秋水長天

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中国の科学と文明

図説 中国の科学と文明図説 中国の科学と文明
(2008/10)
ロバート テンプル

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現代ならともかく、古代から中世の中国と科学って、そぐわない気がしたんですが、これが、とんでもない誤解と云うか錯覚で、中国は昔から、物凄~く進んでたんですよ~という本。
で、なんせ分厚い本なんで、まだ全部読んでない    と云うか、読み進むの、ぽつりぽつりなんですが、これが、かなり面白いんですな。


とりあえず、序文とかはすっとばしまして(笑)
全体は、
第1章 農業
第2章 天文学と地図作成学
第3章 工学
第4章 日常生活と工業技術
第5章 医学と健康
第6章 数学
第7章 磁気
第8章 自然科学
第9章 輸送と探検
第10章  音と音楽
第11章  戦争

の11章から構成されておりまして、この中で畝とか馬具とか、種まき機とか、
(どうしても第1章あたりを丹念に読むことになりますので (^^ゞ)
磁石とか羅針盤とかポンプとか、天然ガスの利用  これが現代ならわかるんですが、紀元前1世紀あたりからの話と云うからビックリ(@@!)
これは、塩水を得るために井戸を掘っていての副次的なものだったろうということですが、この天然ガスをためておいて、適度に空気と混ぜて家庭用の燃料や明かりに利用していたというんですから、これは凄い。
で、こういうこと(ガスをずーっと引いてゆくこととか)が出来たのも、中国には竹が豊富にあったからと云うのには納得。
確かに、節を抜いてつなげば天然のチューブなりますものね。ガスボンベとしのて利用もされてたとありますし。
うん。竹は偉大だわ。
食器にも筆記具にも武器にも玩具にも、細く裂いて縒ればロープにもなるし。竹炭とかって燃料にもなるし(あれ? 脱臭剤だったかな?)
そういえば、竹でお家を作った人もいましたしねぇ(^m^)

おっと、話が逸れましたが。そんなコトが色々書いてあります。

で、紙とか漆器とか陶磁器とか、その他色々、結構意外ななものが中国の発祥だったってのは、ある程度知識としては知ってましたが、
(でも、名刺とか、人を褒める時に親指を立てるのが中国から来てたってのは、金庸作品を読んで初めて知って、驚きました)
当たり前すぎて気に求めない、畑に畝を作るってことが、中国じゃ紀元前3世紀あたりの書物に出てるのに、ヨーロッパじゃ18世紀まで実際には行われていなかった、とか、
(畝のあるとなしじゃ作物の生育が格段に違うそうで、初期の北宋が全世界の国民総生産の50%を占めてたってのにも納得)

マッチを最初に考案したのは、軍隊に包囲されて困窮していた北斉末の宮廷の女官だったとか(紀元577年ってことで、蘭陵王の無愁天子の時ですな。で、日本じゃ聖徳太子がご存命だったころらしいです)
で、ヨーロッパで確実にマッチが使われたのが1500年以降と。
(でも、日本じゃ明治になるまで火打石だったのよね(^▽^;)

ま、最初のころのマッチは、木片に硫黄をしみこませた簡単なものだったそうで、現在のマッチの形に仕上げたのは1800年代のヨーロッパの方とのことですが、
そうすると、以後、武侠ドラマの中で誰かがマッチを擦るシーンがあっても、驚いたり、変だなと思ってはいかんということですな(笑)

一輪の手押し車は、中国では紀元前1世紀に葛由が発明した“らしい”と言われるが、ヨーロッパには11世紀ないし12世紀まで存在しなかった。
なんて記述が出てくるにいたっては、中国どこまで進んでたんだ~、というよりは、中世のヨーロッパ、どこまで遅れてたんだ~
と思ったら、日本に一輪手押し車が入ってきたのは戦後だ、なんて父ちゃんが言い出しまして……
そういや、時代劇には一輪車、出てきませんものね(^▽^;)

