2010/12/23 (Thu) 倚天屠龍記 第7集~第8集

先週分でアホいとか可愛くないとか書いた張無忌(ちょう・むき)ですが、12歳になって、一人で動くようになって、それなりに賢そうに、可愛くなってきたようです。
簡単に評価を決めてはいかんと云うことですな。
それにしても、あの意外な詭弁の使い方というか、口の達者さ、誰に似たことやら(^▽^;)



さて、

夫の自害と同時に帰ってきた息子を迎えた殷素素(いん・そそ)、こうなった以上は謝遜(しゃ・そん)の行方を明かします、ただしあなたにだけと、少林寺の空門大師の耳元に、謝遜の居場所を囁くふりをし、武林に騒乱の種を蒔いておいて、息子に向かい、
「大きくなっても女の人を信じちゃ駄目よ。奇麗な女ほど、人を騙す」
言い残して、夫の後を追って自害します。
こうなると、名門正派を自称する面々、どうにも後味と居心地が悪い上に、自分達の内輪もめで、もう、張無忌どころじゃないものなぁ。
実に凄まじくも見事な復讐ぶりでありました。

4-1

そうして、一人残された張無忌(ちょう・むき)ですが、玄冥神掌の寒傷を受けており、張三宝たちの心を尽くした治療でも、毒を取り除くことは出来ません。
最初に症状を見たときから、師父の覚遠大師が生き返って九陽真経の全てを伝授してくれない限り、この子を治す方法は無いと言っていた張三宝、二年が経過するに及び、孫弟子を助けるためにはそれしかないと、完全な九陽真経を得るために張無忌をつれて少林寺に向かいます。
が、少林寺は無情にも二人を門前払い。

と、ここで漸く、しかも実に唐突に『九陽真経』の名前が登場するんですが……
この『九陽真経』、覚遠大師が管理していた少林寺の蔵経閣にひっそり置かれたいた、達磨大師の手になるという経典で、実際は覚遠大師は武芸の奥儀書とは夢にも思わず、単なる健康増進の書と思って身につけ、また弟子の張三宝(その頃は張君宝)にも一部を一部を教えていたのでした。
で、第一話冒頭のシーンで覚遠大師が手足に鎖をつけていたのは、少林寺に身を寄せた瀟湘子(しょうしょうし)と尹克西(いん・こくせい)が、この経典を盗み出してしまったため、追いかけたけれど取り返せなかった大師、罰を受けていたわけなんですね。

で、当時まだ十歳くらいだった張三宝は、多分九陽真経は少林寺に伝わる武芸の経典だと思っていたかもしれませんが、実際には盗まれたあの一冊だけで、実は、あることすら殆ど忘れられていたものかもしれない。
で、自分達が弟子夫婦を追い詰めて殺してしまったことから、恨みを買ってしまった武当派に、そんなの知らないというのは恥だと思った少林寺の坊様たちは、口をぬぐって、慇懃無礼を装って門前払いにした――と云うのが、案外本当のところだったのかもしれませんな。

が、前にも書きましたが、少林寺の坊様たち、訊ねて来たのが百年も人間やってて、人格の練れてる張三豊太師父でよかったですなぁ。
これが楊過だの黄薬師おとーさまだの老玩童だのQちゃんだのだったら、おそらくは少林寺、原形を止めておりませんぞ。
仮に郭靖だったとしても、教えてもらえるまではと、門前に座り込むくらいのことはするでしょうし、阿蓉だったら……蔵教閣に火をつけるくらいはするかな(笑)
って、笑い事じゃないけど(^▽^;)
それにしても、楊過と親しかった無色禅師(郭襄のお誕生祝いに少林寺の鉄羅漢をプレゼントしたお坊様です)の時代と比較すると、坊様たちの質も随分落ちたようですなぁ。

