秋水長天

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新白髪魔女伝 第23集~第24集

紫陽掌門、勝手で酷い人だと思ってたら、信じがたいことだけど、愚かな人でもあったんですね。
原作者が違うから当然とはいえ、大抵の武侠ドラマ(特に金庸先生原作)では、武当派の掌門ってば人格者で、武林の重鎮と言うか、調停役的存在だったんで、なんだか信じられない感じ……って、張三宝開祖とか『笑傲江湖』の冲虚道長と比べる方が間違ってますが。
というか、賢い人だったら、悲劇を起こす方じゃなく、防ぐ方に回りますわな。

24集3
というか、岳鳴珂の方が余程‟実(じつ)”がありますよね

さて。


卓一航の思いもかけぬ心変わりと、告げられた衝撃の事実に、傷心のまま名月峡への道を辿る練霓裳。途中、紅花鬼母と遭遇。その養子(と、百度の資料にはあります)で、知能は三歳児並みながらも武術の奇才である公孫雷(こうそん・らい)によって捕えられてしまいます。

そうして、霓裳に錦嚢か、そうでなければ『天狼剣譜』を渡すようにと要求した紅花鬼母、頑として在処を話そうとしない霓裳に、寒心丹という毒薬を飲ませるのですが――確か前にも、金独異の毒のせいで、同じことがありましたよね~。
で、毒のせいで満月時の発作と同じ状態になった霓裳、紅花鬼母の技を退け、雷児に傷を負わせて捕えられていた洞窟を逃れ――までは良かったんですが、まだ武当山の結界内にいたんですね。意識のないまま、であった武当派の弟子たちを次々と殺傷。本山(と云うか本堂というか)へ暴れこみます。

という頃、なんとか耿紹南を掌門にしようと目論む黄葉道人、紫陽掌門の元へやってきたところで、いきなり技を仕掛けられ(ここのシーン、太極拳で習ったズレズレの推手に似てた♪)内傷を負っていることを指摘され――んで、ここが本当、紫陽掌門の莫迦なところだと思うんですが、慕容冲を助けた黒覆面の男は、武当派の技を使って云々と、威嚇だか牽制だか、何のつもりだか知らないんですが、要するに、お前が犯人だと知ってるぞと、証拠が挙がったら、儂が容赦しないぞと、チラッと洩らしちゃうんですね~。
相手が何を企んで、あんなことをやったかも知らないうちに。

でもって、さらに莫迦なのは~
普通、ネズミだって追い詰められれば猫に噛みつくっていうくらいですのにね~。
霓裳が暴れてて、異常事態を告げる鐘が鳴ったのに、一緒に来てくれって黄葉道人連れていっちゃうんですから。こんなんしたら、普通、後ろから斬られますって。
――と思ってたら案の定で、発作を起こして戦闘力MAX状態の霓裳と戦った紫陽掌門、霓裳の方は毒の効果が切れかけて、その場から逃げ出したわけですが、その後の、こちらはHPもSPもかなり低下した――って、ゲームじゃないって(^▽^;)
ともあれ、そんな状態の紫陽掌門、これはチャンスと見て取った黄葉道人に殺害されてしまいます。
しかも悪辣な黄葉道人、掌門の口を塞いで、霓裳を犯人に仕立ててしまうし。
(さらには、霓裳が武当派へ暴れこんだのは、何萼華と辛龍子に目撃されてる――って、この2人もまた、2人揃って師兄たちを呼びに行かずに、どちらかがその場に居残ってれば、黄葉道人の悪事が防げたのに)

23集-1

というわけで、最愛の女性が師父の仇になってしまい、いわば、自分が霓裳を武当派へ連れ込んだせいでこうなったのかと嘆き、必ず自分の手で仇を討つと誓う一航さんですが……
自分を恨むのはわかるが、どうして師弟たちや師父を――って、まったく霓裳のことがわかってない。
というか、惚れたはれたと言いながら、一体全体、霓裳のどこを見てたわけなんだろう?