と云う話は、ここまでにしておいて。
殆ど、本と云うと小説しか読まなかった私が、こういう本を読んでるかと云うと、
まあ、この通りの派手な外見の本なので、図書館の本棚で、やたら目立ってたってのもありますが、
ふく*たまさんのところの『セブン・ソード』のレビューに、清代初期に地雷があったかなと書かれてまして、時期から行くと日本では江戸初期、ちょっと前の戦国時代には、忍者が火薬球を投げたりとか    あ、埋み火って名前で地雷もありました。今思い出した。
ともあれ、そんなんで、多分地雷はあったはずだよな~。なんせ、北宋の中頃にゃ火炎放射器まで作っちゃった国だし。
でも、できれば文献で確かめたいな~と思ってたところで、バッタリと、この本に巡り会った、というわけなのでした。

で、肝心の地雷、10から11世紀ごろにはすでに、あったそうです。
というか、その他機雷とかロケット砲とか、火器も色々発明、開発されてたそうなんですが、どうも、肝心の時には数が揃えられてなかったり、作られてなかったり。
こういうあたりも結局(間の思考あれこれすっ飛ばして、結論だけ言いますと)中国は“文”の国ってことでしょうかね?
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Comment

 

相変わらず、
面白い本を見つけるアンテナが立ってますね!
小説意外にも、
こういうのもたまには読まないといけませんな!

羅針盤とか火薬が中国の発明…
というのは知識として知ってましたが、
こうやって羅列されると、
改めて凄い!と言わざるを得ません。

日本と比べると、昔の中国は
ホント凄いですよね~。
(うちの母は未だに、
春秋戦国時代とかのドラマを見て、
それが紀元前、というのが
どうも信じられない様子です)
やっぱり”大陸”だと、
島国と比べて人類も早くから生息してそうだし、
そういう発明も早いのでしょうか?
  • posted by 阿吉 
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  • 2009.11/12 21:50分 
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この本はいいと思います、もし、今中国の若者はこの本を読んだことがあったら、そんなに自分の国を恥ずかしくしないでしょう。

そうよ、中国は清代から初めて後れるのだ、その前、ずっと世界中一番発達していた。
ヨーロッパ人にとって、天国のようなところということは、マくボロというイタリア人は、中国で旅行して、書いた遊記の中で十分述べていた。
金庸の小説の中で、描いたことがある宋代は、金人に半分の国土を奪われるが、南宋の経済は、その時に、世界一です、その娯楽の程度は、今と比べても、低くない、とても楽しい時代だ、どこでも遊びのところ(妓楼とか)があるでした。

山外青山楼外楼,西湖歌舞几時休?

という詩句もあるの、なんでのんびりの詩句でしょう。

私はすっごく、その時代が憧れているんだ。
  • posted by ぴょ 
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  • 2009.11/13 17:41分 
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阿吉さんへ 

これは本当に、大当たり~! のいい本でした。

それにしても、以前に紹介した中国の武器の図説集もでしたが、
その手の本を読むたびに、改めて、中国の凄さ、認識しなおさせられます。

>うちの母は未だに、
>春秋戦国時代とかのドラマを見て、
>それが紀元前、というのが
>どうも信じられない様子です
それは、私も同感です。
『三国志』が邪馬台国の卑弥呼のころ(ですよね?)
って、知識としてはわかってても、実感が伴わなくて。

>やっぱり”大陸”だと、
>島国と比べて人類も早くから生息してそうだし、
>そういう発明も早いのでしょうか?
でしょうかねぇ。
あと、物資の豊かさとか、土地の肥沃さも多少は関係するのかなぁ、とは思いますが。
(ヨーロッパが一気に延びてきたのは、新大陸の豊富な物資が手に入るようになってから、という話もありましたし)
  • posted by rei★azumi 
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  • 2009.11/13 18:56分 
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ぴょ さんへ 

はい。本当に、これはいい本でした。
中国の若い人、昔の中国はこんなに進んでたんだよと、胸を張っちゃって下さい(^.^)
(と、書いてる文字だって、漢字は中国のものだし)

それにしても、中国って凄い、凄いと思ってはいましたが、
ここまで凄かったとは!

