2014/03/30 (Sun) グランド・マスター (一代宗師)

グランド・マスター [DVD]グランド・マスター [DVD]
(2013/12/05)
トニー・レオン、チャン・ツィイー 他

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Hさんからお借りしているDVDです。
で、教室(先生が師範を拝命されて、拳舎として、それはもう素晴らしい名前があるんですが、便宜児――というか、ネット世界は、匿名性を保持するのが良いようなので、教室という言い方で通しますね)の生徒さんたちの間を、ぐるっと回ってきたDVDです。

何故かと言うと、作中に八卦掌が登場しているから――ですよね、きっと。
私が興味を持ったのも、だから、ですもん。

で、とにかく良かったんですが……

これは、こうして書いたり語ったりする映画じゃなくて、ひたすら見て酔う映画だよなぁ。
と、始まって10分くらいのあたりで思ったわけで、

映画自体は、1930年代当時の中国の武術の状況の解説から始まり、この映画、タダモノじゃないぞと思わせるOPと、それに続く、雨中の葉問(イップ・マン=トニー・レオン)のすさまじいまでの戦いぶりから、少しセピアがかった美しい映像と、瞬きするのも惜しいほどの素晴らしいアクションシーンに目を奪われるうち、

北のグランド・マスター宮宝森(ゴン・パオセン=ワン・チンシアン)は引退を表明。後継として北のグランド・マスターには一番弟子の馬三(マーサン=マックス・チャン)を定め、南のグランド・マスターには詠春拳の達人であるイップ・マンを候補に挙げる。
これを不服としたパオセンの一人娘の宮若梅(ゴン・ルオメイ=チャン・ツィイー)は、佛山一の妓楼、金楼でイップ・マンに試合を挑み、僅差で勝利するが、この試合で2人は心を通い合わせる。

一方、自分の武術に慢心したマーサンは、奥義の伝授に際し、この武術の要訣は一旦引くことと言う師の教えが理解できず、パオセンを殺害してしまう。
それを知ったルオメイは、すでに決まっていた婚約を破棄してまで仇討を誓うが――


というストーリー展開からは、まったく予想外の方向に話はさらさらと流れて行き、
日本軍に家を接収され、ついには単身香港へ亡命したイップ・マンが、同じく香港で医院を開業していたルオメイと再会した時には、もう、10年も前の大晦日、駅での壮絶な死闘の果てに、彼女の仇討は終わってしまっており、
途中でチラリとルオメイに関わった一線天(カミソリ=チャン・チェン)という八極拳の使い手は、その後、ストーリーの主線にも、ほかの主要人物にも関わって来ないまま(でも、アクションの見せ場はあって)香港に渡って白バラ理髪店を開業し――

と、ストーリーだけ追っかけてたら、本当に、何なんだ~になるんですが、
それが、見ている間は全く気にならず(と云うか、気づかず)見終わった後、しっかりと、形容しがたい感銘が残ってるんですから、これはすごい映画なのかも(^▽^;)

と言うのと、目下、端っこながら武術をかじらせていただいてるんで、興味の持ち方が違う、というのは大きいでしょうね。
これ(私の習得度が)もう少し進んでからとか、もっと進んでからとか、また見直したら、受ける印象が違って面白いだろうな。

で、期待した八卦掌は、チャン・ツィイーが雪の中で修練をするシーンが綺麗でした。が、より美しく見えるように撮ってあるんでしょうが、折角だから、もう少しでいいから、套路(とうろ)をきちんと見せてほしかった。
(と云うか、変にアングルを切り替えたりしなくても、それ自体で充分以上に美しいはずですよね、套路)

それと、アクションシーンが、演者がそれぞれ4年もかけて武術を習得したという本格的なものだったので、時々、やられる側が明らかにワイヤーで吊られて吹っ飛んでるのが、むしろを違和感で、勿体なかったです。
(と思ったら、武術指導が『マトリックス』のユエン・ウーピンだって。そりゃ、使うかなぁ、ワイヤー(^▽^;)

