浣花洗剣録 第18週

目下、わたしの知る範囲では、限定2箇所約3名で方宝玉の悪口大会が開催されておりますが――って、事実に感想を交えて書いていったらごく自然にそうなったので、これはひとえに宝玉本人の不徳のいたす所なわけですが、
ここへ来て思ったの、宝玉って、もう一人の主人公といいながら、実は大臧を引き立てるために設定されたキャラなんじゃないでしょうか。
とにかく、何から何まで対照的で、おまけに宝玉が何かバカをやらかすたびに、それに引き換え兄ちゃんは――と思っちゃうんですもん。


さて。今回のその宝玉のバカ――もとい、『浣花洗剣録』は――


18-1
頼りになる大人が3人もそばにいるのに、何も言い出せずに一人で悩んでいる宝玉、
実は最後通告として、奔月の命を盾に3ヶ月の期限を切られてしまっていたのでした。
だったら、こんなところで金租揚と一緒に酒呑んで、ぐずぐずしてる暇はないってのに、この子は~~

しかも、そんな宝玉の様子が気になって話をしにきた聖母には、侯風が自分の父を殺したことを黙っていたことにこだわりがあるから、まだ普通に接することは出来ない。
そうして奔月については、喧嘩をして腹を立てたあまり置き去りにしてしまった。時期にここへ来るだろうと嘘をついてしまいます。

宝玉が奔月に腹を立てて、ましてや置き去りにするなどありえない(実際、逆なら有り得るんですけどね~。小ざかしい割には、こういうところに頭の働かない宝玉です)
そう、宝玉の言動を訝しんだ侯風、直接宝玉と話をしに出向き、宝玉が隠していた奔月の剣を見つけてしまいます。

あの剣は自分が贈って奔月が肌身離さず持ち歩いていたもの。それが折られて、宝玉の手元にあるというのはただ事ではない。
宝玉を問い詰めた侯風、煮え切らない宝玉の様子につい剣を向け、
「すぐ剣を抜くんですね。わたしの父もそうやって殺したんですか」
これは……なかなか痛い皮肉ですが、娘を案じるあまり頭に血が上りかけてる父親に言ってもなぁ……。余計に怒らせるだけだったりして。
というか、中原の武芸者たちって本当に斬る覚悟も斬られる覚悟もなしに、簡単に剣を抜くんだよねぇ。ちょっと……全員蓬莱へ渡って再教育してもらって欲しい気がします。

ともあれ、聖母の「待った」で何とか事なきを得、奔月が木郎に捕らえられた経緯を説明した宝玉、困ったときは相談すりゃぁいいのにと金租揚に言われた上で、奔月救出に協力を受けられることになるのですが……
その奔月を助けるために一旦朝廷に降って――ということまでは言い出せなかったんですね。
まあ、現実世界で、いじめにあってる子供がそれを親に打ち明けられなくて大変なことになってるってのは頻繁なので、それを思えば言い出せなかった方玉の気持ちもわからないでもないんですが、おかげで宝玉、自分自身を追い詰めることになってしまいます。

羅亜古城やら剣閣やらの噂が洩れて、近辺に武林の使い手が集まってきてきな臭いことになっている。しかも背後に謎の使い手がいるらしい。
ということで、自ら買って出て使用人の喬と偵察に出かけた宝玉、食堂を乗っ取っていた役人と一戦に及んだまではよかったんですが、こちらに出張ってきていた木郎神君と遭遇。錦衣衛であることをバラされたうえ、喬を捕らえられてしまいます。
(しかも宝玉は他の連中と戦っていたので、そのことに気付いていないという(^_^;)

朝廷に降れという木郎の要求を断固拒否した喬は、脱塵の助けで脱出。
実はこれも、脱塵の動きを見越した上で、金租揚の居場所から羅亜古城のありかを探り出そうという木郎の仕掛けた罠だったわけですが、酒池肉林へ駆けつけた喬は、即刻ここから避難するように忠告。
宝玉が錦衣衛に降った裏切り者であると報告します。