>そうよ、中国は清代から初めて後れるのだ
そう、そう。他の本にも、この段階で後れたのが、勿体無いと書いてありました。

>金庸の小説の中で、描いたことがある宋代は、金人に半分の国土を奪われるが、南宋の経済は、その時に、世界一です
北宋の開封、南宋の臨安、ある小説に『夢の都』と書かれていました。
国際都市だし、華やかだし。
大きな劇場があって、百貨店もあって、と聞くと、電気が通ってなくて、自動車が走ってないだけで、現代とそんなに変わらないじゃないか、と思えます。

>私はすっごく、その時代が憧れているんだ。
わかります~。
というか、私も憧れます。

あ、そう、そう。話は逸れますが、西湖、前に写真で見ました。
すごく綺麗なところですね!
  • posted by rei★azumi 
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  • 2009.11/13 19:21分 
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そうだ、西湖のとこと言えば、日本人はこのところあまり知っていないですか?
わたしは、日本の皆さんと交流して、そして、日本に来て以来、意外なことを発見した。
それは、中国のことが、中国人はよく知っていることは、日本人は、知っている限らない、でも、中国人はあまり知らないことは、逆に、日本人はよく知っている。
たとえば、お茶。
日本に来てから、いろんな烏龍茶を見た、それらみんな、中国福建省の茶葉で作ったものと書いている。そして、茶道を体験する時も、その茶道をやるお叔父さんも、この茶葉は、中国の福建省の緑茶だと言った。
烏龍茶は福建省のが一番であるかどうか分からないが、緑茶は、中国人みんな、杭州の龍井は一番ということが知っている。
だから、いま、西湖も、中国で、一番有名なところだが、日本人は、そう思いませんかもしれない気がします。
いったいどういうこと、教えてください。
  • posted by ぴょ 
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  • 2009.11/13 23:24分 
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ぴょ さんへ 

答えるのに、とても難しい質問を……(^▽^;)
なので、私はこう思います、ということしか書けませんので、それは了解して下さいね。

まず、お茶のことですが、それは、こういうことではないかと思います。
最初に日本で、どこかの会社が福建省の烏龍茶を売り出して、それが、どんどん売れて、多くの日本人が、烏龍茶といえば福建省のものが一番だと思うようになってしまった。
そうして、多分、烏龍茶も紅茶も緑茶も抹茶も、作り方が違うだけで、もとのお茶の葉は一緒なので、お茶といえば福建省と思い込んでしまった。
なので、日本人は福建のお茶と書いてあれば、おいしいと思って買うので(多分、日本の業者、売り手がだと思いますが)わざわざ、「緑茶は杭州の龍井が一番ですよ。龍井のお茶を買って下さい」と言うことはしない。
(業者の勉強不足と云うことも、あるかもしれません)
それに、今の日本人って、ブランド物が大好きですから。

西湖もそうですね。
日本人の多くは、外国  だけではなく、日本国内でも、美しい景色を見て、そこの歴史についてや、過去に同じ景色を眺めた人たちに想いをめぐらすよりは、そこの土地の美味しいものを食べたり、珍しい品物を買ったりすることのほうが好きなようです。
なので、多くの日本人に向けて発信される、ここは仮に観光地と云う言い方をしましょう。中国の観光地の情報は、北京、上海、香港。あと、万里の長城とかシルクロード……というのは、昔、日本の国営放送でシルクロードを旅する番組をやってたせいですね、きっと。

