雪山飛狐 題33話、34話

『雪山飛狐』の真の主人公は苗人鳳だ、説に、至極納得した今回ではありますが、
う~む…… (~ヘ~;)


さて。




かつて、胡一刀と戦った因縁の吊り橋で、遺児である胡斐との立会いを始めた苗人鳳。
白打での、あるいは刀と剣での、凄まじい戦いが繰り広げられます。
が、それにしてもねぇ。
胡斐は、やたらに28年間の恨みを口にしますが、それでいて、実際の悪人は苗人鳳の剣に毒を塗った誰かだって、ちゃんと心得ているわけで――
だったら、双方の戦う理由、強い相手を見ると、どうにも戦ってみたくなる、武芸者の本能とか業みたいなものを前面に出したほうが、ずっと納得が行くんですけどね~

……って、そんな理由で納得するの、隆慶一郎系統の、一連の剣豪小説の読者だけか(^▽^;)

と、そんなところへ、双方の身を案じた苗若蘭がやってくるのですが ――
仕方がないとはいえ、そんな、肩から腕からむき出しじゃ、凍傷になるって (^▽^;)
しかも、そんな、戦ってる最中に声をかけたって、まるっきり耳に入らないか、気が逸れた瞬間に、バッサリやられちゃうか、どっちかだし。

と思ってたら、どっちでもありませんでした (^^ゞ

胡斐の腕前が父の胡一刀に匹敵するものになっていることを知った苗人鳳、このまま胡斐に討たれる覚悟を決めます。
そんな苗人鳳に、刀を振り下ろしかねた胡斐、咄嗟に後ろへ下がり、刀を引きますが、
その切尖が吊り橋の鎖に触れ、皮肉にも、若蘭を崖下へ転落させることに。

若蘭を助けようと、ためらいもなく崖下へ飛び降りる胡斐と苗人鳳。

と、その時、雪崩が起こり…………

その雪崩が、二人の内力の激突によるものらしいと報告を受けた福康安、早速崖下を調査させ(自分も降りていって)気を失って倒れている若蘭と、さらに酷い内傷を負った苗人鳳を見つけ、ともに手中に収めます。

しかも、若蘭が頭を強打して記憶を失っていると知るや、姓も判らない孤児で、最初は福家の小間使いとして、後には娘として養われたと嘘の経歴を捏造し(北京の屋敷にいる母親にまで手を回して)、自分の許婚者に仕立て上げてしまいます。
(で、胡斐がどうなったかの調査は部下任せ。まったく、この男わ )

その崖下の調査に同行した閻基、篭で下りる途中の壁面に洞窟の入り口を見つけていて、
適当な口実(和尚は忙しいとか、そんないい加減な理由)を使って、福康安と別れ、
抜かりなくくっついてきた劉元鶴と供に、その洞窟へ向かいます。

と、それはやはり、李自成の財宝を隠した洞窟で、膨大な宝物に浮かれまくっているところへ、のっそりと現れたのは田帰農。
今まで以上に自身たっぷりな態度になっていて、この宝は、福康安を通じて乾隆帝に献上するといいます。

元々財宝が目当てで長白山へ来た閻基と、目の前に宝の山を見て、ふと欲が出たのだろう劉元鶴、二人掛なら田帰農を倒せるかと立ち向かいますが、
服の下に、ちゃっかりとフビライの鎖帷子を着込み、氷の下に刀剣を隠していた田帰農に、閻基本はあえなく返り討ち。
(軟蝟甲(なんいこう)とか、承志や狄雲が着てた胴着をパロってる?)
懸命に命乞いをする劉元鶴も、
「崖から突き落としたりはしませんよ。………………突き落としたって、死ぬとは限りませんからね」
ぼきっ! うぎゃぁぁぁ……。がくっ(笑)
いやぁ。清々しいほどの悪人になっちゃいましたね、田帰農。
(いや、第一話のときも、これくらいの悪人だったか)

しかも、北京の屋敷へ福康安を訪ねた田帰農(なんか、妙な迫力まで身につけちゃって(~_~;)
習得しかけた『左右互縛術』の苗家剣法の完成のためと、さらには、多分長年のコンプレックスの解消のためもあるんだろうな~
折角捕らえた苗人鳳を逃さないため、武功の九割を失わせ、武芸者の矜持を叩き折る方法として提案したのが、なんと、肩甲骨に穴をあけて鎖を通す方法 ―― って、今度は『連城訣』かい!

