秋水長天

 遊子帰客 夢断故郷雲水之間    西風古道 回首一片秋水長天

Entries

蕭十一郎 第27集

その人間の真価がわかるのは、頂点に上り詰めた時とどん底に落ちた時――とか申しますが。

時を同じくして大切な全てを失った男二人。その人としての真価、男としての格の違いが明らかになる27集。

27-6.gif

さて。






「できません」
剣を抜きながら、思わず弱音を洩らす十一郎。
「いけません。三更を過ぎれば、もう私を制することはできなくなる。また、多くの人の命が失われるのですよ!」
猶予はないと言われ、剣を宙に舞わせる十一郎ですが――っで、まさか飛剣まで使えるとは。
27-1_20130713181224.jpg

ええと、これは、手を触れずに剣を自在に操る技――で、いいんですよね? 昔むかしの武侠小説などで、剣侠や剣仙などが剣を飛ばして――と云う形で出て来るようです。
で、たしかに、この方が絵になりまずからね――と、思い切り感情移入して同情して、胸が痛いと押さえながら見てる頭の隅で、こういう判断をしている自分が少しイヤ(^_^;)

「早く。私を殺して。救っておくれ!」
老太君の言葉に、己を叱咤し、剣を操る十一郎。
その剣が、老太君の首を斬り落としたその瞬間、
璧君が部屋に入ってきてしまい、衝撃でそのまま昏倒。
その場に膝を落とした十一郎は、深くうなだれます。

その有様をとくと眺め、高笑いしながら屋敷へ戻って来た連城璧を待ち受けていたのは、しかし、累々と転がる家人の遺体と、逍遥公の手中に落ちた連家堡。
更には、連家堡の所有で資金源となる酒楼、銭荘、牧場のすべてにも手を下させた逍遥公、江湖において、誰ひとり連城璧に手を伸べるものがないようにして、雨露さえしのげない、狗以下の暮らしをさせてやれと命令。武林にはもはや連家堡はなく、ただ逍遥公があるのみと、そうしてやると嘯きます。
城璧の父親への恨みなんですけどねえ、いったい何をされたんだ、城璧のパパに?

破壊された祖廟の先祖の位牌に礼拝し、気づいて襲い掛かった逍遥公の配下を尽く斬り倒し、連家堡を後にする城璧。……腕だけは立つんですけどねぇ……。
それにしても――本当に、この男も大概に『人を呪わば穴二つ』って、学ぶべきだと思うよ~。
こうなっても、皆いい気味とか、ざまを見、ざまを見と思うだけで、誰も同情しないし。

一方逍遥公、雪鷹が小公子を殺してしまったことは兎も角 ヾ(^_^;)
彼女が身につけていたはずの星型十字の鉄牌――信符と呼んでいました――の行方だけは気にかけ、至急探すようにと命令。

という頃の沈家。
27-3.jpg

どうしてお祖母さまをと問う璧君に、ある事を解決するために、これしか方法がなかった、としか答えない――答えられない十一郎。
なんか、もう、いい加減涙も枯れ果てたという目で (/_;)
くれぐれも元気でと、その手に紅紗を残して去ってゆきます。
十一郎も辛いけど、璧君もつらいよね。最愛の2人を、これ以上はないという残酷な形で失って――。

という頃、ようやく目覚めた風四娘の元を、連家堡壊滅の知らせをもった二鍋頭と司馬相が訪れます。
こっそり「いい気味」とか呟いたらしい四娘、二人が訪ねる楊開泰の行方は知らないし、開泰も沈家も、もう連家堡とはかかわりがないでしょと言いますが、
その沈家と開泰にも逍遥公の魔手が及ぶかもと言われ、ちょっと中で待っててくださいねと2人を待たせて、実は気が付くなりさっさと捨ててしまった開泰の店の所書きを探し出します。
そうして、わざわざ地面にこすりつけて読めなくして、どうするのかと思ったら、連家堡の、とにかく無事だった面々の思惑には開泰を乗せまいとしたようですね。急を知らせに走ります。
が、慇懃に追い返されてしまいます。……開泰、意外と根に持つ男だった? ヾ(--;)
のか、逍遥公は、開泰には父の仇になりますからねぇ。逍遥公と戦う気で、四娘を巻き込むまいとした――くらいは、ありそうな。