ここでまた……こういうところだけ武侠ドラマの伝統にしたがって、なかなか言い訳もしない宝玉。金租揚、侯風ばかりか聖母にもそっぽを向かれ――って、実母ならこういうときも、もうちょっと温かいというか、情のある目を向けないか?
というか普通なら、どうしてそんなコトになったのとか、こんな子に育ってしまってお母さんは悲しいわ、というような表情になると思うんですが、あの表情は、丸々他人だよなぁ。
と、思いつつ、これで蓬莱人というだけで周囲から白い目を向けられる兄ちゃんの辛さが少しはわかったか? とか思ってしまった(^^ゞ
本当に、我ながら呆れるくらいの大臧贔屓(^▽^;)
(まあ、一編なりと二次小説のキャラにすると、これはもう我が子も同然なので、より愛しさが勝る……というのはあるんですが(^^;ゞ

ともあれ、そこまで追い詰められて宝玉、漸く、奔月を助けるために木郎に降り、錦衣衛の烙印を受けたことを明かします。
こんな屈辱を受けた自分が恥ずかしくて言い出せなかった――って、愛する女性を守るために受けた烙印なら、むしろ誇っていいと思うんですがね。
そんな宝玉を、それでも金租揚は許すことが出来ず、酒池肉林から放逐。
誤解を詫びた侯風と聖母に見送られ、漸く、宝玉は奔月の救出に向けて動き出します。
18-2

初めて、本当の孤立無援になった宝玉。これで、何とか大人になれますかね。

一方、喬の警告を受けた金租揚は、侯風、聖母を伴なって酒池肉林を出立。実は守護者でありながら自分も所在を知らないという剣閣を目指します。
が、これが洞窟の仕掛けを開けて通り抜けたり、ばらばらの地図を集めて謎解きをやったり、林の中で迷子になったり――って、普通は主人公がやる冒険だよなぁ。
でもってこれが、大臧&珠児カップルと宝玉との絡みの、いわば主幹の部分のところどころに挿入されるので、私的には結構鬱陶しかったです。

というところで、こちら漸く物語に戻ってまいりました大臧&珠児のカップル。
剣閣の噂を聞いて川南まで来たものの、誰も実際の場所を知らない。さてどうしようかと食堂で相談しているところへ、このあたりに宝探しの武林の使い手が集まって、かなり物騒なことになっている。危険だから夜は出歩かないほうがいい。ほら、こんな文章も出回っている。なんぞという話が耳に入ってきます。

で、これは――と思うところがあったんでしょうね。夜になって様子を見に行った2人、戦っている使い手たちの中に李子原の姿を発見。捕まえて問いただそうかと言っているところで、目の前の戦いの中に乱入して李子原を持っていってしまった黒装束が、なんと方宝玉。
後を追って、宝玉が李子原を縛り上げて剣を突きつけて、王巓はどこだとやっているところへ姿を見せます。

しかし……宝玉と大臧、相変わらずのナチュラルディスタンスぎりぎりで対峙しているハリネズミ2匹というか――雰囲気トゲトゲですな(^▽^;)
(間に立った珠児が、なんか可哀想(^_^;)