いや。やるなとは申しませんよ。
ちょっと前の日本のドラマだって、○HKの大河、『国盗り物語』なんて、同じ司馬遼太郎さん作の『梟の城』が入れ子になってたし、他の色々なドラマだって、オリキャラが登場するのが当たり前になってたし、むしろ、そのオリキャラのほうが魅力的だったりもしたものだし、設定や結末が変わるのも、当たり前だったし、
(原作ではとっくに死んじゃってるキャラが、視聴者からの懇願で、生き延びちゃったケースもありましたしね)

でも、結末近くになって、こうまで色々まとまって出てくると……
あと、何が出てくるんだろう? 兄かな?(爆)

そうして、武功の大半を奪われた苗人鳳に対し、木剣を渡した田帰農、立会いを申し入れます。
が、武功の九割を奪われても、お前などに負けるものかと言い放った苗人鳳、幾度も体をつないだ鎖に妨げられながら、言葉通りに勝ちを納めます。
で、あそこの剣の使い方は、なかなか面白かったし、このあたり、鎖に繋がれて爪と牙を引き抜かれても、やはり虎は虎なんだなー、の風格でした。苗大侠。

ですが、その後も何日かに渡って剣を交えるうち、着々と腕を上げた田帰農、ついには苗人鳳の剣を叩き落すまでの腕前に。
若いうちから稽古に励んでいれば、名を知られる使い手になっていたろうにと惜しみながら、急に田帰農の内力が上がったことを訝しむ苗人鳳に、奇縁から老玩童の『左右互縛術』を身につけ、内力が十倍にアップしたと告げる田帰農。
(あれ、内力アップの秘術じゃないはずですが、まあ良いや(笑)

その『左右互縛術』の完成のため、一通り身につけた苗家剣法を完璧なものにしたいと、苗人鳳にさらなる立会いを迫ります。
が、若蘭を助けるのに協力するならよし、さもなくば、このあとは剣を取らないという苗人鳳。
しかも、田帰農の思惑は最初から見切っており、これまで伝えた苗家剣法のうち、三箇所はわざと間違えて教えたと告げます。

「自分の技が完成に近づいたとき、破綻を悟る。しかも、それがどこだか判らない。これほどの恐怖があろうか」

なんか……、かなり、相当、やるじゃないですか苗大侠。
やっぱり、ただの腕は立つけど気は良いだけの(知能は五歳児並みの)オジさんじゃなかったんですなd( ̄  ̄) ヾ(^o^;オイオイ・・・

しかし田帰農も、他人にはあれだけ嘘八百並べ立ててるのに、若蘭救出に関しては、真っ正直に自分のは協力できないって。
ここの部分は、はたして、死なせてしまった南蘭に対する誠実さなのか、何なのか。

で、その頃の若蘭ですが、福家に連れてこられ、ここで育ったのだと正室の海蘭の使っていた部屋と、豪華な装身具を与えられても、一切の実感のないまま(そりゃ、そうでしょう)
自分を置き去りに、着々と進む婚礼の支度(三日後)に、戸惑っておりました。
(で、婚礼衣装を撫でながらため息をつくところなんて、公孫止との婚礼を控えた小龍女みたい(~_~;)

若蘭


一方、胡斐はと云うと、なんとか崖を這い上がったものの、やはり内傷を負って倒れていたところを、胡斐を案じて駆けつけた鉄花会の面々 ―― 無塵道人、文泰来、駱冰、常氏双侠 ―― に助けられ、
北京の分舵(支部のことですね)から、若蘭が福康安に捕らえられていると云う連絡をもらい、
北京に向かって懸命に馬を飛ばしておりました。
(しかし、陳家洛は総舵手だから、軽々しく動けないのはわかりますが、胡斐を気に入ってた風の武諸葛・徐天宏や、胡斐と義兄弟の契りを結んだ趙半山兄貴が登場しないのは、ちょっと寂しいですなぁ)

ところで、若蘭が福康安の屋敷へ連れて行かれたところで、海蘭の後添えになった正室が、猛烈な嫉妬を見せるシーンがあったんですが、あれ、何かの伏線になってるのかなぁ?
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コメント

>……って、そんな理由で納得するの、隆慶一郎系統の、一連の剣豪小説の読者だけか(^▽^;)

ワハハ!剣豪小説は読んだことないんですが、戦いの中にのみ己を見いだせる苗人鳳に納得してます~(爆)ある意味、本当の武術キ○ガイですよね…

>「自分の技が完成に近づいたとき、破綻を悟る。しかも、それがどこだか判らない。これほどの恐怖があろうか」
これは…逆にそれまでの苗人鳳の性格と随分違うな~という印象でした。そういう小細工を弄する人じゃないと思ってましたので。

若蘭、まだまだ酷い目に合って行きますよ…

間違えました・・・ε=ε=ε=(っ≧ω≦)っ
・・あれ?合ってた
┣¨┣¨┣¨レ(゚Д゚#)ヘ=З=З=З┣¨┣¨┣¨ ・・・ε-( ̄。 ̄;)フゥ 
テンプレート変えられたのですね(笑)
すごくreiさんらしいです♪
私もこういう背景??好きですぅ~。
うちの方も、新年には、変える予定ではいるのですが・・中々気に入ったのが・・。

