鉄の壁でふさがれた広間の中から、何やら物音がすると申します。

で、唯一、外に面した壁を崩してみると、中に入っていたのは閻基と劉元鶴。
再び胡斐に捕まって、阿四叔父さんより楽な死に方はさせないと、閉じ込められていたわけですが……
だったら、外壁にも鉄板くらい入れときなさいよね~ (;-o-)σ

この二人から、田帰農は胡斐に崖から落とされて死んだと聞き、気の毒にとか云いながら、ホッとした様子の福康安。

と云う具合に敵だらけの自宅へ戻ってきた胡斐、自分で仕掛けだらけに設計した家なんだから、身を隠すところくらい一杯あってもいいのに、なぜか咄嗟に隠れたのが、福康安が若蘭を隠したお布団の中。
(こういうトコロだけ、原作通りにせんでも~と、思わず苦笑)

と云うあたりまで話が進んで、漸く、宿の若い衆から若蘭が福康安一向と供に玉筆峰へ向かったと聞いて、延々、延々、延々と馬を走らせてきた苗人鳳が、玉筆峰へ到着。
(この間、件の宿と阿四叔父さんの経営してた宿は、女の子の足で一刻くらいしか離れてなかったんじゃないのか、とか、雪山へ向かってるのに、なんで途中に雪がないんだ、とか、ひょっとして苗大侠は方向オンチだったのか~~とか、散々突っ込みを入れておりました(^▽^;)

で、目的地へ到着したら、あとの行動は素早い苗人鳳。
あっという間もなく崖を上り(だと思う)玉筆山荘へなだれ込みます。
(一人でも、勢いがすごいですからね。なだれ込んだという感じ)

慌てて、若蘭を隠した布団へ飛び込もうとして、隠れていた胡斐に掌打を受ける福康安。

咄嗟に若蘭を布団に包み、窓から飛び出した胡斐。
安全な岩陰に若蘭を隠し、山荘へと取って返します。
(で、若蘭の点穴を解いてやるのに、なんやかやと言ってたケド、このあたりは、何を今さら~な感じ。だって、兄妹と呼び合う仲なんだし~)

目の前で、いかにも狼藉を受けました風の一人娘を連れ去られ、頭に血が上った風な苗人鳳ですが、
「苗大侠、俺がお分かりになりませんか」
胡斐の言葉で正気に戻ります。

さらに、状況を説明され、お主がそう云うなら、信じようと。
(原作と違って、聞く耳を持つキャラでよかった~~と、ホッとしました。
 まあ、聞く耳持たなぬと、いきなりチャンバラが始まっても、大勢に影響はなかったんですが(笑)

娘に会いたいという苗人鳳に、その前に――と胡斐、立会いを申し入れます。
ならば、より相応しい場所でと、申し入れを受ける苗人鳳。
その場所とは、かつて胡一刀と最後の戦いをした、因縁の吊り橋の上でした。


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コメント

ナルホド!

悪意のない行動で事態が悪化するという、非常に遣り切れない回でしたねぇ…

>何かと『神雕侠侶』とダブるものだから、ついつい比較して、楊過のほうが佳い男だわとか、言動が水際立ってたなぁとか、思ってしまいました。

reiさんが比較して下さるので、解りやすいですが、やはり楊過とキャラを微妙~に似せてますね(^^;でも似ない、というのは仕方無いですが。

>ただ、この監督にかかったら、小龍女はあのまま死んじゃって、楊過は郭襄とくっつけられそうな気がします。

あっ、スルドイかも!(爆)

左右互縛術はおっしゃる通り、ずるがしこい田さんには難しいハズなのですが、やっぱり会得してしまうのであります。アッサリと…

阿吉さんへ

>悪意のない行動で事態が悪化するという、非常に遣り切れない回でしたねぇ…
本当に。
若蘭が健気なだけに余計 ―― でしたね。

>やはり楊過とキャラを微妙~に似せてますね(^^;でも似ない、というのは仕方無いですが。
かたちで似せようとしてるせいでしょうか。
むしろ、似ていない部分、特に胡斐の成長のなさが際立ってしまっている感じがします。
折角の良さげな俳優さんなのに、惜しいですね。

> あっ、スルドイかも!(爆)
むふふ……。
実は、You Tubeで、結末をチラッとカンニングいたしまして (^^ゞ

>左右互縛術はおっしゃる通り、ずるがしこい田さんには難しいハズなのですが、やっぱり会得してしまうのであります。アッサリと…
しちゃいましたねぇ、実にアッサリと。
33、34話を見て、あまりのことに突っ込むのを止めちゃいました (笑)

鋭いツッコミに、そうそう!やら、なるほど~!やら、大変楽しく読ませていただきました。
びっくりな展開になってきましたが、この先どうなるんでしょうねぇ。

ふく*たま さんへ

今回はも、本文にも書いてますが、突っ込みどころ満載で……

> びっくりな展開になってきましたが、この先どうなるんでしょうねぇ。
なんか、ものすごいコトになりそうですが、本当に、どうなるんでしょうねぇ。
まったく検討のつかないあたりが、凄いといおうか、何と言おうかデス (^▽^;)

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