秋水長天

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倚天屠龍記 第13集~第14集

今回は、滅絶師太の残忍さと卑劣さ、人間としての器の小ささと、張無忌の義侠心と云うか正義感の強さの対比が際立った回でした。
それにしてもあの師太ときたら、ああ云う人間が出家を名乗ることが大きな間違いと云うか、俗人で、それこそ山賊海賊は無論のこと、殺人を生業としてる人間でも、あそこまで非道いのはいないんじゃないかと。
正派と邪派、いっそ看板を入れ替えてみるかい(~_~;)

さて。





前回で、張無忌の九陰真経で武烈(ぶ・れつ)たちを追い払った張無忌と阿離、今度は周芷若(しゅう・しじゃく)連れでやってきた丁敏君(てい・びんくん)を退けた後、滅絶師太の手を逃れての逃避行。
(これが、もうちょっといい雰囲気だったら、アタマに『愛の』ってつけて上げられるんだけど(笑)

この間、まだ歩けない張無忌を、にわか作りの荷車に載せたり、背負って川を渡ったり、
(途中で流れた来た花を拾おうとして、張無忌を川に落としたり……はしてませんでしたっけ)
髪を結ってやったり、着替え(いつの間に用意したんだ、しかも、どこから(@@;)を出してやったり、料理上手なところを見せたりと、阿離の意外な健気さ――というか、世話女房振りと、顔の腫れ物を気にして花で隠す娘らしさが微笑ましく、
その分、何かとすれ違う二人の気持ちが、何とももどかしいです。
お互いがお互いだってわかれば、相思相愛になれたかもしれないのに、
阿離が甘えたときは、張無忌の方は、彼女の心には他の男が居るのにと、内心ですねてるし、
張無忌のほうが、そんな男は忘れちまえというと、何がわかるんだと阿離が怒るし。

それにしても、ちょっと見の紀暁芙(き・ぎょうふ)の顔を覚えてた張無忌が、成長したとはいえ、自分が噛み付いた女のことことは覚えてませんかね。
周芷若の顔は、漠然とでも覚えてたのに。
(でも、それで阿離に焼き餅を焼かれる羽目になったわけですが)

さて、それやこれやとありまして、一旦はどこかの小屋に身を落ち着けた張無忌と阿離でしたが、アレよと云うまに滅絶師太に探し当てられ、阿離は両腕を折られた上で捕らえられ、張無忌共々崑崙山の光明頂へと同行させられます。
しかし滅絶師太、点穴するだけで簡単に阿離を捕らえられたのに、わざわざ両腕を折るあたり、性格の残忍さがよく現れてますな。
哦嵋派も、何だってこんなのを掌門に据えてるんだろう?
(あの残忍さと卑劣さで、競争相手を蹴落としてきたのか、ひょっとして?)

その光明頂で哦嵋派の面々を待ち受けていたのは、累々たる邪派の死骸と、武当派の殷梨亭(いん・りてい)。兄弟子の宋遠橋(そう・えんきょう)とその息子の青書(せいしょ)共々、一足先に邪派を追討に来たといいますが、
訊ねたいことがあるという阿離に対し、邪派かと思った瞬間、凄まじい敵愾心を燃やしたのは、滅絶師太が、紀暁芙は邪派に殺されたと嘘をついたからなんですな、どうやら。
自分が正しいと思って弟子を成敗したなら、誰に対しても堂々と言えばいいのに、門派道士の政治的配慮なのか、邪派の人間と愛し合った弟子を出したことを恥と思ったのか、単なる後ろめたさなのかなんだか知らないけど、どこまでも汚い女だ。
(と、張無忌も憤慨してます。ま、いずれ自業自得でこの報いは受けるはずですけどね)

さて。殷梨亭に張翠山(ちょう・すいざん)張無忌父子の消息を訊ねた阿離、自分は江湖、武林の事情に疎く、張翠山がとうに故人だったことも知らず、ただ数年前の胡蝶谷で会った張無忌のことが忘れられなかっただけだといい、武烈から張無忌は崖から落ちて死んだと聞かせられたと殷梨亭に告げられ、衝撃を受けます。

(ここで張無忌、初めてこの蛛児(ちゅじ)と名乗っている娘が、あの阿離だったことを知るわけで……ちょっと鈍すぎな気がするんですが、どうかな?)

