秋水長天

 遊子帰客 夢断故郷雲水之間    西風古道 回首一片秋水長天

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ななつのこ

ななつのこ (創元推理文庫)ななつのこ (創元推理文庫)
(1999/08)
加納 朋子

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嬉しいことの一つに、あまり期待しないで借りた本が、ものすごく面白かった、というのがあります。
この本もその一冊。
似たようなタイトルのホラー小説と間違えて手にしたんですが、
うん。こちらを借りて、大正解でした(^o^)



わたし、こと入江駒子は短大生。
表紙に引かれて手にした短編連作集『ななつのこ』と云う本にぞっこん惚れ込んだ彼女は、作者にファンレターを送ります。
すると、何と、それに対して返信があり、しかもそれには、駒子が手紙の中に書き綴った『ご近所のスイカジュース事件』に対する推理がかかれてありました。
そこから、駒子と作者の“佐伯綾乃さん”との手紙の遣り取りが始まるのですが……

私が昔愛したシリーズものの一つ、アダルト・ウルフガイ、シリーズの主人公にして狼男である犬神明は、トラブルに巻き込まれる超能力の所有者を自認していましたが、
この駒子さんも、奇妙な出来事に遭遇する特殊能力を有しているようで、
冒頭の『スイカジュース事件』のほかにも、
友人と画廊に行けば、展示されていた百号の大作が、わずか30分の間によく似た別の絵に入れ替わっていたり、
いつの間にかなくなっていた子供のころの一枚の写真が、遠方に引っ越した友人から送り返されてきて、はて、彼女はどうしてこの写真を盗ったのかと、首をかしげたり、
デパートの屋上にいたプロントサウルス(の巨大風船)が、一夜で隣町の保育園まで移動した事件に、ちょっと引っかかってみたり、

と云う具合に、ちょっと風変わりにな出来事に遭遇する駒子と、それに対する推理を書き送ってくる“佐伯綾乃さん”の話に、
『ななつのこ』の主人公で、弱虫だけど真っ直ぐな“はやて君”と、サナトリウムにいる“あやめさん”というニックネームの奇麗なおねえさんとの交流(と、やはり謎と推理)が入れ子になっていて、
ちょっとノスタルジックでほのぼのとした、いい味のミステリーになっています。

あと、駒子さんの表現能力が、なかなか秀逸で、
例えば、歯の治療のあとで、ある人物に喫茶店に誘われて、
ここのコーヒーは本格的なネルドリップ方式なので美味しいでしょうといわれ、

口中に生乾きのセメントを抱える身の上としては、ネルドリップだろうが、木綿漉し・・・・だろうが、まったく変わりはないのだが、
                                         (本文より)

などという感想を抱いたりするあたり、思わずクスリと笑わせられたりします。

で、ミステリーにはどんでん返しはお約束のようなものですが、
これにも、なかなかとんでもないどんでん返しが用意されています。
(特に『ななつのこ』の作者の“佐伯綾乃さん”に(^m^)



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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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