2009/07/25 (Sat) 中国雑話 中国的思想

阿吉さんが、面白い本を沢山貸してくださいました。
まずは、その中の一冊~

中国雑話 中国的思想


“あの”『後宮小説』『泣き虫弱虫諸葛孔明』の酒見賢一先生による、中国の色々なこと柄に関するエッセイ。
で、

1、 劉備
2、 仙人
3、 関羽
4、 易的世界
5、 孫子
6、 李衛公問対
7、 中国拳法
8、 王向斎


の、8章で構成されておりまして、
私、実は、この手の本は、読むのに結構時間がかかるんですが、この本の場合は、例外的に一気読み。
これは、著者が“あの”酒見賢一先生だったせいか、それも、内容が私好みだったせいか。
どちらにしても、大変面白く、興味深く読ませていただきました。

で、その内容はと言いますと

まず、1の「劉備」は、曹操、孫権と比較しての、劉備と云う人物のわかりにくさ、捕らえにくさが書いてあるんですが、
軽薄な曹操と、気配りの孫権と、……な劉備とか(本当に「……」と書いてあるんです)
さすが、例え方が面白いです。
で、特に、曹操の軽薄さの例えてとして、もう、自分は後方にいて、部下を戦わせればいい立場になっても、自分が率先して戦いに行ってしまう  というのがあって、
つい、あの、スペオペ版三国志と言われる『銀河英雄伝説』の、一方の主人公であるラインハルトさんについて言われる、
『カイザーの人となり、戦いを嗜む』
と云うのを思い出して、ニヤリとしてしまいました。

(以前に、曹操とラインハルトさんが似てるって言ったら、曹操ファンの友人が、すんごい厭そうな顔をしたんですけどね(笑)

あと、孫権の気配り上手の例えとして、『仁義なき戦い』が出てきたり、
(それで、『泣き虫弱虫諸葛孔明 2』で、孫権軍団は九州ヤクザのような言葉遣いをしてたのかな?)
何かと無定見で天下に迷惑をかけ続ける劉備(と云う表現が秀逸)のせいで、
孔明は、はっきり言って泣きたくなったに違いない、なんて書いてあって、

なるほど、こういう感じ方が、あの『泣き虫弱虫諸葛孔明』になって行ったのかな~と、興味深く感じました。

2の「仙人」は、仙人とは何者か~と云う考察から、伝説等に語られる色々な仙人の話、
あと、“あの”長春真人・丘処機さんが、チンギス・ハーンに招かれて、ホラズムまで出向いた話、
(『射英雄伝』にも載ってたけど、丘処機さんだったかなぁ。今度、読み返して見なければ)
等々が書かれていて、
そもそも仙人と云うのは、戦乱で山へ逃げ込んだ人が、木の実や山菜、薬草等を食べていた人が、一般の人より長生きしちゃったのが、そう思われたんじゃないか~と云う説が、面白かったです。


続く、「関羽」は、あの(あの、ばっかり(^▽^;)関羽が、死後に怨霊から神になり、さらに、その階級がどんどんと上がってゆく過程を書いたもので、
宋代にはまだ「崇寧真君」だった関羽が、明代になって漸く「関聖帝君」となり、
清代になるに至っては、
「忠義武神零佑仁勇威顕護国保民誠綏靖翊賛宣徳関聖大帝」
って、これ、声に出して読んでゆくと、

ちゅうぎぶしんれいゆうじんゆういけんごこくほみんせいすいせいよくさんせんとくかんせいたいてい~
(-ノ-)/Ωチーン 結構なお経でございました 南無...(-人-) Д

てな気分にさせられる称号ですね。

もう、どんなふうに偉いのは、贈ったほうにも分らない。貰って嬉しいのか、聞きたくなるような称号である、と酒見センセイも書いておられますし。

というのはともかく、8月の【五覇岡会】では、しっかり、関帝廟にお参りしてこねば、と思いました。

で、続く「易的世界」「孫子」「李衛公問対」は、興味深いけれど(説明が難しいから)すっ飛ばして(笑)
(それにしても、酒見センセイ、易~って言うか、占いもやられるんだ~。ビックリ)

ことに興味深く読んだのは、中国の武術と、その武術家の一人について書かれた「中国拳法」と「王向斎」。
特に「中国拳法」では、実際の中国では、明末清初あたりまでは、武芸者の社会的地位は低く、
清代になって漸く、知識人との交流が始まり、武侠小説も書かれるようになり~と云うあたり、
「中国」と云う国を考えると、なるほど~と思うと同時に、、
だったら、小説の世界ってのは、元々作者の脳内江湖なんだし、考証とか気にせずに、のびのび書いていいのね~って、のびのび書こうにも、基礎知識がなきゃ、手も足も出ないんですけどね(笑)

