秋水長天

 遊子帰客 夢断故郷雲水之間    西風古道 回首一片秋水長天

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1月の読書

最近、ますます脳のトリ化(3歩歩くと忘れるというヤツね)が進みまして、
何か本を借りようと図書館へ行っても、
「はて、この本は、前に借りたんだっけ、どうだっけ?」
(さすがに、中を見れば思い出しますけどね~)
と云うことなので、備忘録をかねて、こんなものも書いてみようかと思い立ちました。

で、以下は全て、稲沢市図書館で借りた本です




小説*十八史略 2  陳舜臣/著
小説*十八史略 5  
……は、簡単に言えば陳舜臣先生テイストの中国の歴史。
で、2は秦の始皇帝治世の末期から項羽と劉邦の物語を経て、漢の武帝の治世の始まりあたりまで。5は、隋末唐初の動乱から貞観の治、武則天の治世を経て、安史の乱の終結まで。
で、実はこれ、最初は、ちょっと安史の乱あたりのことを読んでみようかな~と借りたんですが、読み出すと結構、ハマるんですな、これが(^▽^;)
で、2には呂后、5には武則天と、どちらにも中国の歴史上、悪名高い女傑が登場してますが、両名共に、自分の旦那さんの親族とか功臣とかは結構粛清してますが、国民に対しては悪い君主じゃなかった  特に武則天は、皇族以外から優秀な人材を登用していて、玄宗が治世の初期に名君といわれたのは、そのころの優秀な人材  いわば武則天の遺産に助けられてのことだった、というのが面白かったです。

教科書では読めない中国史  中国がよくわかる50の話  冨谷 至/著
と云うことで、こちらのご本の冨谷先生が、玄宗を、実は希代の暗君だったのではないかと書いておられるのも、なんとなく納得。
(楊貴妃が以外に女狐だった~ってのも、案外アリかなぁ(^▽^;)
ちなみに、こちらは、歴史の裏話? と思って借りたら、以外にマトモな正史の話。
ただ、著者の冨谷先生の解釈やらなにやらが入っている部分があって、めちゃ面白いというほどではありませんが、まあまあの面白さでした。

興亡夢の如し  秦の宰相李斯  銭 寧/著 松岡 亮/訳
は、秦の始皇帝に仕えて焚書坑儒を行い、後に始皇帝の側近の宦官・趙高と図って始皇帝の長子の扶蘇をを自殺に追い込み、末子の胡亥を二世皇帝に仕立て、
(と云う、当事者以外誰も知らないはずのことを、なぜ司馬遷は知っていた!? と↑の冨谷センセイが突っ込みを入れておられましたが(笑)
自身も趙高に陥れられて惨死する、いわば秦を滅亡に追い込んだ当事者の一人である、秦の宰相李斯の物語。
ですが……こういう翻訳モノって、訳文も大事なんですよね~。
(特に私は、文体が自分の好み~というか、波長に合わないと読めないという、難儀な体質で(~_~;)
あまりにも直訳そのまま~の文体が続いたので、途中で放り出しちゃいました(^^ゞ

中国の復讐者たち  竹内 康浩/著
伍子胥や呂母たちの敵討ちを例に引いて、中国における仇討ちとそれに対する官、民の対応などを書いています。
ただ、引いてある例が史実ばかりでしたのでねぇ……。
本としての面白さは、イマイチでした(-_-;)
(『聊斎志異』の女侠の話とか、小説、説話などの例も加えて考察すると、また異なった面白い結論が出てきたでしょうに)

飽食終日宴会奇譚  南條 竹則/著
満漢全席やらナニやら……、中国へ行って、美味しいもの、珍しいものを食べ歩く話。
で、美味満載なんでしょうが、所々、説明ナシの料理名の羅列だけってのがあって、
読んでるこちらは「??????????」
途中、船でのお料理やら厨娘、『火鍋』の話が出てきたので、「おや?」と思ったら、著者は以前に紹介した『鬼仙』の作者さんでした。
で、こういう色道楽の話で、一番笑いが取れちゃうのが、いわゆるゲテモノの話で~
(いや、中国では立派な食材だってのは、よ~くわかってますよ)
何か、木の中にいる虫の料理を食べにいって、言葉が通じないので絵を描いて、英語で「ワーム、ワーム」と言ったら、「これですか?」と蛇を持ってこられたて、
「じゃあ、それも」
「何本食べます?」
「1本でいいよ」
「この人数なら、2本は食べなきゃ」
「1本でいい。他のものも頼むから」
で、ちゃんと、目的の虫も食べたあたりがスゴイ(^▽^;)
とか、
宴会の前に街をうろついてて、ちょっとした食堂に入ったら、センザンコウ(アルマジロのことかしら?)が置いてあって、同行者と
「おお! センちゃん、こんなところに居たのか~」
なんてやってたら、店員さんに「食べますか?」と聞かれ、
「うん。食べる~♪」 ヾ(^o^;オイオイ・・・
で、センザンコウを何かにぶつけて、くらぁ~となったところで喉をかっ捌くというスプラッタな料理法を見ながら、
「あのセンザンコウ、美味しくなかったら、どうしよう……」
食ったこと無かったのに注文したのかい!? と、こちらは内心で突っ込み~というより、思わず怒鳴ってましたが……
ともあれ、そんな話が面白かったです。