と云う次第で門前払いを受け、やむなく武当山へ帰る途中、蒙古兵に追われる青年と少女を救った張三宝は、
(これまた、無茶苦茶強いというか、格好良い。例によって空飛んでるし(笑)
明教の教徒意外は治療しないという見死不救(みごろし)医者こと胡青牛(こ・ぎゅうせい)を訪ねるというその青年、常遇春(じょう・ぐうしゅん)の勧めにより、彼に張無忌を託し、代わりに彼の連れていた少女――巻き添えで父を失った娘、周芷若(しゅう・しじゃく)を引き取って帰り、哦嵋派に預けます。

この哦嵋派、金庸先生の作品では郭襄が開祖になってまして、張三宝とは何かと縁があった関係で、武当派とは親しい間柄なんですが、張P作品では、その関係は今のところ省略――というか、射雕、神との係わりを避けながら、どこまで描けるか、実験してねぇか、張P?(笑)

さて。
一方、胡青牛のいる胡蝶谷に向かう張無忌たちは、哦嵋派の丁敏君(てい・びんくん)と紀暁芙(き・ぎょうふ)が謝遜の居所を掃かせようとして明教の彭瑩玉(ほう・えいぎょく)を追い詰めるのを目撃。
元々、紀暁芙が掌門の滅絶師太(めつぜすしたい)に目を目をかけられているのを嫉妬している上に、彭瑩玉をいたぶろうとして止められた丁敏君、紀暁芙の秘密を暴露。
張無忌たちは、紀暁芙が武当派の殷梨亭の許婚でありながら、他の男性の子供を産んだことを耳にします。
紀暁芙の態度に敬意と恩儀を感じ、名誉のために丁敏君の口をふさぐよう進める彭瑩玉ですが(で、私も同感ですが)同門の姉弟子だからとそれを退けた紀暁芙は、そのままどこかへ姿を消してしまいます。
と云うところを見てると、毎度のことながら、自称名門正派にはマトモな人間は少なくて、邪派と呼ばれるところに好漢が多い、ってのが、毎度のパターンのようですなぁ。
(しかし、命がけで彭瑩玉を助けた、あれは一体誰だったんだ?)

……とあれこれあって、胡蝶谷に着いた常遇春と張無忌ですが、やはり胡牛青は張無忌が明教徒ではないからと治療を拒否。
さらには、自分の治療と引き換えにと頼む常遇春の頼みまで拒否。二人まとめて見殺しにしようとします。
しかし、張無忌の症状――玄冥神掌を受けながら現在まで生き延びている――が非常に珍しいことから、治してから殺してしまえば、自分の信条にも背くことにはならないと治療を決意します――って、研究熱心というか、一種の歪んだマッドサイエンティストですな(^_^;)
しかも、鍼を打たれた張無忌が、やたらに痛がるものだから、見死不救医者のセンセイ、ツボを間違えて打ってないかなんて、あらぬ誤解をしてしまう(笑)
張無忌の場合、症状が症状だから、ツボに入ってても痛いのかもしれないケド(^▽^;)
(普通の鍼灸院で行われる鍼治療は痛くありません。痛いときはツボから外れてるときです。で、以前に治療を受けたときに「鍼が入ってるからね」と云われて、ピップみたいな小さいのを想像してたら、1cmくらいの長さのが出てきて、マジ、ビックリした~(@@;)

で、その治療室にはさまざまの奨励の治療法を書いたポスター状のものが下がっており、それに常遇春の傷を治すものもあることに気付いた張無忌、胡牛青が寝ている間に、こっそり鍼と薬を持ち出して常遇春を治療。
ですが、素人療治だったため、症状は治まったものの、八十年はあったという寿命を半分の四十年に縮めてしまいます。
(しかも、無茶苦茶出血するし(~_~;)

それを胡牛青から聞かされた張無忌は、医学を学んで、もう一度常遇春を治療することを決意するのですが、
常遇春って、この人、以前に『中国の盗賊』と云う本の感想を書いたときにもチラッと触れましたが、実在の人で、明の太祖となった朱元璋たちと一緒に戦って、四十歳で死んでるわけですが、おかげで晩年の朱元璋の一族中滅は免れているわけなので、人間、何が幸いするやら~って、史実と小説をごっちゃにするなよな(笑)