なので、西湖のことを知っている日本人は、少ないと思います。

と云うように、日本人に向けて発信される情報の多くは、多くの日本人が興味を持ち、お金を払ってくれそうなもの、と云うことになっている。
つまりは、情報が偏ってるんだと思います。
で、その情報を発信しているのは、多分、日本のマスコミ、テレビ、新聞、雑誌、あたりかな、と思います。
(あ! 学校の教育も、世界史って言うと、ヨーロッパの方に偏ってたし)

どちらにしても、日本人は勉強不足って言われたら、ごめんなさ~い、って言うしか無さそうな感じですが。

あと、中国の人が知っていて当たり前のことを、日本人が知らない。逆に、中国の人が知らないことを、日本人がよく知っている、というのは、
これは、育った環境から来る興味や、価値観の違いと云うのも大きいかな。

と、ここまで書いたところで、思考が止まってしまいました。
これは、ちゃんと、ぴょさんが知りたいことの答えになっているでしょうか?
わからなかったら、また聞いて下さい。
頑張って、一生懸命考えますので。

それから、他の人にも同じ質問をしてみると良いかもしれませんね。
色々な意見、考えが聞けると思います。
  • posted by rei★azumi 
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  • 2009.11/15 13:55分 
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すごい~!
こんな本があるんですね。とっつきにくそうだけど、面白そうです。
初めて知ることばかりで「へぇ~」ボタンがあったら、連打してるところです(笑)
そうか、そうか、あの時代に地雷はすでにあったんだー。
てか、日本にも戦国時代にはすでにあったのですね。
知らないことを知る面白さを実感中。
情報ありがとうございます!
  • posted by ふく*たま 
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  • 2009.11/16 17:10分 
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ふく*たま さんへ 

タイトルを見ると、とっつきにくそうですが、意外に読みやすかったですよ。
さすがに、数学とか、あと音楽あたりは基礎知識がないので、わかりにくいところもありましたが。

ヨーロッパに比べて東洋は遅れてると思ってしまいがちですが、意外なものが、意外な頃からあったんだなと、私も、この本を読みながら、かなり驚いております。

>情報ありがとうございます!
いえ、いえ。どういたしまして (^^ゞ
  • posted by rei★azumi 
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  • 2009.11/16 19:20分 
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ご答え、ありがとうございます!

あ、なるほど、最初日本に売るお茶は福建省の烏龍茶なのか。
勉強になった。

と言えば、中国もそうですよね、中国人は日本の旅行について話せば、大部分の人は、東京だけ知ってる、全然京都は一番風景がいいところということを知っていません。
今年、人気がある映画の中で、北海道があるから、中国人はみんな北海道に行きたいようになった。
北海道に旅行するブームになった。

だから、やはり、了解は深くない原因でしょう。
それらの中国人たちは、日本と言えば、戦争の時の軍人の様子だけを思い出せるから。
もし、両国のテレビで、お互い相手のドラマなどの相手に了解できるものが放送されたら、そういう状況は少なくなるかな。
  • posted by ぴょ 
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  • 2009.11/17 13:43分 
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ぴょ さんへ 

どういたしまして (^^ゞ

中国や日本だけではなく、他の国でも、同じようなことは沢山、あるでしょうね。
これは、お互いに勉強して、理解を深めなくてはいけませんね。

>それらの中国人たちは、日本と言えば、戦争の時の軍人の様子だけを思い出せるから。
日本は、昔々から、中国から沢山色々なことを学んで、一杯、お世話になったのに、そのことを忘れて、酷いことをしてしまった。
これは、日本人としては、ごめんなさい、許してください、と云うしかないんですが。

>もし、両国のテレビで、お互い相手のドラマなどの相手に了解できるものが放送されたら、そういう状況は少なくなるかな。
そうですね。
戦争のときの記憶のある人たちには、難しいでしょうが、
若い世代なら、ドラマなどから、了解し合えるようになるかもしれませんね。

私が、武侠ドラマを見てから、中国のことを色々知りたいと思うようになったように。

  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2009.11/17 19:12分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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