蕭十一郎 第35集

花如玉
男装の素素。花如玉と名乗っています


さて。

十一郎の気持ち、自分に対する想いは十分に分かっている。沈璧君、徐姥姥に向かって語ります。
それでも――いや、それだからこそ、これ以上十一郎を巻き込むことはできないのだと。
想えば、これまで十一郎が自分を裏切ったことは一度としてなかった。
自分のため、祖母のため、信じられないほどの負担を背負い、犠牲を払ってくれた。
だからこそ、愛していればこそ、そうして、頼めば必ず、すべてを投げ出しても助けてくれるとわかっているからこそ、それをしたくないのだと。

……は、わかるんですが、コトはお祖母さまの仇討で、相手は“あの”やると決めたら人間としてのプライドなんぞは、そのあたりのゴキにでもくれてやろうと言う連城璧。
で、想いの強さだけでことが成るなら、蜀漢は孔明さんの生存中に三国を統一してるだろうし、岳飛は金から、奪われた宋の国土を回復してる。南宋だって多分元の侵攻を退けて、もう、何十年かは国を保ったと思うぞ、多分。

ましてや、敵に関する情報、目下一番持っているのも十一郎ですからね。
(だから、徐姥姥だけを味方に仇討なんて無謀だって ヾ(~O~;)

その――璧君に冷たく扱われ、連家堡から追い出された十一郎――やっぱり、足取りが重いなぁ。
開泰の店までやってきますが、それを見つけて、蕭大侠と飛んできた泥鰍が言うには、開泰と四娘は、昨日帰って来てから夜が明けるまで、ずっとひそひそ話。で、様子が普通じゃない。
兎に角見てくださいと引っ張って行かれた院子では、石卓を挟んで、開泰と四娘が、あちらとこちら。
で、
「謝りなさいよ」
「ごめん」
で、ようやく始まったというか、再開されたらしい会話で、やっと開泰、自分が逍遥公の息子だったことを話します。
こうなる前に、もっと早く話すべきだったけれど、それができなかったのは、父が逍遥公だったことが悲しく、恥ずかしかったから。
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言われた四娘、当然のことながら怒りますが、それは、隠し事をしていた云々ではなく、そんな程度の、自分にとっては不可抗力のことで、嫌われるとか、蔑まれるとか、それを恐れて黙っていた。長い付き合いで、互いに結婚まで考えた関係で、そんな風にしか自分のことをわかっていなかったのかと、それを口惜しがっているわけです。
なんか、父親が逍遥公だろうが閻魔大王だろうが怖いもんかとか言ってたし(^_^;)
(でもな~。やっぱ、話すのは勇気がいると思う。ことに開泰は生真面目だし)

そうして、怒ったままで四娘が行ってしまった後で、彼女の言うことは間違っていないと、開泰の傍らに座った十一郎、それでも、父が多くの人に害をなした人間かと思うと――と云う開泰に、それでも一人の父親としての逍遥公は、現在どこでどうしているか、生きているか死んでいるかにかかわらず、ただ、息子が平穏な日々を送ってくれることだけを望んでいるはずだと慰めます。

この若さで、こういうことが言える十一郎って、父親にしっかり愛されて育った記憶を持ってるんですね。そう言えば、蕭沛おとーさん、自分は幾太刀も斬られながら、何とか息子を生かそうとしていましたものね。

で、会話の途中で、隣の家を気にするあたりが、十一郎らしい観察力なんですが、
二三、言いたいことがあって立ち寄ったんだと言った十一郎、2人は自分から見れば幸福なのだから、自分たちの誤りで、この幸福を毀すようなら、それは大馬鹿者だと――確かにね。というか、どこかの段階で言うかと思ってたんですが(笑)
この2人の間の障害って、自分たちの気持ちだけですものね。

そうして立ち去ろうとした十一郎を呼び止めた開泰、蕭兄は、冰冰姑娘のような佳人を得、余るほどの財産も持っている。世間の男の羨むものを二つとも手にしながら、幸福そうに思えないのはなぜかと問います。

「俺の一生涯の望みはただ一つ。だが、それは永遠に叶うことはあり得ない」

十一郎の言葉に、彼が去った後、四娘の部屋の扉をたたいた開泰でしたが、部屋の中に四娘の姿は無く――去ってしまったのかと気を落とす開泰。

一方、屋敷に戻った十一郎を出迎えたのは、変な男の人が冰冰姑娘のお部屋に居座ってしまって~~という小香の報告。
で、行ってみれば、そこにいたのは二鍋頭こと蕭沛おとーさん。