一方、宋遠橋の息子の宋青書は、どうやら美しい周芷若に心惹かれた様子。
ですが周芷若の方は、掌門が捕らえた若者が、いつかの漢水で会った少年の成長した姿と知り、心中穏やかでない様子。
まったく……男女の仲というか、想いの向かう先は、なかなか上手い具合に行ってはくれないようです(^_^;)

などと云うことがあり、やがて始まった六代門派による邪派への総攻撃は、明教のほうが教主不在でまとまりを欠いているせいもあって、圧倒的に明教の不利。
やがて追い詰めた教徒たちを、滅絶師太がなぶり殺しにしようとします。
と、それを止めたのが、いつの間にやら足の治った張無忌。
師太を残忍だと責める張無忌に、彼が自分の三手を受けとめられたら、この者たちを許してやろうとしう師太ですが――
これもまた、年が若くてさしたる武芸を身につけているとは見えない張無忌に対するには、卑劣で残忍極まりない提案ですよね。
生意気な口を利いた若造を殺しておいて、邪派の面々をじっくりと嬲り殺そうという腹ですから。
(よく、こんな掌門イヤだ~って、逃げ出す弟子が出ないな、哦嵋派も(^▽^;)

逆に、張無忌の意気に感じた邪派の面々、遠望していた殷野王(いん・やおう)までが張無忌を庇い、助けようとします。
が、九陽真経の内力で二手を受けとめた張無忌、さらに身につけた奥儀を応用、師太の三手目を跳ね除けます。
で、渾身の力を込めたせいで、どうやら逆に些かながら傷を負ったらしい師太に、
「手加減、ありがとうございました」
これは、皮肉以外の何者でもないな。見てるほうとしちゃ、非常にいい気味ですが(笑)

ということで、粉砕された対面をなんとかかき集め、憤然として師太が立ち去ったあと、
やおら勃発したのは、何と父娘喧嘩。
蛛児こと阿離は実は殷野王の娘(てコトは、張無忌の従姉妹なワケです)。
なかなか男の子が生まれないからと父が迎えた妾が、自分と母を馬鹿にするからと、腹に据えかねて殺してしまった阿離、
そのせいで、自分を庇った母を死なせてしまい、家を出て、金崋婆婆の侍女になっていたわけなんですが――
こーれーはグレるよな。性格も悪くなるよな。
とは思うんですが、それにしても、あの幼さで父の妾を殺しちゃったって、考えるとちょっとオソロシイものが(-_-;)

それにしても殷野王お父さんも、自分の奥さんだったのに阿離のお母さんのことは気に入ってはいなかったのかな?

という父娘の言い争いを、突如断ち切ったのは明教の四大護教法王の一人、青翼蝠王こと韋一笑。
突如阿離を攫い、見事な軽功で彼方へと飛び去ります。
咄嗟に後を追った張無忌と殷野王でしたが、正派の光明頂への攻撃が始まったことから、殷野王は後を張無忌に委ねて光明頂へ。

いくら軽功の名手でも、三日三晩も不眠不休で追い続ければ追いつくだろう。そう思う張無忌の前に姿を見せたのは、何とダルパくん? ではなくて、やはり明教の布袋和尚こと説不得さん。韋一笑は内功が特殊なため、力を使った後は人の生き血を呑まないと体が冷え切ってしまってとかなんとか、思い切り張無忌を脅した後、
(張無忌の方は、咄嗟に治療法などを考えてたみたいですが)
やおら彼を袋に詰め込み、崑崙山の光明頂へ。
そこには楊逍(よう・しょう)をはじめ、明教の名だたる面々が集まっており、楊逍の口利きで阿離が既に解放されたことを知り、張無忌は安堵の胸をなでおろすのですが、
今度は楊逍と周癲(しゅう・てん)の間で、教主の座を巡って争いが始まり――

と云うところで、以下次号。

今回は、滅絶師太の悪口特集でした(^▽^;)


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Comment

 

滅絶師太…あれが尼さん?あれが掌門…信じられません
(゜Д゜;)
かなり、卑劣で残忍ですよね?あの人…
きっと、掌門になるとき、表の顔は
「師匠~( ̄з ̄)-☆Chu!!」とか言ってゴマをすって、裏の顔は掌門候補者を蹴落として来た人なんでしょうかね。(毒殺もしてそう(-o-;)
だとしたら郭壌はあの世で嘆いてますね

張 無忌。なんで周止若はわかって阿離ちゃんはわからないの?…(^_^;)絶対 阿離ちゃんの方が印象は強烈ですよね。なのに記憶がないなんて
やっぱり、美人で、かわいい子しか記憶に残らないのかな?
私は、乱暴だけど、阿離ちゃんみたいな
女の子は好きですけど…f^_^;

>お互いがお互いだって、わかれば相思相愛なれたかもしれないのに、

本当、そうですよね。お互いキチンと名前を言って、わかったらいいカップルになりそうですよね
(^_^)でも、こんなもどかしい関係にしたのは、郭靖と黄蓉、楊過と小龍女みたいに 「一人のひとを愛する」といったパターンになったら面白くないからでしょうか?
しかし、見てるこっちは「あ~もう!なにやってるの!」ってムズムズ、もどかしい~!