一方、翌朝になって意識を取り戻した練霓裳、自分の状態に驚き、彼女を探し回っている武当派の弟子たちの中の、いちばん骨のなさそうな石浩(せき・こう)を脅して、何が起こったかを白状させ――これ、人選としては最適だったと思うんですが。
自分が、武当派の多くの弟子を殺傷し、さらには掌門を殺害したことになっていると聞いて愕然。
で、座り込んで体を丸めて、自分はいつもこうで、呪われてでもいるように、希望が持てたと思ったら、すぐに打ち砕かれてしまう――と泣いてる霓裳が、なんだか寄る辺のない小さな子供みたいで、なんとも痛々しくて可哀想でした。
23集-2
(だというのに、彼女に襲い掛かる運命、さらに過酷になってゆくんですからね~)

という頃、東廠を訪れた慕容冲は、紅花鬼母から、東廠の指揮権が令牌によって金独異から彼女に渡されたこと(う~ん。一応東廠廠公って公職なんだろうに、こういうことをやっていいんだろうか(^▽^;)
さらに、玉羅刹がすでに亡き者であることを聞かされ、それならば、もはや名月峡に価値はないと、殲滅を決定してしまいます。

それに対し、錦衣衛が名月峡を攻撃する必要のないことをあれこれと説き、なんとか慕容冲の意志を翻させようとする岳鳴珂。それでも、たってと言うのなら自分が指揮をと言い、さらに、攻撃隊となった竜組の進言をすべて却下、なんとか、霓裳が名月峡へ帰り着くまでの時間を稼ぎ、谷を守ろうとします。
本当にいい男振り。と言うか、一航さんに向かって、人に惚れる、人を愛するというのは、このようにするんだよと、膝づめで説教してやりたい気分になりました。

そういえば小魚児も、愛されなくても優しくすることはできるって、心蘭庇って死にかけてたし(^▽^;) 十一郎も、結ばれる望みが亡くなってからも、恨まれようが憎まれようが、黙々と璧君を守ってましたしね~。
真の漢(おとこ)というか、侠(おとこ)ってのは、そういうものなんですな~。

それにしても岳鳴珂さん、平然と竜組を名月峡の罠の中に放り込んでましたが、錦衣衛の他の面々とか、部下たちとかの心のつながりってのは、無いんですかね(^^;)

一方、慕容冲からの密書で名月峡を殲滅することを告げられ、さらに練霓裳の殺害を命じられた孟秋霞こと朱雀でしたが――名月峡にも王照希にも、情が移ってきてますね~。
特に王公子の場合は、朱雀を許婚だと思い込んでいるから~~と言うのもありますが、名月峡の子供たちからにせよ、同僚になる女兵たちからにせよ、何も知らないまま、好意を寄せられればね~。木石ならぬ身としては、やっぱり、そういうことになりますわな。
ことに朱雀、武芸は出来るようですが、密偵とか錦衣衛とかとして、特別な訓練を受けた様子じゃありませんものね。
(しかも、どうやら誰かの二重スパイ)

ということで、慕容冲からの密命を受けた朱雀、錦衣衛が谷を囲んでいるのに、事態が把握できずに騒ぐ仲間たちに向かい、塞主である玉羅刹はすでに故人であり、そのため、錦衣衛が名月峡の殲滅を決めたことを話します。

途端――少主の不在もあって、名月峡は崩れ始め、練霓裳救出の時の、何かととんがって意見を述べていいた唐家璧(とう・かへき)は、塞主のためなら命も惜しまないが、そうでなかったら無駄死にはまっぴらと、自分に賛同するものを連れ、谷を出て行ってしまい、指揮を執ろうとする白敏に対し、莫嬌は異議を唱え、賛同者を率いて勝手に出撃――って、これはお互い、相手を守ろうとしてのことですが、とにかく、トップ不在の影響、かなり大きいです。