 あと2日で今年も終わりですねぇ~、
本年は、此処でreiさんにお会いできた事が何より嬉しい出来事でした♪

 それでは、よいお年を・・┏(I:)

阿吉さんへ

> ワハハ!剣豪小説は読んだことないんですが、戦いの中にのみ己を見いだせる苗人鳳に納得してます~(爆)ある意味、本当の武術キ○ガイですよね…
あれで、もうちょっと稚気があったら老玩童……とまでは行かないでしょうが(笑)
7年たって、腕を上げただろう胡斐と戦ってみたいと語ったあたりなど、本当にそう思わせますね。

> これは…逆にそれまでの苗人鳳の性格と随分違うな~という印象でした。そういう小細工を弄する人じゃないと思ってましたので。
なるほど~。
阿吉さんは、そう感じられましたか。
では、これは、人は猛烈なストレスにさらされると、突如、それまでの価値観やら何やらが180度変わってしまう(回心と言うそうですが)ということがあるそうなので、苗人鳳にも、それが訪れたという解釈で(笑)

でも、実際には、昔の香港映画の作り方みたいにきちんとした脚本を作らず、
その都の度思い付きでエピソードを加えていったらこうなったのだったりして(爆)

> 若蘭、まだまだ酷い目に合って行きますよ…
うわぁ…… ( ̄▽ ̄;)
MAXAMさんのフォトギャラリーを見て行くと、どうも……と云う気はしていたんですが。
ど……どうなるんでしょう。 ドキドキ。

氷無月さんへ

驚かせてしまって申し訳ありません (^^ゞ
テンプレート、お正月仕様にして見ました。
華やかでいいなぁと思う半面、ちょっと華やかすぎるかなぁ、とも(苦笑)

> すごくreiさんらしいです♪
> 私もこういう背景??好きですぅ~。
そ……そうですか?
ありがとうございます (^_^)

> うちの方も、新年には、変える予定ではいるのですが・・中々気に入ったのが・・。
ですよね。
内容とか、それに合った雰囲気とか、あと、読みやすさを考えると、なかなか難しいですよね。
早めに良いテンプレートが見つかりますように。

> 本年は、此処でreiさんにお会いできた事が何より嬉しい出来事でした♪
そう言っていただくと、嬉しい半面、物凄く照れてしまいますが、
私も、分野は違うけれど二次小説を書くお友達に巡り会えたこと以上に、
氷無月さんご本人とお友達になれたことが、何より嬉しく感じています。

>  それでは、よいお年を・・┏(I:)
ありがとうございます。
氷無月さんも、良いお年を。
どうか、来年もよろしくお願いいたします。

挨拶に!!

今年も一年ありがとうございました
2009年も宜しくお願いします

お節は準備出来ましたか~~?

しょうこさんへ

ご丁寧なご挨拶、いたみいります(笑)

こちらこそ、色々とありがとうございました。
来年(2009年)も、よろしくお願いします。

> お節は準備出来ましたか~~?
まだ、これからです(^▽^;)
さっきねぇ、“たつくり”を作ろうと、レシピを検索してたところ (^^ゞ

>だったら、双方の戦う理由、強い相手を見ると、どうにも戦ってみたくなる、武芸者の本能とか業みたいなものを前面に出したほうが、ずっと納得が行くんですけどね~
苗人鳳と胡斐が戦っているシーン、迫力もあって結構面白く見ていたのですが、違和感もあって、自分でこの違和感は何だろう?と疑問に思っていたところ、reiさんのレビューで納得しました。
胡斐に切られるつもりでいると言っていたので、苗人鳳は、てっきり無抵抗で切られるのかと思っていたのでした(^^;ゞ
なのに戦うから・・・
reiさんの言われるように、武芸者の性を前面に出せば、違和感なく見れた気がします。

>なんか……、かなり、相当、やるじゃないですか苗大侠。
私もそう思いました(笑)

ふく*たま さんへ

> reiさんの言われるように、武芸者の性を前面に出せば、違和感なく見れた気がします。
ありがとうございます(って、お礼を言うのも変ですが)

一時期、その手の ―― つまり、命の遣り取りをする間柄が、一番縁が深いのさ、とか、
長年尊敬して、憧れ続けてきた相手と真剣勝負をするという行為に、ワクワクしてしまうという、
そういう、とんでもない(でも、なかなか素敵で可愛い)男たちの出てくる物語を続けて読んでいたもので、こういう発想になりました。

納得というか、賛同していただけて、嬉しいです(*^_^*)

> 私もそう思いました(笑)
でしょ。
ちょっと、ビックリもしましたケド(笑)
思わず v-218 

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