  • posted by 由香 
  • URL 
  • 2011.01/27 10:30分 
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  • [Res]

由香さんへ 

滅絶師太、何とも凄まじいでしょ。
特にこの人の始末の悪いところは、自分が正義だ固く信じて、疑ってもみないところです。
実際には単に、邪派への憎悪に凝り固まってるだけのようなんですが、そういう自分の負の感情には、おそらく気付いてもいない。
で、ある本にあった表現を借りると、そんな完全に正義で真っ白なんて人間はありえないんで、そこまで思い込んでるのは、もうほとんど人間じゃない。お化けみたいなもんだそうです。
なかなか凄い表現ですが、滅絶師太には似合ってるかもですね(^▽^;)

>張 無忌。なんで周止若はわかって阿離ちゃんはわからないの?…(^_^;)
やっぱり、そう思いますよね。
多分張無忌、あの段階では不悔を守るのに懸命で、阿離の顔をろくに見てなかったんでしょうね。

>郭靖と黄蓉、楊過と小龍女みたいに 「一人のひとを愛する」といったパターンになったら面白くないからでしょうか?

そうらしいですよ。
以前にピータンさんに教えてもらった話では、初期ヴァージョンの張無忌は、少年期には楊過のような激しい気性で、終盤では、黄蓉に対する郭靖のように超敏の云うことにのみ従うようになってたのが、改訂版で、今のような優柔不断な性格に変更されたということですから。
郭靖、楊過と違った生き方をさせようとしたら、こうなった、ということなのでしょう。
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2011.01/27 18:53分 
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  • [Res]

 

>ちょっと見の紀暁芙(き・ぎょうふ)の顔を覚えてた張無忌が、成長したとはいえ、自分が噛み付いた女のことことは覚えてませんかね。

ですよねぇ。
周芷若や楊不悔のことはすぐわかったことを思えば、何で阿離だけわからんのだ~(_ _ ;)
阿離の顔を見てわからんかったとしても、話を聞いて、自分にも似たような体験があるわけだから、気づけよ!と思いますね。

>哦嵋派も、何だってこんなのを掌門に据えてるんだろう?

きっと、あれじゃないですかね、恐怖政治と一緒で、恐ろしすぎて反抗もできないんじゃないか、と(^▽^;)
ほんの些細なことでも恨みを買いそうだし、一旦恨みを買うと一生恐ろしい目に遭いそうですもん。コワイ~

>「手加減、ありがとうございました」

この台詞は小気味よかったですね~(笑)
無忌の(皮肉とは言え)礼儀正しさと滅絶師太の卑劣さが好対照のシーンでした。

>楊逍の口利きで阿離が既に解放されたことを知り、張無忌は安堵の胸をなでおろすのですが、

あ、そうだったんですね。聞き漏らしてました(^^;ゞ
阿離はどこ行っちゃったんだ~と思ってたんですよ。
そうか、解放されてたのか。
  • posted by ふく*たま 
  • URL 
  • 2011.02/02 15:33分 
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  • [Res]

ふく*たま さんへ 

>阿離の顔を見てわからんかったとしても、話を聞いて、自分にも似たような体験があるわけだから、気づけよ!と思いますね。

でしょー!!!
しかも、阿離は、結構詳しく話してますものね。
ほかの事には頭も気も回る張無忌なのに、どうして? ですよね。

>きっと、あれじゃないですかね、恐怖政治と一緒で、恐ろしすぎて反抗もできないんじゃないか、と(^▽^;)

なるほど~。
爆発的に凶暴になるくせに、結構“ねちこい”ですもんね。
しかも、当人気付いてないようですが、はっきりきっぱり弱いものいじめですし。
哦嵋派も、厄介なのを掌門にしたものですね。

>この台詞は小気味よかったですね~(笑)
>無忌の(皮肉とは言え)礼儀正しさと滅絶師太の卑劣さが好対照のシーンでした。

はい。もう、胸がスーッとしました(^_^)
こういうシーンの作り方は、上手いですね~v-218

  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2011.02/02 19:01分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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