秋水長天

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蒼き炎 ― あおきほむら ―  大悪女・呂后伝

えー。 3月になりましたので、テンプレートを春向きにしてみました。
(実は、桜の素敵なのがあったんだけど、それだとルビが奇麗に表示されないのよね~)

と云うのは、置いておいて



蒼き炎―大悪女・呂后伝蒼き炎―大悪女・呂后伝
(2000/03)
藤 水名子

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漢の高祖、劉邦の糟糠(そうこう)の妻。
夫亡き後、愛妾の産んだ子である如意を毒殺。生母である戚夫人の手足を断ち、人彘(ひとぶた)として惨殺。
夫と供に漢を築き上げた功臣を次々と粛清して、呂氏の天下を築いた希代の悪女   として知られた呂后を、その、彼女の立場から描いた力作。

阿吉さんご紹介の『王昭君』がすごく良かったので、じゃあ、別の女性を描いたものはどうなのかなと、借りて見ましたところ……非常に読み応えがありました。
で、ラストの余韻もなかなかでしたが……

はっきり云って、藤さん、よくこんな“しんどい”作品を書いたなぁと(笑)
まぁ、真似事とはいえ、小説っぽいものを書く立場から言えば、筆が乗ってきさえすれば、人間の心理を書き込むのって面白いですけどね。

で、読んでるうちに感じてたのは、呂后は、とにかく不幸な女性     というか、幸福を見つけることの下手な、当時の女性としては頭は良いけれど、決して聡明ではない女性と云う印象だったんですが、
本を閉じてから考えてみると、本当に、ごく普通の女性だったんだなと思えてきました。
(本当に賢い女性だったら、多分、上手に自分の居心地の良い場所を作っちゃうでしょうし)

そもそもは、旦那が自分にとって最悪の相手だったのが原因なんですが、そのせいで、夫も、その夫との間に生まれた息子も愛せない。
でも、自分が相手を嫌っていれば、(態度には出さなくても)相手も自分を嫌うだろうということには、気付かない程度に普通の女性。
それでも、懸命に病弱の息子の世話をし、玉座に押し上げながら、その息子のいまわの際に、
「あなたは……父の妻となったことを悔いておられた。だから、私を子として愛することができなかったのだ」
看破され、否定してやれない自分を責め、我が子の子を当たり前に嘆くことのできない自分に戸惑う、普通の女性。
(だからって、好きになれるタイプの女性では無さそうですが)

これでも、この人、つりあった家の、ごく普通の男性に嫁いでいたら、美人で賢い奥さんといわれて幸福に……なれたかなぁ?
案外、半端に頭が良いせいで、どんな相手でも欠点が見えちゃって、やっぱり幸福にはなれなかったかもしれません。

あと、この人の人生で唯一の精彩と云うか、花と云うか    
ただ一度、敵陣に捕らえられた時に逢った項羽への一種の憧憬が印象的でした。



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Comment

 

>別の女性を描いたものはどうなのかな
先日の幇会でも、藤先生の作品が話題になりました!
なんとなくですが…女性が主人公の作品の方が
秀作が多そうですね!

>呂后は、とにかく不幸な女性
そういう切り口なんですね~!
タイトルからして「大悪女」ですし…
他作になりますが、
「蒼穹の昴」でも、
西大后が悪女になった理由が
描かれていたりして、
悪女にも理由があるんだよなぁ、
と思ったことでした。

これ、私も読んでみたいと思います!
  • posted by 阿吉 
  • URL 
  • 2009.03/02 18:43分 
  • [Edit]
  • [Res]

阿吉さんへ 

> なんとなくですが…女性が主人公の作品の方が
> 秀作が多そうですね!
そうですね。
それも、女侠タイプより、普通の女性を描いたものの方が秀作のようです。
ご本人は、「英雄を書きたい!」「強い男を書きたい!」と思って書いた、
なんて、後書きに書いておられるケースもあるんですが。

> 悪女にも理由があるんだよなぁ、
> と思ったことでした。
そうなんですよね~
産まれ付いての悪人は、滅多にいないといいますが、
特に女性の場合は、関わりを持った男性に左右されるケースが多いようですね。
その点では、呂后も西大后も、悪女であると同時に、不幸な女性といっていいと思います。

特に呂后のばあい、きっちり、自分が不幸だ問い云う自覚を持ってるようで。

> これ、私も読んでみたいと思います!
是非、是非。
で、気が向かれたら、感想を!
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2009.03/02 19:20分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

なるほど・・。と、reiさんの感想を読みながら、この女性というものを想像してみました。 
 確かに、女性というのは、選ぶ男性によって、人生を左右される傾向はあると思います。 (女性のタイプにもよりますが・・)笑
 不幸は不幸を呼び・・幸福は幸福を呼ぶ・・と以前、知り合いに言われた事がありますが・・。この方の場合前者のようですね・・。
 そして、春使用のテンプレート・・ププッ ( ̄m ̄*)
夜一さんが・・・(笑)
  • posted by 氷無月  
  • URL 
  • 2009.03/02 22:27分 
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氷無月さんへ 

>  不幸は不幸を呼び・・幸福は幸福を呼ぶ・・と以前、知り合いに言われた事がありますが・・。この方の場合前者のようですね・・。
そうなんですよね。
しかも、なまじ、不幸酔いするタイプでも、不幸に打ちのめされるタイプでも、健気に不幸に耐えるタイプでもなく、
不幸な自分を自覚しながら、妙な方向へ足掻いちゃった分、より気の毒といおうか、壮絶なはた迷惑といおうか……。
なんにしても、とんでもない女性だったことも事実です。

やっぱり、人間、多少はお気楽に産まれついてるほうが、幸福になれそうですね。

>  そして、春使用のテンプレート・・ププッ ( ̄m ̄*)
> 夜一さんが・・・(笑)
うふふふ……。
そう。実は、これを見つけたとき、思わず「やったぁ \(^o^)/」と(笑)
(夜一さん、好きなんですよぉ)

  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2009.03/03 18:33分 
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  • [Res]

時代が呼んだというか。 

確かに、状況が違えば、
シアワセが待ってたかも、ってなことは
ありますよね。
日野富子にしても、淀君にしても、ですね。

はい、お気楽なほうが、ぜったいいいですよ。
  • posted by kammaki 
  • URL 
  • 2009.03/04 13:24分 
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  • [Res]

kammaki さんへ 

> 日野富子にしても、淀君にしても、ですね。
そう、そう。この2人も、巡り会わせが悪かったクチですね、そういえば。
淀殿なんかは、自分がその気だったら、それなりに幸福な晩年を送ることができた気もしますが。

> はい、お気楽なほうが、ぜったいいいですよ。
ですよね~、やっぱり。

ワタクシたち凡人は、せいぜい、お気楽にやりましょう(^_-)-☆
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2009.03/04 18:06分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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