なんなのよ~。人が心配してやったのに~。と、怒りながら店を出た四娘、途中で、はた、と気付き、心配――ってことは、あたし、本気であいつを好きになったの!?
って、お姐さん、気付くの遅い ヾ(~O~;)
それはともかく、二鍋頭と司馬相の2人も、十一郎と璧君にも知らせなければと言っていたしと、同行した四娘。そこで徐姥姥から、十一郎が老太君を殺害したと聞かされ、茫然。

あり得ない。信じられない。確かめて来ると璧君の所へ行き――多分、十一郎が使ってた客室なんでしょうね。その寝台の足元に、魂が抜けたように座り込んでいる璧君を見出します。
27-4.jpg

(十一郎が老太君の首を刎ねるところを)この目で見たものという璧君。理由は言ったのと問う四娘に、それが重要なことなのかと、逆に問い返します。
確かに……理由はどうあれ、十一郎が手を下したという事実、2人が結ばれる可能性が失われてしまったという事実は、動かせないですからね。

そうして十一郎は……。
夜更けてから、酒瓶を詰めた籠を手に、川のほとりへきて、
「この瓶の酒は奶奶おばあさまへ」
27-5.jpg

無事に冥府へ着いて、現世での苦しみを忘れて早く転生することを。来世が穏やかで幸福なものであることを願い、地に酒を撒いて捧げた後、
この酒は蕭家の列祖列宗へ。
この酒は老天へ。
酒を地に撒き、自身が呷り、残りを瓶ごと地面に叩きつけ――呑むごとに、言うごとに、それが恨みごとになり、時に嗚咽が、時に乾いた笑いが、混じるのは仕方のないことでしょう。
そうして、
「この瓶の酒は連城璧、お前にだ。姦計をめぐらして、俺と璧君を引き裂いた。
満足か? 満足だろう!?
 そうして璧君、この瓶の酒は俺たちに。互いの愛を守れない無念。君が受ける苦しみ。俺たちの失われた未来――」
――と、ここまでくると同情やら、どれだけの酒を買って来たんだ~~という突っ込みやらを通り越して、そんな無茶な飲み方をしたら、急性アルコール中毒で死ぬぞ!! と心配になってくるという…… ヾ(--;)
さすがに、璧君への一瓶で、十一郎、ぶっ倒れましたけど。

そこへやって来た蕭沛おとーさん――せめて、もうちょっと寝かせといてやってほしかったもんですが……
どうやら十一郎を叩き起こし、老太君との間に何があったか――諍いでもして、怒りのあまり殺めてしまったかと問い、
是呀そうですよ
投げやりな答えに、
混帳東西この、ろくでなし!」
蕭家累代の面目は、お前ひとりのために潰れてしまった、自分にも教え諭すことはできないと怒り、深い孤独感を洩らした十一郎を、それは自らの招いたこと、天の下した罰だと責めます。

自業自得――呟いて、ふらりと立ち上がった十一郎に、何処へ行く気かと問う蕭沛。

自身飘零水自流みずのながれてちるままに 无所谓了どうだっていい
「バカなことを言うな」
使命を忘れるんじゃないと呼びかける蕭沛。
果たして、息子の異常に気付いているのかどうか――

その同じ夜、こちらは未だ何の商売をするか決まらない開泰。で、経済観念に目覚めたのかなぁ。食事のことで、何やら泥鰍とやりあっております。
と、麺の器を置き去りに、不意に出て行ったのは――窓の外に、十一郎の姿を見かけたからなんですね。
で、沈家の事件はまだ耳に入っていないようで、よく来てくれました。とにかく中へと十一郎を誘います。
(で、どこか変と気付かないあたりも、開泰の人の好さ、かな)