写真で歩く中国江南の町並み
  高士 宗明/写真・文
   水郷の都市と古鎮
は、エッセイ的な文章の入った、文字通りの江南の写真集。
で、こういうのを見ると、改めて江南  特に蘇州、杭州あたりは水の都なんだな~と思いました。
西湖の写真も何枚かありましたが、別の本で見た翡翠色の奇麗な写真に勝るのが無かったのが、ちょっと残念。

やはり奇妙な中国の常識  岡田 英弘/著
「人口」「道教」「漢字」「笑い」「恋愛」「夫婦愛」「恐妻」etc……について歴史的に考察した本。
ちょっと難しい話もありましたが、漢末から魏晋南北朝の動乱で中国本土の人口が激減したせいで、他国のことどころじゃなくなり、その間に朝鮮半島や日本に独自の文化が発達した、なんて説は、なかなか面白かったです。
あと、男尊女卑の国なんていいながら、物凄く恐妻家が多いってのもね。
(そういえば、○HKの中国語のテキストの例文で、『私は女房が怖い』なんてのがあったもんな~(笑)

愛された悪女と愛されない美女  藤 水名子/著
珍しい、藤水名子さんのエッセイ。
西施、呂后、虞美人、楊貴妃、武則天、木蘭、扈三娘、十三妹、王昭君、趙飛燕、陰麗華、西大后、その他、中国の有名な女性について書いたものですが、
王昭君についての独自の考察は面白かったですが、あとの女性については、井波律子先生の著書や陳舜臣先生のエッセイを読んだ後では、浅いな~って感じてしまいます。
中国の歴史、人物について知識を得たい人の、入門編としてはいいかも。

チャイナドレスをまとう女性たち  謝 黎/著
  旗袍にみる中国の近・現代
清代の伝統的衣装(でいいんでしょうか?)である旗袍から、現代のチャイナドレスへの女性の衣装の変遷を通して、清末から現代までの服飾とそれに対する意識、歴史の動きをが書かれています。
で、図書検索でタイトルをだけを見て、面白そうだな~と借りてみたんですが、これが、お堅い論文で……(-_-;)
殆どといっていいほど、歯が立ちませんでした。
ただ、清末から中華民国時代にかけてのファッションの先駆者が、妓女と女学生だった、というのが、微妙に『新・上海グランド』の記憶と重なって、ちょっと興味深かったです。

土の褥に眠る者  
復活のヴェヌス  タニス・リー/著 柿沼 瑛子/訳
タニス・リーの『ヴェヌスの秘録』の③と④で、『土の褥に眠る者』は、タニス・リー版ロミオとジュリエット  というか、敵対する同士の、さらには現世に生きる人間と、この世に産まれられなかった魂との、不思議な愛の物語。
『復活のヴェヌス』は未来世界を舞台にした、強いて言い表せば、タニス・リー版黙示録。
タニス・リー女史、解説によると60歳を超えられたそうですが、衰えてませんな~。
『平たい地球』シリーズのころのような文体の濃密さはちょっと減っていますが、宗教に対する独自の解釈やら、展開やら……。
読んでいて、しっかりはまり込みました。

折口(おりくち)信夫集 文豪怪談傑作選   折口 信夫/著
『怪談』の2文字に引かれて借りたんですが、収録されている短編小説は未完が多いし、随筆は難しくて、歯が立ちかねるし(^_^;)
でも、なんとなく、この人の『死者の書』が読みたくなったりもしました。
(あれも、途中で挫折したんですが、今度は読みきれそうな気が……)