ともあれ――多分李子原はどこか邪魔にならない所へ突っ込んでおいて、これまでの経緯を話し合う3人。
記憶が戻っていたこと、それを黙っていたせいで奔月が捕らえられたことに責任を感じているという珠児と、珠児の責任なら俺も負うと奔月救出に協力を申し出る大臧(大人だよなぁ)に、宝玉は白三空が生きていたこと、これまでの武林の騒乱は朝廷の走狗となった白三空が仕掛けたものであったことを話します。
そうして、その下には王巓がいて、だから王巓が奔月の居場所を知っているのではないか――という話になって、
「止めを刺しておくんだった」
おもわず、ぽろっ……と本音を洩らす大臧くんヾ(~O~;) コレ
珠児になんとも言えない目つきで眺められて、「対不起ごめん」って言うかなと思ったら、
「珠児の父親だから手加減したんだ」
…………言語に関しては蓬莱育ちということを別格にしても不自由な面があるからなぁ――と思っていたら、喧嘩の口上に関しては結構自在だったりするんですよね。
と、まあ、これは後の話。
で、それにしても大臧くん、よくまあすんなり木郎=錦衣衛という宝玉の話を信じたなぁとも思ったんですが、考えたら、敵対関係とはいえ宝玉ともそれなりに長い付き合いだし、そんなに手の込んだ作り話をする理由もなけりゃ、出来るだけのお頭もない、くらいのことはわかりますか。
わずかの邂逅で王巓の陰険卑劣な人柄を見て取って、ずっと危険視していた大臧くんのことですから。

してみると木郎、よくまあこれまで、この大臧くんを騙してましたよねぇ。
これは日本で言えば超一流の忍者の術――誰かと入れ替わった場合、性格は無論、その人物の持っている愛情までを自分の物として完全に演じきる――に匹敵するんでしょうが、そうすると、この場合は木郎神君という人物像を自分で作り出して演じたわけですが、その中から脱塵への愛情だけを現実の自分へと持ち越してしまったところに、木郎の悲劇があるわけなんですね。
しかも、自分はこんなに愛してるのに――ということで、どうして脱塵が悲しんでいるのか、その理由もわからない。1日だけでいい、頼むから以前のように笑顔を見せてくれって。いくらかき口説いても、冷酷非情の朝廷の能吏な今の木郎じゃ無理だって。

いっそ朝廷を捨てるから一緒に逃げてくれと言えれば、また、極上の笑顔が戻ってくるんだろうにね。
18-3

閑話休題。

さて。李子原を泳がせて、王巓のもとへ案内させようというコトに相談がまとまった3人ですが、李子原にはそれを悟らせないようにというコトで、まずは縛り上げた李子原を真ん中に挟んで4人でゾロゾロと移動中。
(それにしても中原というのは1年365日、常に菜の花が咲いているのか……)
道中、何とか大臧と宝玉の仲を取り持とう――せめて2人が戦わないようにしようと心を砕く珠児ですが、
「幸か不幸か俺は宝玉の仇じゃなくなった。宝玉は誠実な男だし、奔月と幸福になってくれればいいと思う」
と言いつつ、自分が宝剣探しをやめられない以上、宝玉との争いは避けられない。友になることはできないと言う大臧。
大臧が好漢であることは認め、彼が宝剣探しをやめれば友になれるという宝玉。
恋人と幼馴染の親友と、どちらも大切な珠児としては切ない所です。
が、宝剣探しはやめてとは言わないんだよね珠児。このあたりが穆姐さんと違ってわきまえてると言うか、感心するところです。

と、そうこうするうちに宿に着きまして、もう歩きつかれたよと李子原が横になったのを見計らったように、
「大変なの。大臧がいつもの発作を起こして暴れてるの」
来て頂戴と珠児が駆け込んできます。
でもって、
「お前は誰だ!? 俺に近寄るな」
「大臧、私よ。しっかりして頂戴」
「寄るな。来れば殺すぞ」
「落ち着け、大臧」
てな具合で、いやぁ、大臧くん、芝居っ気たっぷりですなぁ(笑)
(そういえば、珠児の記憶が戻ってたのを知りながら、完璧に知らないふりを通したくらいだものね)
と言うか、3人で示し合わせて芝居をしているわけで――これはどっちかと言うと、是非にも舞台裏の方を映してほしかったです。
とくに大臧くんが、どんな顔であの芝居をしていたか。