しかも、根っからの好漢(漢で侠なわけですな)の常遇春は、ことを成し遂げるには、三十歳まで寿命があれば充分だからと笑ってるし。

さて。常遇春が張無忌に別れを告げて胡蝶谷を去ってどれほどか――原作では3年後のことになってるんで、そろそろ大きい方の張無忌が登場するかと思ったら、まだチビ無忌のままでしたが――随分体の調子の良くなった張無忌の前に、様々の症状を訴える、主として名門正派の面々が出現。
(本当に、ワープかテレポートしたみたいに涌いてましたが)
金の花を差し出し、これで自分達を傷つけた老婆に、胡牛青に助けを求めるように云われたと治療を懇願します。
が、部屋に閉じこもった胡牛青は天然痘にかかったことを理由に治療どころか面会も拒否――って、あまりにも見え透いた嘘なんだけど、子供とはいえ、それを真に受けた張無忌って……(^▽^;)

そこへ、やはり手傷を負い、娘の楊不悔(よう・ふかい)をつれた紀暁芙までが現れるに至り、張無忌少年、なんとかと胡牛青に懇願。
お前がやれとの言葉を言質に、もし明教のものがこんな症状だったらと治療法を聞き出し、治療を始めます。
……って、張無忌の才能を認めてる胡牛青も、承知で教えてるみたいですが。
が、一旦は回復しかけても、また元に戻ってしまう皆の症状をいぶかしんだ張無忌、ある夜、白髪の人物が紀暁芙の薬湯に傷が治りにくくなる薬を入れているのを目撃。
胡牛青のしわざだと思い込んでしまいます。
そうして、紀暁芙に胡牛青に恨みを受けた覚えはないかと問いただしたところ、紀暁芙の話では――

丁敏君とのことがあってから、子供を引き取り、ひっそりと暮らしていた紀暁芙、ある日、子供を連れて買い物に出た街で、哦嵋派の合図を見つけます。
そうして赴いた食堂(か、酒楼かも)には、やはり合図を見たという、他の名門正派の面々がうようよ。
と、そこへ現れた、阿離(あ・り)と呼ぶ少女の侍女を連れた老婆が、紀暁芙に傷を負わせたうえ、金の花を象った暗器で、他の面々をなぎ倒します。
(しかも、店の器物が一切壊してないから、大した腕前だわ)
そうして、傷を受けて倒れた正派の面々に、ヒルを飲ませたり、体が痒くなるくするを塗ったりし傷つけたのは、あとから現れた老婆の手下らしい男たちだというのですが、
では、その老婆と胡牛青の関わりとは――

と云うところで、以下次週です。

それにしても、チビ不悔ちゃん、持って帰って飾っておきたいくらい可愛かったな~

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目の前で自分の父親と母親が死んだら普通なら精神的にショック状態で話せないし、動けなくなると思うんですが、チビ無忌クン はショック状態なんだろうけど、しっかり生きているのには驚きです。
金庸先生の作品に出てくる子供達って、精神は結構タフなのかな?それとも、周りの大人達のケアがしっかり出来ているからなのでしょうか

>ことを成し遂げるには、三十歳まで寿命があれば充分だからと笑っているし。

私だったら
寿命を戻せ!って言って怒り狂って、寿命を縮めたチビ無忌を殴りますね。あと生きる気力も無くなるかも…
でも、コレがきっかけで、常遇春って人物はちょっと気になる存在になりましたけどね…(^w^)

ところで、紀・暁芙は内緒で不悔を産んだわけなんですが。
紀・暁芙が滅絶師太の所にいる間は誰か不悔を育てだでしょうか?