と、後ろで何やら瓶の割れる音がして、何か酔っ払いが――と振り返った開泰の目に入ったのは、十一郎の方は、精神的には八割九割死んでても、外面はしゃきっとしてますが、こちらはもう、呂律も足元も意識も怪しいほどに酔っぱらった連城璧。
そこにいるのが十一郎と気付くや、老太君の事を持ち出して絡んできたうえに、
「怒らないのか? 殴れよ。殴り殺せよ。璧君も、あの世への道連れだ。殴れ。殴れよ」
最悪の絡み方で――さすがに堪えかねた十一郎が殴ったところで、開泰が止めに入ったんですが――止めなきゃいいのに。
というか、まだ十一郎のならね、それこそ南海神尼は阿蓉の作り事だったと知った時の楊過みたいにボロボロになってたって、誰も何も言わない――って、酔って潰れてる暇もなかったか、おとーさんに怒られちゃったし。

なのに、それこそ自業自得の上に、家を奪われただけで、探せば家族やら家人の中の重要人物は生存している連城璧の方が、対策も何も立てずに、ここまで崩れてるってヾ(--;)
コレもやっぱり、単独では何もできない張り子の虎でしたかねぇ。

という頃の連家堡。
行方不明組のうちの2人、白緑両老頭が帰ってまいりますが――江湖の噂話の伝わり方は、いろんなところに穴やら波やら、妙な渦やら流れやらがあるようで――と云うより、2人がそもそも、噂に耳を傾けてる余裕がなかったのかな。逍遥公の手中にあるのを知らずに帰ってきて、あっさり捕まってしまいます。
まあ……、なんとなく、このジイ様たちって、殺す気になれないタイプだから、いいけどね(^▽^;)

……ということがあり、一夜が明けて、ここは再び開泰の店――と云うより、まだ家。
酒気の抜けた城璧と十一郎は、険悪な様子でにらみ合い。
(そりゃ、天敵同士を一つのオリに入れたようなものですからね。こうなりますって(^▽^;)

連家堡自体はどうでもいいが、これが無くなったことで武林の押さえが無くなった。歯止めの無くなった逍遥公が武林に血風を巻き起こすのを阻止しなければ――これは護刀人の役目でもあるし――と云う十一郎に対し、手足の利かない老夫人の件すらまともに処理できなかったのに、武林の大事が処理できるのかと皮肉る連城璧。――だったら、酒に逃げて潰れてる暇にお前がやれって。
独りじゃできないだろうに。

対する十一郎、手足の不自由な老婦人を毒手に掛けたお前は、男とは言えない――うん、うん。私もそう思ってた――と頷いた人、かなりいただろうな。
で、痛いところを突かれて怒った城璧、これから困るだろうからと開泰が差し出した銀票を断り、
楊兄には、早々と連家堡を離れるなど、先見の明があって結構なことだと、皮肉を言って出てゆきます。
現在の少堡主は、身につけた衣服の他は何一つ持っていないが、大丈夫だろうかと案じる開泰。彼の場合も――気が良いというより、もう、器が大きいと言うべきなんでしょねえ、ここまでくると。
いつの間にやら十一郎が友人扱い――と云うより、幾分は弟分扱い?――してるわけだよなぁ……。

というところで、こちらは沈家。
目下のところ連家堡は、城璧、城瑾の兄妹をはじめ、白緑両老頭も行方不明の上、警備隊長の賈信は重傷。
唯一無事で所在のわかっている少夫人が、後を引き受けて仕切ってはくれませんか――と云う、司馬相の一見無茶な頼みを、璧君が引き受けておりました。
そうして、彼女が最重要課題として挙げたのが2つ。
行方不明の城璧たちの捜索と、そうして、逍遥公の手に落ちた連家堡の奪回でした。
これには全員、無理だよな~~となるのですが、助けの手、意外と言えば意外、当然と言えば当然の所から、伸びて来るんですよね~。

一方、密かに小公子の遺骸を葬り、彼女が持っていた鉄牌を手元に残した素素。その密かな弔いのさなか、偶然にも、その近くを通り抜ける連城壁を見かけます。
保身のため、素素は城璧の居場所を逍遥公に告げ、それを聞いた逍遥公は――と云うところで、28集へ。


蕭十一郎 第27集


スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

最近の記事

FC2カウンター

月別アーカイブ

あし@

Pika_Mouse

powered by
3ET

右サイドメニュー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索