そうして、この隙にと李子原が逃げ出したのを確認して、大臧が尾行。
こういう目立つ人にあとを尾けさせていいのかなぁと思ったんですが、大臧くん、無事にお役目を果たして、李子原が来福客桟へ入ったこと、そこで王巓と接触していることまでを確認して戻ります。
(その間の珠児の心配振りが――あれは恋人と言うより、幼稚園児を初めてのお使いに出したお母さんだよ(笑)
18-4

さて、その王巓ですが、大臧に両足の筋を斬られて車椅子生活者にされちゃったんですが、全く懲りてませんな。でもって、珠児も薄情な娘だって、全く、どの口がそういうことを言いますかね。
その娘に、あんなとんでもない毒を盛った段階で、父親の資格、喪失してますから。
その王巓に、影の大物と白三空を引き合わされた李子原、さらに、その背後に朝廷が控えていることを知らされて震え上がります。

一方、今度は3人で来福客桟を見張っていた宝玉たち、偶然にも、木郎の急な呼び出しを受けて出てゆく白三空を見かけ、琪県まで後をつけます。
そうして、県城ならば木郎も、おそらくは奔月もいるはずだけれど、どうやって救出しようか。木郎は策略に長けているし頭も切れる。夜になれば余計に見張りは厳しくなるし――とミーティング。
で、ここで宝玉が思いついたのが、大臧くんを使った単純な陽動作戦でした。

というコトで、夜間、単身県城まで出向いていった大臧、
「木郎を呼べ」
言うやいなや、見張りの兵を一刀の元に斬り捨て、
「大臧が来たと伝えろ」
これはもう、堂々の挑戦状ですな。

さて、そうしまして、県城の前で向かい合った2人ですが……
青木堡で木郎と話していたときは、他のどんなときよりくつろいだ表情を見せていた大臧と、大臧には親友と言うより弟にでも対するようなまなざしを向けていた木郎、この2人が、こういう表情で向き合うときがこようとは――見てるこっちの方が胸が痛いです。
18-5
それでも、「兄弟」と呼びかけた木郎を、
「誰が兄弟だ」
あんたは俺に嘘をついていた。義兄弟は解消だと、大臧、言葉の上で斬って捨てます。
木郎が公明正大で義に篤い好漢と思えばこそ結んだ友情であり、義兄弟の契り。
それが全くの偽りと知れれば、大臧の気性なら怒りもするし、ましてや木郎の実態を知れば、これは絶縁宣言となってもしかたありませんよねぇ。

朝廷の役人である自分は、武林の使い手を次々と手に掛けた大臧を成敗するのが本来の役目。それを好漢と思えばこそ生かした。おぬしが剣を操るように、わたしは策を弄する。それのどこが悪いと言う木郎に、

中原の好漢の条件は公明正大。義の情のと口先ばかりのあんたは好漢じゃない。
まして命を救ってくれた恩義のある紫衣侯や白水聖母の、その恩義を忘れて命を狙うばかりか、奔月を人質に、その汚れ仕事を宝玉にやらせようと言う卑劣漢だと大臧は糾弾します。
18-6

で、まあ、もともと大臧の方は喧嘩を売りに来たわけだし、
木郎の方もおそらくは、百も承知で兵隊引き連れて出てきたんでしょうからね、
双方、相手のいうことに貸す耳があるわけもなく――

というコトで、まんまと陽動に乗っかって部下をけしかけた木郎ですが、
(また、逃げにかかる大臧が、実にいい表情でニッと笑ってくれるんだ)
ハタと気付いたようで、自分はその場に残ります。

というころ、黒装束でこっそり県城に忍び込んだ宝玉は、再び白三空と遭遇し――
と言う所で以下次週。

余すところあと2週4話。緊迫――というより、ほとんど怒涛の展開となります。
乞うご期待(って、わたしゃスポンサーか(笑)


スポンサーサイト

テーマ : テレビドラマ - ジャンル : テレビ・ラジオ

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)