オカメインコに雨坊主  芦原 すなお/著
『花遊便 の楽しい一日』改め『日々之好日』の花遊便 さんのご紹介本。
主人公の『私』は、売れてない(?)絵描き。あるとき、電車に乗り間違えた勢いで終点まで行ってしまい、そこで出会ったチサノという少女の家に泊めてもらったのがきっかけで、そのまま、そのその地にいついてしまいます。
で、これは、その絵描きさんの、そこでの、さまざまな出会い(これが、人間だけとは限らないあたりが(^m^)やちょっと不思議な体験を書いた短編集。
時に暖かく、時に物悲しく、何やらしみじみとした、大人の童話と云うかメルヘンというか……そんな味わいの一冊でした。




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Comment

 

豊富な読書量ですね、さすが!
それに、稲沢市図書館、蔵書が充実してますねー!
タニス・リーは私も好きなので、読んでみたいのですが、残念ながら鳥取の図書館にはありませんでした(哀)
  • posted by ふく*たま 
  • URL 
  • 2010.02/03 14:29分 
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ふく*たま さんへ 

いやぁ (^^ゞ
ちょっと乱読の傾向もあるので、もうちょっとじっくり詠む方向に切り替えなくては、と思っているんですが……
(思っているだけで、つい、借りすぎてしまいます(^▽^;)

>それに、稲沢市図書館、蔵書が充実してますねー!
ホント、充実してますよ~。
これで、『天龍八部』が置いてないのが不思議です(笑)
(『多情剣客無情剣』はあったのに(-_-;)

>タニス・リーは私も好きなので、読んでみたいのですが、残念ながら鳥取の図書館にはありませんでした(哀)
最近、ハヤカワは新刊を出してくれませんものね~
自分の本だったら、お貸しできるのに~(-_-)
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2010.02/03 19:13分 
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さすが~!
私は最近めっきり読書量が落ちて…(爆)
>中国の復讐者たち  竹内 康浩/著
>『聊斎志異』の女侠の話とか、小説、説話などの例も加えて考察すると、また異なった面白い結論が出てきたでしょうに
こういう比較がぱっと思いつくあたりに、
reiさんの知性を感じますね~!

>飽食終日宴会奇譚
この本も面白そうです!
蛇、私も食べてみたい!!

>写真で歩く中国江南の町並み
これ、私も読んだ(見た?)ような記憶ですが、
風景の写真集ってよっぽど内容のじゃないと
記憶に残らないですね(爆)
  • posted by 阿吉 
  • URL 
  • 2010.02/04 00:17分 
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阿吉さんへ 

>私は最近めっきり読書量が落ちて…(爆)
阿吉さん、目下、忙しい体ですから(^_^)

>こういう比較がぱっと思いつくあたりに、
>reiさんの知性を感じますね~!
いや、いや。お恥ずかしい(^^ゞ
でも、民間~というか、一般の人の考え方を知りたかったら、
好まれる物語、説話を当ってみるのが正解じゃないかなと。
(って、岡崎先生や井波先生が、いろんなところから例を引いておられる、その影響もあると思います)

>この本も面白そうです!
阿吉さんは、本場のものを食べておられますものね。
より興味深く読めるかも!

>蛇、私も食べてみたい!!
こ……好奇心も旺盛ですね(^▽^;)
(というか、中華料理で龍っていうと、蛇のことでしたっけ?)

万が一、カタチのままで出てきた場合を考えると、
私はちょっと……(^_^;)

>風景の写真集ってよっぽど内容のじゃないと
記憶に残らないですね(爆)
そうですね。
杭州あたりので、奇麗なアーチ型になった橋の写真を見たときは、感激しましたが、似たようなものが数枚出てきたら、もう、どこがどこやら(爆)



  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2010.02/05 19:21分 
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いやいや、これだけ覚えてらっしゃったら
充分だと思いますが~(^_^;)

しかも・・漢字ばかり

reiさん、漢字検定とかとったら、
1級楽勝なんじゃないでしょうか?(笑)
  • posted by 氷無月 
  • URL 
  • 2010.02/07 00:33分 
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氷無月さんへ 

いや~。これが、半年くらいたってから借り直すと、
内容が、物凄く新鮮で(~_~;)
(つまり、かなり忘れているってことです)
ま、その分、何度も楽しめますけど ヾ(^o^;オイオイ・・・

>reiさん、漢字検定とかとったら、
>1級楽勝なんじゃないでしょうか?(笑)
いや、いや、とんでもない。
書く方は、字引き引きまくりですし、
読む方も、まだ、読めない字は山のようにありますよ(^_^;)

尤も、漢字検定1級レベルになると、普通の生活をしてる人は一生目にしないような字が出てくるみたいですものね。
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2010.02/08 18:59分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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