実はおとーさん、例の連城璧吸血事件の直後、東来の忠告に従って連家堡を出ようと、
実は十数年前に行方が知れなくなった息子がいるので、探しに行きたいと――と言い出したところを、
そんなもの、今更見つかるかい!? それより、蕭十一郎が腹の大きい嫁を連れて帰ってきてるから、ここにいたくないのなら、行って面倒を見てやれと緑老頭に言われ、本当にすっ飛んできたわけです。

で、開口一番、なんであんな妙な女を娶った!? と、十一郎を面食らわせたところで、はたと、現在の自分は二鍋頭なんだと気付いたようで、そのことについては話せば長いと言う十一郎に、自分はずっとここにいるので、そのことはゆっくり伺いましょう。あの小香という娘は、特に賢いというわけではないし、家のことについては自分にお任せを。あ。部屋は適当に探しますから、お気遣いなくと、勝手に居つくことにしてしまい、
「断る暇もなかった……」
十一郎を当惑させます。
いや、いや、いや……。
何せ、相手がおとーさんだからなぁ(^▽^;)

ということで、当惑していたのは冰冰も同様だったようで、話をすると正体が知れそうだからと、寝たふりをしていた模様です。

で、その冰冰を、少しは気分がいいのかと、自分の体に寄りかからせるあたり、知らない人が見たら夫婦だと思うよなぁ(というより、そう思わせる様に仕向けてるのかな、2人)

そうして、璧君はと問う冰冰に、そのことはもういいと答える十一郎。
「私たち、お互いに頼りあって生きてゆくしかないのね」
微かに頷く十一郎の、肩に頭を預ける冰冰。
彼女もまた、愛した霊鷲のことを諦めてしまった様子で……
相依為命

そうしてこちら、屋敷に残って老太君の仇討の機会を狙うはずの璧君でしたが、猜疑心が強い上に役者が四五枚上の城璧の芝居に引っかかり、璧君が蝕心草から解毒され、2人の命のつながりも切れたのを隠そうとしていたことを知られてしまい、それを責められた勢い、城璧をなじり返すうち、老太君の死の真相を知っていることまで、口にしてしまいます。

自分がその真相に至ったのは、祖母が残した証拠の品のおかげ。蝕心草から解毒されたのも、その証拠となった、祖母に血に含まれていた毒のおかげ。
天には目があり、人は一生幸運ということはあり得ない。
「あなたもね。連城璧」
言い捨てて部屋へ戻る璧君ですが――子リスがジャッカルとかハイエナとかに噛みついてどうするんだ~ ヾ(~O~;)
(城璧、雰囲気は虎なんですが、動物としての格がね(^_^;)

この場合、逃げ出しましょうと、さっさと荷造りを始めた徐姥姥の方が正解だと思うんですが……まだ、屋敷に残る覚悟の璧君です。

という頃、両老頭を呼びつけた城壁は、なぜ璧君が老太君の死の真相を知ったことを黙っていた、蝕心草から解毒されたことを黙っていたと、責め、怒りをぶちまけますが、
怯える白老頭に比べ、こちらは相当肝が据わっているらしい緑老頭、それで夫人をどうにかするつもりなら、ちょっとお待ちをと牽制。
璧君の方は確かに解毒され、城壁が死んでも一緒に死ぬことは無くなりましたが、城璧の方は解毒されていないため、璧君が死んだ場合、城壁も一緒に死んでしまう。そちら側の牽制はまだ有効であると、これが本当の牽制。
衝撃と怒りから2人を部屋から追い出した城璧、たとえ璧君であれ何者であれ、自分が牽制を受けるなど許せないと――訪れたのが儡山荘の素素の許。

で、泰源銭荘から失踪したはずの四娘、実はここに捕えられていまして、点穴されて眠る彼女を眺めながら城壁、彼女と璧君を手に入れてから、十一郎を片付けてやると嘯きます。
(狼は、そんなに簡単に片付かないと思うよ?)