そうして翌日――知らせを受けた霓裳は、名月峡に向かって馬を飛ばしており、岳鳴珂も何とか指揮権を利用して谷を守ろうとするのですが――途中、現れた慕容冲に指揮権を奪われ、白敏、莫嬌たちの奮戦もむなしく、谷は壊滅。
で、慕容冲のいかにも憎々しいところは、逃げ遅れた非戦闘員を連れてこさせて、本人は湯然と酒だか茶高を飲みながら、目の前で殺戮させるところで。全体を通してみるとこのヤロー、残虐性というか、弱い者いじめの性癖が、相当強い。
ホント、ここまで憎ったらしい~~最終回だかその前の回だったかで、報いを受けるところを見て、ザマ見ろ、と思ったキャラ、久々でした。

そんな中、非戦闘員を誘導して谷を脱出する役割を請け負った朱雀・孟秋霞も錦衣衛の襲撃を受けて危機に陥りますが、これを救ったのは王照希。
そうして、朱雀を逃がして単身錦衣衛に立ち向かった王照希を救ったのは、黒覆面に顔を隠した岳鳴珂でした。……本当に、思い切ったことをやる。
24集-1

というか、この人の献身ぶりを見てるともう、一航さんに対して腹が立って、腹が立って。
でも、それ以上に紫陽掌門に腹が立ちました。

24集-2
というか、一足遅れて谷に戻った霓裳の嘆きぶりを見るにつけても、紫陽掌門引きずってきて、あんたが妙な部分を勘違いして霓裳と一航さんを引き裂いた結果がこれだと、見せつけてやりたかったです。
んなもん、殺されたくらいで責任取れたと思うなよ~。(つか、殺されたの、自分の莫迦の報いですもんね)

でも、そんな中で、白敏が命を取り留めていたのがせめてもでした。

~~が、こういう時に、鉄珊瑚!
本当にもう、この子は徹頭徹尾鉄珊瑚で。名月峡はもうだめだから、今のうちに逃げ出そうと、時期を見計らって、鉄飛虎誘って谷を逃げ出したのは、まあ、いいんですが(居残ってても、非戦闘員組と一緒に脱出させられたろうしね)飛虎叔叔が、万が一の時にはと霓裳から頼まれていた『天狼剣譜』を持ち出したのを察知してて、奪って逃走――本っ当に懲りない娘。
(また紅花鬼母に狙われるんだからね~っ)

……と言う頃の武当派では――
黄葉道人の嘘を鵜呑みにしてしまった卓一航、自分自身でも師父の仇を討たねばと思い詰めているようですが、それ以前に周囲がね~。
カッチン悪師匠以上にカチンコチンの白石道人から、師父の仇として霓裳が討てるかと聞かれたのはまだしも、真犯人である黄葉道人が――この人も、これだけ色々思いつけるなら、この賢いおツムを、もっとましな方向に使えばいいものを、一航さんを掌門にして武当派の立て直しをという紫陽掌門の遺志、白石道人の意見に賛成するふりをしながら、卓師兄は練霓裳という、いわば狼を家に招き入れ、現在の情虚をもたらしたのだから、掌門には相応しくないという石浩の異議を利用、百日以内に霓裳を討って掌門の仇を報じなければ、それ以外の――霓裳を討った者が掌門になれるということにしてしまいます。
(全く、このオッサンは……)

一方、白石道人は、さすがに紫陽掌門が練霓裳に殺されたということに疑問を持ち、実は真犯人は黄葉道人ではないか――と推測していますが、なんであれ、黄葉道人の野望を阻止するためには一航を掌門にすること。そのためには一航に練霓裳を討たせて――って、順番が逆でしょうが!
しかも、事情はまだ言えないって、ちゃんと話せよ。情報開示しろよ。あんたの頭で黄葉道人に対抗しようって、到底無理なんだから。
つか、無実の、それも最愛の女性を、一航さんに殺させようっていうんですか、このオッサンは!?
まったく、血も涙もないヤツだな。

というところで、次回に続きます。

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Comment

同感です! 