が、そのほかは……
チャン・ツィイーが、これまで見た映画の中では、一番綺麗だったし、
金楼でのイップ・マンとの試合、大晦日の駅でのマーサンとの戦いは、思わず息を呑んだし――
ルオメイの少女時代を演じる女の子が、お父さんの見よう見まねで八卦掌の套路を打つシーンには、形が決まっていのに、思わず「おお!」と声が出そうになったし、
んで、香港で詠春拳を教え始めたイップ・マンが、弟子入りと称して因縁をつけにした相手を叩きのめすシーンは、生活が苦しいんだろうに、そんなに器物を損壊して、弁償は大丈夫なのかと、思わず突っ込みを入れ(笑)
金楼でのパオセンとイップ・マンの対戦シーンでは、「あれ? 推手?」と思えるようなところがあって、思わず目を見張ったり、
とにかくいろいろ、興味深く見せていただきました。

が、それにしても。
そもそもは、ストーリーを追いかけるのが間違いのような映画ではあったんですが、
一線天(カミソリ)の登場理由と存在意義って、何だったんだろう?
八極拳を見せるためだけ?

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宮宝森のモデルは八卦掌を創始した董海川の孫弟子の宮宝田です。宮若梅は創作の人物で、実際は宮宝田の甥が後を継いでいます。
馬三が使っていたのは形意拳で、同時代の名人・尚雲祥がモデルと思われます。
一線天は、八極拳の達人として日本では漫画「拳児」で知られる(というか拳児で八極拳を始めた人がほとんどかも)神槍・李書文と弟子の劉雲樵を混ぜた設定です。劉雲樵は戦時中、スパイとして活躍した(コードネームは黄河1号)経歴もとりいれているようです。劉雲樵は宮宝田から八卦掌を学んだこともあります。
武術の達人たちが、時代に翻弄されていろいろな生き方をしているのが出ていますが、とくに一線天は殺伐とした道を選んだのを葉問たちと比較して描いたのではないでしょうか。
モデルの李書文はあまりに強すぎて孤高となり、自らすべてを敵に回すように生きていましたが、最後は毒殺された人物です。
白バラ理髪店は…笑うところです(^^;

2014/03/30 22:27 | 八雲慶次郎 [ 編集 ]


Re: 八雲幇主へ 

いつもいつも、ありがとうございます。

しかし……、そうですか。葉問以外はモデルはあっても実在の人物じゃないんですね。

> 宮若梅は創作の人物で、実際は宮宝田の甥が後を継いでいます。

なるほど。そうでないと八卦掌が絶えてしまいますものね。
となると、やっぱりこれは、女性を出したかったということで?
(チャン・ツィイー綺麗だったからいいですが)

> 武術の達人たちが、時代に翻弄されていろいろな生き方をしているのが出ていますが、とくに一線天は殺伐とした道を選んだのを葉問たちと比較して描いたのではないでしょうか。

なるほど!
しかし、あの転身振りが面白かったので、実在の人物でないのはちょっと残念――って、あらまあ、そうすると私、結構一線天を気に入っていたみたいですね(笑)

> 白バラ理髪店は…笑うところです(^^;

はい。か~なりウケました。
(しかし、私が男性だったら、ああいう理髪店には入りたくないですねぇ。怖いし(^^;)

2014/03/31 20:23 | rei★azumi [ 編集 ]


 

この映画の武術指導を務めた中国人映画スタッフ、鞠坤(ジュー・クン)さんがマレーシア航空の行方不明機に搭乗していたということを、チャン・ツィイーさんが涙して語っていました。
武術指導ってどんなに大変で熱いものか今はわかるだけに、彼女の気持ちが伝わりました。
本当の武術は人から人への触れ合いを通して伝えられていくものだから。
一度も休まず教室においでになるrei さんとの時間を私も大切に思っています。

2014/04/01 06:34 | 高遠瞳 [ 編集 ]


Re: 高遠瞳 さま 

> 本当の武術は人から人への触れ合いを通して伝えられていくものだから。

本当にそうですね。
映画の中の若梅の独白の、父から教わったのは武術ではなく『心』だった、というのに、
うん、うん。そういうものなんだよねえとうなずけたのも、まだまだ端っこながら、本物の武術と、それを指導してくださる先生、そうして、瞳さんたちとふれ合えたおかげ。

> 一度も休まず教室においでになるrei さんとの時間を私も大切に思っています。

ありがとうございます。
ずっとお世話になりっぱなしですが、今後ともよろしくお願いいたします。

2014/04/02 18:34 | rei★azumi [ 編集 ]


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Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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