という、その噂の十一郎、夜を待って、気になっていた開泰宅の隣家へ。
そうして、瓶の蓋を開けると――出て来たのが逍遥公だったのに、
――もっと早く、これに思い至るべきだった!
わずかに臍を噛みます。

一方こちら、屋敷に居ついた二鍋頭こと蕭沛おとーさん、見回りのつもりだったか何のつもりだったか、前庁(玄関)に入って来たところを、そこで物思いに沈んでいたらしい十一郎に見とがめられ、腹が減って目が醒めて、何か食べようと思ってと言い訳したのを、台所じゃなく玄関で食べ物を探すのかと突っ込まれ――お互い、やりにくいだろうね~(笑)
これもなんとか誤魔化したおとーさん、眠れないようならと十一郎を酒に誘います。

このシーンがまた、しみじみしていて好きなんで、台詞の意味がすべて取れないのが口惜しい。(本当に、どこかで日本語訳版、出してくれないかな)

で、特に好きなのが、盃を交わした蕭沛おとーさんが、
「酒はいい。寂しい時、悲しい時、消沈した時、飲めばすぐに全部忘れられる」
というのに、十一郎が
「だが、酔いから醒めれば寂しさは依然寂しさ。悲しみは悲しみ。消沈も、やはり消沈」
というシーン。
父と子

それと、十一郎としては、まじめな話もできるのに、それを表に出そうとしないんだなという意味で言ったんでしょうが、その言い方が、世間の父親が、毎日息子に向かって言うようなことを――などと言うので、おとーさん、ぶぱ! とお酒を噴き出しまして、それでも、もし父親なら、願うのは息子の無事安全と。そう口にするところです。

ですがおとーさん、去り際に、馬鹿な問題はこれまでと口にして、
「馬鹿な問題? 厳粛な問題なのに」
息子を憮然とさせます。
このあたりも、十一郎の若さと、それなりの風雪を経て来た蕭沛との、色々な面での相違を思わせられて、面白かったです。

さて。そうして翌日。
十一郎に言われてはじめて気になったのか、隣家との境の塀の穴を埋めるべく、せっせと煉瓦を運んでいた開泰、その穴の向こうから覗いている目を見つけてしまい、また真っ正直なものだから、正面から「御免下さ~い」と隣家へ。
当然、目の主の姿は無く、塀の脇の瓶につけてあったのは、なんか、キノコに見えましたが、兎に角食べ物。

で、この処置の支持をしたのが素素で、ここで逍遥公、初めて素素と城壁が結託していたこと、逍遥窟を滅ぼすのにも一役買っていたことを知ります。
反徒と罵る逍遥公に、開泰ばかりを愛して、手足となっていた自分たち弟子をおろそかにした恨みを告げる素素。
――だから、従業員は身内より大事にしなきゃいかんと――って、ちょっと違うか(^▽^;)

その夜、開泰と十一郎の許へ、風四娘と花如玉なる人物との結婚の招待状が届き――だから、後悔しても遅いとさんざん言ったのにーと開泰、2人の仲を何かと気にかけていた泥鰍に責められてましたが――開泰宅へ駆けつけた十一郎、新郎が、自分も開泰も名を聞いたことのない人物であること、四娘が昨日から失踪中であることに事件性を感じ、開泰とともに捜索を開始します。
結婚通知

で、十一郎によると、これまでに舞台になった場所、楊家牧場に連家堡、逍遥窟は全部、ここの鎮を中心に、半径五十里以内にある――本当に狭い範囲でごちゃごちゃやってたんですねぇ。
でもって、四娘を探しに行くのに、まず逍遥公の所へ情報収集に行くあたりが、十一郎の頭の出来の違うところ。
でそうして、城壁と素素が結託していることを知らされた十一郎、ならばと見当をつけ、屋敷内を捜索。
で、隠し部屋を探す、目の付け所も違うんですけどね~。誰かの来る気配に、やむなく退散。(わざわざ椅子だかを飛び越えて行くあたりも、ちょっと格好良くてなかなかでした(笑)

その気配の主は男装の素素で、花如玉と名乗った彼女、意識を取り戻させた四娘に、佳人薄命と言うがと、いかにも話のついでを装って、璧君が連城璧とついに決裂、屋敷に軟禁されて危機に陥っていることを知らせます。
更に、頼みになるはずの十一郎は冰冰を娶っており、開泰では到底城壁の相手にはならない。ならば自分がお助けしましょうと~~まー、これが実に見事な罠で。
花公子を信用してもいいか、璧君を助けられるほどの腕があるか、それを見定める意味からも、璧君の様子を見に、一緒に連家堡へと、四娘がそう言い出すのまで、計算に入ってたようです。

で、その連家堡。
堡内の異様な様子から、城壁の言動を覗きに行った璧君、彼が人を集めて十一郎を害しようとしているのを聞き、徐姥姥を知らせに走らせようとしますが、これがまた罠の一環で、本当に部屋に璧君を軟禁した城璧、白老頭に命じて、部屋の周りに毒を撒かせます。
(また、白老頭も、毒のふりして、無害な麦粉ぐらい撒いとけばいいものを~)

それを、花如玉とともに物陰から見ていた四娘は――と云うところで36集へ。





蕭十一郎 第35集
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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