>自分を恨むのはわかるが、どうして師弟たちや師父を――って、まったく霓裳のことがわかってない。
というか、惚れたはれたと言いながら、一体全体、霓裳のどこを見てたわけなんだろう?

>本当にいい男振り。と言うか、一航さんに向かって、人に惚れる、人を愛するというのは、このようにするんだよと、膝づめで説教してやりたい気分になりました

>というか、この人の献身ぶりを見てるともう、一航さんに対して腹が立って、腹が立って

そうなんです!私も、まったく同感です!!としかもう、言いようが無い。

『本当に霓裳がやったのか』という疑念を持たんのはなんでや?辛龍子との男二人のとんちんかんな会話でも、最後白石師淑からの問いかけでのためらいも、そこにあるのは「非道な行いをする霓裳を愛してしまった自分、その魔女をあきらめきれない自分へのためらい」でしかない。つーことは、「霓裳は所詮邪派の残酷な魔女」という偏見を根深く持ってたのは実はあんたの方やないか?
一航はん、あんたのは「恋」や。初めての恋に夢中になっとるぼん(坊)や。霓裳自身を見とるわけや無い。霓裳を好きな自分、にベクトルが向いとるんや。ある意味萼華が『執着してるだけでしょう』と言ってたのも当たっとるな。「恋と情」や。
対して岳鳴珂は霓裳の人となりを理解しようとし(実際理解し)、ただただ何が霓裳のためになるのか、自分には何ができるのかを必死に考え、かつきちんと実行しとる。自分の所属組織を裏切ってでさえ…これこそが「愛」や。「愛と理」や。
もうもう霓裳が不憫でかなわん。号泣や。一航はんのふがいなさに腹が立って悔しゅうて嘆かわしゅうて。

ほんまにどうして目先の結果にばかりとらわれるんや。なんでそうなったんか、ちゅう原因になぜ目が向かんのや。脱獄の時しかり、今回しかり。
これが海千山千の錦衣衛副指揮士・明月峡少主と、完全ヒエラルキーの中の徒弟、の違いなんか。それにしても、それにしてもあんまりや!

感情が高ぶって思わずなんちゃって関西弁になってしまいました。関西の方、違和感が多々あろうかと思います。大変なお目汚しをばー失礼いたしましたm(_ _)m

  • posted by まま 
  • URL 
  • 2014.05/30 22:57分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re:まま さんへ 

いきなりの関西弁で、ちょっと驚きましたが(笑)
(と云うか、ここは尾張弁でコメント返しをすべきかと、ちょっと考えてしまいましたが(^▽^;)

よくぞ分析してくださいました。まさに仰る通り「恋と情」「愛と理」の違いですね。
それにして本当に一航さんは不甲斐ない。どうせ「恋と情」に目を塞がれているなら、「武当派より君を取る」と言った言葉そのまま、目を塞がれたままでもう一歩踏み出して、添えないまでも恋を成就させる方法を考えればよかったものを。

で、別れる時の、霓裳に対する自分の態度がひどかった、冷たすぎたという自覚があるから、自分を恨んで云々ということに――って、こうやって書いてるとまた改めて、一航さんって、霓裳本人を見ていない。霓裳という虚像に投影した自分の気持ち、自分の影を見てるだけなんだと思えてきますね。
霓裳が自分を恨んで云々と言う物言いにしても、『邪派の残酷な魔女』を武当山へ引き入れて、結果、師弟たちと師父を害することになったことへの後悔はあっても、そこまで霓裳を苦しめて追いこんだことへの後悔はないんですもの。

すぐ横に、岳鳴珂という極上品の男性がいながら、よりにもよって、こういう男性に見込まれて、自分も愛してしまった霓裳、本当に、不憫に過ぎるなんて言うものじゃないですね~。
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2014.05/31 09:05分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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