2010/12/24 00:03 | 由香 [ 編集 ]


由香さんへ 

チビ無忌、冰火島でサバイバル生活をやってるときに、両親が取れた獲物を目の前でさばくこともあったでしょうから、そちら方面に耐性があったのか、
はたまた、人間と各隔絶された世界で育ったせいで、両親の死を理解するには幼過ぎたたのか、
いずれにしても、今時の子供とは、精神の強靭さが違いますね。

尤も、いきなり玄冥神掌の発作を起こしてしまって、以後、常に生と死の境にあったわけですから、案外、精神的ショックを起こしてる場合じゃなかったかも知れませんね。

>寿命を戻せ!って言って怒り狂って、寿命を縮めたチビ無忌を殴りますね。

これ、これ ヾ(^o^;
殴るんなら、医者のクセに治療を拒否した胡牛青の方を。
(張無忌が鍼を持ち出してたときのアレは、絶対に狸を決め込んでましたからね)

で、身を鴻毛の軽ろきに置く――目的や誇りのためには命も顧みないのが、侠客――というか、漢(おとこ)の漢たる由縁。
と云うことで、やはり、現代の人間とは精神のありようが全く違いますよね。
さらに云えば、好意でやってくれたことで、子どもを殴るようでは、漢とは云えませんって(^▽^;)
常遇春、極上の部類の男であることは事実ですケド(^_^)

>紀・暁芙が滅絶師太の所にいる間は誰か不悔を育てだでしょうか?
そりゃぁ、家を借りて乳母か女中さんを雇うなり、いずれ引き取りに来る約束で、どこかへ里子に出すなり?
お金さえあれば、何ともなりますって。
(で、そのお金はどうしたとかは、聞かないのが、この世界のお約束だそうです(笑)

2010/12/24 19:22 | rei★azumi [ 編集 ]


 

>そんなの知らないというのは恥だと思った少林寺の坊様たちは、口をぬぐって、慇懃無礼を装って門前払いにした

あ、そうか!教えたくても知らなかったので教えられなかったわけですね。
納得!
高僧といいながら、どーしようもないボーサンたちだってことに変わりはないですが(_ _;)

>これが楊過だの黄薬師おとーさまだの老玩童だのQちゃんだのだったら、おそらくは少林寺、原形を止めておりませんぞ。

あはは、確かに~!
黄薬師おとーさまとQちゃんは腕に物を言わせてるだろうし、老頑童も火をつけてるかもしれませんよねぇ。
楊過の場合は、腕じゃなく、頭を使いそうですけど(笑)

>命がけで彭瑩玉を助けた、あれは一体誰だったんだ?

私も疑問だったんですが。伏線・・・でもないですよね?

>普通の鍼灸院で行われる鍼治療は痛くありません。

やはり、そうですよね。
鍼打つのって痛いのか?とびっくりしてみてました。
しかも、常遇春は血がドバドバ出るし!そりゃまちがっとるだろ~と思ってたら、2回も打つし(^^;)
わかりやすくするための演出なんですかねぇ。
それにしても、常遇春って実在の人物だったんですね。
朱元璋しか知らなかった…(^^;ゞ
そういうことを知っていると、ドラマももっと面白く観られますね。

>チビ不悔ちゃん、持って帰って飾っておきたいくらい可愛かったな~

同感~~( ̄m ̄*)

2011/01/24 21:53 | ふく*たま [ 編集 ]


ふく*たま さんへ 

>楊過の場合は、腕じゃなく、頭を使いそうですけど(笑)

確かに、頭の良さは黄蓉と張りますものねぇ
ただ、ああいう具合に門前払いを食わされて、ただで済ませるような性格でも無し……って、これ、阿蓉もですね(笑)

>私も疑問だったんですが。伏線・・・でもないですよね?

なんか、明教の大物みたいなことは言ってたんですけどねぇ、
なんだか、訳がわかりません(^_^;)

>わかりやすくするための演出なんですかねぇ。

……なんでしょうケド……
なんか、やりすぎの気もします。
普通、動脈でも切らなきゃ、あんなに出血しませんものね。

>そういうことを知っていると、ドラマももっと面白く観られますね。

ですよ~。
まあ、私の場合は、二次小説の資料集めとネタ探しをかねて、本を読み漁ってたら偶々ぶつかったわけなんですが (^^ゞ
でも、こういうことがあるので、中国の歴史のお勉強(と云っても、目に付いた範囲の本を読むだけなんですが)はやめられません(笑)

2011/01/25 20:22 | rei★azumi [ 編集 ]


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ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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