あと、「形意拳」の使い手の郭雲深が土地のならず者のボスを殺して、3年の禁固の刑を受け、木製の手錠をはめられたまま、3年間、1日も休まず、「虎形拳」の型を練り続けたと言うエピソード、
読んだことがあるぞ~と、手持ちの漫画を引っ張り出してみたら、
「うしおととら」の藤田和日郎さんが、コミック短編集「夜の歌」の中で、
「掌の歌(てのひらのうた)」として、かなりアレンジはしてありますが、いい話を書いておられました。

と、その他、本当に、ドラマか小説の世界のような武芸に関するエピソードなどもあって、
こういうのを読んでると、本当に、せめて太極拳でもやりたくなりますが……

なんだって、ウチの近くには、適当な時間に行ける太極拳教室がないのよ…… (ノ_-;)ハア

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No title 

>丘処機さんだったかなぁ。
へい。チンギス・ハーンに不老長寿の秘訣を説いたのは我等がQちゃんです!
史実では「真人」という称号にふさわしい方だったそうですが
ドラマでは「おまえだけには説かれたくないワイ!」
とラスト近くの一番の突っ込み所で
家族で腹抱えながら見たので間違いないっす!
しかもその後でこの会見は本当にあった事だと知り、
「マジで!?マジで言っちゃったの!?Qちゃん!?」
と爆笑。一粒で二度美味しいエピソードでございました(爆)。

2009/07/26 11:36 | どぅいちゃん [ 編集 ]


どぅいちゃん さんへ 

ありがとうございます。
やはりQちゃん(きゅ……Qちゃん? (^m^)でしたか。
こちらを読んでると、むしろ馬真人サマ向きのエピソードに思えてきて、「あれ?」となってしまったわけですが。
ま、このときの丘処機サマ、何と、御年七十何歳。
仮に、“あの”性格だったとしても、大概に練れてはきますよね。

あ。なんか、久々で『射英雄伝』が見たくなってきました。

2009/07/26 13:48 | rei★azumi [ 編集 ]


No title 

>あの”『後宮小説』『泣き虫弱虫諸葛孔明』の酒見賢一先生
ですね~♪
私も酒見先生だったら
『泣き虫弱虫諸葛孔明』が一番好きです!
各方面からは怒られそうですが、
あのキャラ付けが可笑しくって!
この本では、そんな酒見先生の脳内を
ちょっとのぞいた気分でした。

え~と、これ、NHKのラジオ中国語講座の
テキストの巻末で連載してた読み物なんですよ。
私も、「易的世界」「孫子」「李衛公問対」あたりは飛ばし読みした記憶…(^^;

>武芸者の社会的地位は低く、
清代になって漸く、知識人との交流が始まり、武侠小説も書かれるようになり~と云うあたり、
「中国」と云う国を考えると、なるほど~と思う
そうなんですよね~。
どこまでも、「文」の国ですよね。
だからといって、
争いが無い訳じゃないんですけどね(^^;

2009/07/27 21:46 | 阿吉 [ 編集 ]


阿吉さんへ 

>『泣き虫弱虫諸葛孔明』が一番好きです!
私もです。
あの、いい年をして“ちゃん”付けで呼び合うおじいちゃま(孔明さんのお舅さんとか)たち、
「さあ、舞いましょう!」と言われて、一緒に舞っちゃう黄氏、
何かと云うと、びしょびしょに泣いちゃう孔明さんと劉備etc……と、
とにかく、読んでて楽しいキャラが満載でしたね。
あ、あれ? 関羽と張飛が、心なしか影が薄かったような???

>この本では、そんな酒見先生の脳内を
>ちょっとのぞいた気分でした。
まさに、そんな感じですね。
ユニークな小説を書かれる方は、モノのみ方、感じ方も、やはり、ひと味違うようです。

>私も、「易的世界」「孫子」「李衛公問対」あたりは飛ばし読みした記憶…(^^;
普通で行けば、なじみの薄い世界ですものね。
「孫子」は、ちょっと興味があって、解説書を読んでみたんですが、感想~ってなると、やはり難しいデス(^_^;)

>どこまでも、「文」の国ですよね。
なんですよね~。
未だに、「文」が偏重されてる、みたいなことを、ある本で読みました。
それに関しての思うところは、長くなりそうなので、
いつか、記事のほうでやれたらいいかな、とは思いますが。

>だからといって、
>争いが無い訳じゃないんですけどね(^^;
そう。それが不思議なんですよね~
ペンは剣より強しってのは、あくまで理想なんでしょうかね?

2009/07/28 18:56 | rei★azumi [ 編集 ]


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Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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