秋水長天

 遊子帰客 夢断故郷雲水之間    西風古道 回首一片秋水長天

Entries

梟覇 上 「血染めの剣」

梟覇〈上〉血染めの剣梟覇〈上〉血染めの剣
(2003/03)
柳 残陽

商品詳細を見る



3読目です(笑)
ってことは、ほぼ1年に1回の割合で図書館から借りてるってことですが、
読むたびに印象の変わる本と云うのが、時々あるんですが、どうやら、これもその口。

で、最初に読んだときは、『神侠侶』やら『連城訣』やらの大物や力の入るものを読んだ後だったせいでしょうね、なんか、頼りないなぁと言う印象だったのですが、
2度目に借りた(2次小説の参考資料としてですが(^▽^;)ときは、これが、意外に面白いじゃない、に変わっており、
3読目の今回、やっぱり面白かったです。

さて。



時代は、多分明代くらいなんでしょうねぇ。
主人公の燕鉄衣(えん・てつい)は、三十台の若さで江湖の北半分を仕切る巨大組織『青龍社』の頭領。
家伝の絶技、『冥天九剣』の使い手で、梟覇  梟雄にして覇王と恐れられる男ですが、その外見は、生まれ持っての童顔で、二十歳そこそこの素朴にして純真無垢な青年にしか見えないという……

って、最初に読んだときは、この設定ってどうよ(~_~;)
と思いましたが、この設定、中巻の『美しき標的』で見事に生かされておりました。
(あと、素性を隠してどこかへ行く、と云うのには、やたら便利なんですね、この外見)

で、この上巻は、
燕鉄衣が、惨殺された親友の仇を討ち、その妻を救い出す『血染めの剣』と、
(阿吉さんも書いておられましたが、その殺され方が、ちょっと口にするのも筆にするのもはばかられるくらい酷いという……)
青龍社の各支所の頭領たちが次々と殺され、本拠にも幽霊に化けた刺客が出現する中、その真相を暴いた燕鉄衣が、青龍社を壊滅させようとする犯人と対決する『怨霊彷徨』の、2つの中篇で構成されておりますが、
全4巻とか5巻が当たり前の読書を続けてると、なんだか、短編って感じがしちゃいます(^▽^;)

で、ほぼ、この2編で、青龍社の主な構成員の紹介と、燕鉄衣の人となり  義侠心に強く、弱いものには優しいが、敵  特に彼の怒りを買ったものには冷酷にして残忍(でも執念深さというか粘着性はないのね)
江湖の裏社会の覇者らしく、細心にして冷静沈着  が描かれていますが、
初読書の段階では、なんか、部下、特に側近の熊さん  もとい、熊道元(ゆう・どうげん)あたりに対しては、ワガママだなぁと言う印象を受けたんですが、これは、親友を殺されたり、組織を狙う犯人の正体がわからなくて、イライラしてたんですな。
(部下達も、頭領の八つ当たりがどうのと、呟いてた気が……(笑)

で、3読目になったら、燕鉄衣の、ちょっとしたユーモアの感覚に気付きました。
例えば、母親のための薬を手に入れようとするのを助けてやった青年に、いきなり叩頭されて、

「そんな、仏のように拝まれては、早死にしてしまいます」


青龍社をかき回す犯人の招待がなかなか知れず、燕鉄衣同様にイラついている熊道元が、
もう、誰でもいいから噛み付きたい気分なんですよ、というのに、

「じゃあ、ちょっと噛んでみるか? ほれ」

自分の右腕を差し出して、恐縮させたり、とかですね(笑)

(こういうところを見ると、普段はいい頭領なんですねぇ。まあ、そうじゃないと、ひと癖もふた癖もある江湖の猛者がついては行きませんものねぇ)

あと、アクションがねぇ。
家伝の『冥天九剣』が、なかなか凄まじいんですが、
なるほど、退治する相手のヒゲや髪を、すれ違いざまに剣で切り落とせるなら、相手の肉もそぎ落とせるか~とは納得するんですが、すれ違った後に残ったのが、直立した血染めの髑髏って、ちょっと凄すぎ(^_^;)
なので、他の技とも合わせての、熊道元の、
「何度見ても気持ち悪いなぁ」
と云う感想には、思い切り同感。
でも、熊さん、自分の頭領の技を「気持ち悪い」って……(^▽^;)

それと武器が、太阿長剣と照日短剣の二剣を使うんですが、長短両剣を左右の手に持って戦うわけじゃないんですね、燕鉄衣の場合。
というか、照日短剣は殆どの場合暗器みたいな扱いで、時には太阿長剣に相手の意識を集中させておいて、照日短剣でグサッて、ちょっと、それチョンボだよって言いたくなるような技も出てきて、こういうあたりも、なかなか面白かったです。

と云うことで、時々読み返すには、いい本のようです。



スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

最近の記事

FC2カウンター

月別アーカイブ

あし@

Pika_Mouse

powered by
3ET

右サイドメニュー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索