秋水長天

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射鵰英雄伝 <新版> 第49集~第50集

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草原のお蓉。こんなシーンがあるかしらと思ったら……




大ハーンの天幕に連行された郭靖は、母国を裏切ることはできないと、ハーンのさまざまの説得にも耳を貸さず、従容として首を討たれようとします。
そこへ駆けつけたトゥルイが命乞い。
さらに、説得役として李萍が引き出されますが、息子の足手まといになるまいと、李萍は自害。母を背負って天幕を脱出した郭靖でしたが、李萍は、
「優しい母は子供を駄目にする」
敢えて厳しく接していたことを詫び、郭靖への想いと愛情を告げ、その背で息を引き取ってしまいます。
その李萍を草原に埋葬。郭靖はトゥルイの情けで草原を逃れます。

が、中原へ戻る途中で再会した魯長老から、黄蓉が再び欧陽鋒に捕えられ、おそらくは死んだと聞かせられて絶望。武術を身に付けたところで何になるのかと――原作の方の郭靖にはまだ、悩むな、知恵熱が出るぞッと、茶化せるくらいのゆとりはあったカンジですが、ここの郭靖は、なんか、見てるこちらまで深刻になっちゃいました。
と云うところへ来合せたのが、崋山へ向かう丘処機Q道長。大切な人をことごとく失った上に、生きる目的まで見失って意気消沈の郭靖に、洪七公に逢わせてやったら元気が出るかなと、郭靖には優しいQちゃん。いっそ武術を捨ててしまいたいというなら、老玩童に逢ってみればいいだろうと崋山へ誘います。
(洪七公師匠も崋山論剣に出る予定ですからね)

ところがその途中、バッタリと出会ってしまったのが彭連虎たち元趙王家の刺客陣。
煙雨楼での決闘が中途半端に終わったからと、戦い始めたQちゃんと彭連虎たちをそのままに、その場を立ち去りかけた郭靖ですが、未だに彼の血を吸うことで内功を高めたいという執念に取りつかれている梁子翁に襲われ、思わず反撃してしまいます。
(ここで思わず映画『大英雄』の、若き洪七公と欧陽鋒のやり取り――死にたがっている洪七公なんだけど、欧陽鋒に攻撃されるたびに『降龍十八掌』を発動させてしまう――を連想してしまった私って(^▽^;)

自分の意志でなく梁子翁の命を奪ってしまったことで、さらに悩みを深くした郭靖でしたが、直後、偽の『九陰真経』のせいで奇妙な行動をとるようになった欧陽鋒を見かけたことから、黄蓉、老玩童と立て続けに再会。
さらにその場に瑛姑、裘千仞、漁樵耕読の4大弟子を引き連れた一灯大師までが現れます。
笑い声から瑛姑の息子を傷つけた旧悪が露見した裘千仞、追い詰められ、自分を殺すというのなら、人を殺したことのないものがやるがいいと開き直りますが、そこへさっそうと現れたのが洪七公。これまで多くの人は殺めたが、尽く悪人ばかり――って、ここは原作の、
「儂はこれまで231人のものを殺したが、みな極悪人ばかり。やましいことなど何もない。お前が232人目じゃ。覚悟せい!!」
と云う台詞の方が恰好いと思うんですが。
それにしても、原作の洪七公師匠は、手にかけた人の数をきちんと覚えてるんだね~。李亜鵬版のレビュー書いたときは気が付きませんでしたが。もしかして相手が極悪人とはいえ、手にかけたものへの礼儀として、一人ひとり名前も覚えてたりして?

ともあれ、先代は国を思う忠義の士だったのに、お前は売国奴になり果てて――と洪七公に糾弾された裘千仞、悔い改めれば許されると一灯大師に諭され、弟子となって、共に崋山を去ってゆきます。
ええと、確かここって、崖から落ちかけた裘千仞を一灯大師が助けて、それで裘千仞が改心するんでしたが、手ぇ抜いたか?(^▽^;)
おかげで一灯大師の人物の大きさとか、裘千仞の改心に対する感銘とかが中途半端になっちゃいました。惜しいなぁ。

と云うのは兎も角も、一灯大師たちが引き上げ、残った郭靖たちが再会を喜び合っているところへ、再び欧陽鋒が登場――というか乱入。洪七公と一戦――そこで両手がせめぎ合いで止まっちゃったら、足が出ませんかねぇ……とか、突っ込み入れながら見ておりましたが(^^ゞ
何とか師匠を有利に導こうと、時々お蓉が入れる野次の一つに欧陽鋒が反応。それが、コックンの母親は不細工だっただろうというのに、強くて美しい女だった――と云うのがねぇ、欧陽鋒、本心では兄嫁が好きだったんですな。
と云う、そこから引っ掛かり、九陰ニセ経のせいで頭脳と行動に異常をきたしていたこともあり、ついには自分の影を最大の宿敵と思い込むことになります。

その欧陽鋒が去ったところで、ようやく登場したのが黄薬師おとーさま。
で、崋山論剣は洪七公と黄薬師の2人で争われることとなりますが、師匠は欧陽鋒と戦ったばかりで疲れてるでしょとの黄蓉の提案で、黄薬師vs郭靖と洪七公vs郭靖の2試合を行って、それぞれの優劣を見極めること。ただし、どちらも百手以内に勝てなければ郭靖の勝ち――で、つまりは自分の亭主を天下一にしたかったわけかとお蓉、洪七公師匠に突っ込まれておりましたが、この2試合、CGとワイヤー使いまくりではありましたが、かまえたり拳を繰り出したりの動きがサマになってたので、実に見応えがありました。
(ポーズを決めるのも、やってみると難しいものなのです(^▽^;)

そうして――結果は、郭靖が天下一になった……のかな。で、黄薬師おとー様にも婿と認められ、実はお蓉、洪七公がおとー様に負けたらご馳走を作ると約束していたのですが、勝っても負けてもご馳走は作れと云うおとー様の鶴の一声で、以前、郭靖に『降龍十八掌』を伝授させるために作った料理を全て再現――このドラマって結構料理に凝ってますよね。なんか、ちょっとした炒め物でもおいしそうだもの(笑)

と云うところへまたまた欧陽鋒が乱入。郭靖をコックンと思い込み、自分は天下一になった、どうだ、嬉しいか――って、色々と被ってた仮面が剥がれて来ると、彼もまた女性を愛し息子を想う普通の人間だったわけですが――ここで、何が天下一なものですかとのお蓉の言葉で、自分の影を自分の最大のライバル“欧陽鋒”と思い込み――つまり、自分はどこの誰だかわからない状態となり、しかも、自分の“影”に敵わないからと、その場を逃げ出します。
と云うか、かなり高い崖から飛び降りて無傷だったんだから、本当に大した武功だわ(^▽^;)

その翌日。書置きを残して風のように洪七公が去った後、もはや郭靖にとっての身内は柯鎮悪師匠だけだから、桃花島での婚礼に立ち会ってもらうよう、おとー様に言われた2人、それなら楊康と穆姐さんも招きましょうと、牛家村経由で桃花島へ帰ることに。

ところが途中、大ハーンが病に倒れたからと蒙古に戻る途中のトゥルイと出会ってしまい、大ハーンは郭靖にも会いたがっているということで、さらに大幅な回り道をすることに。
そうして、最後の狩に出た大ハーンの供をした郭靖、自分の功績を誇る大ハーンに問いかけます。
人が死んだとき、必要とする土地はどれくらいでしょうかと?

あまたの国を征服し、多くの金銀財宝を得ても、人が最期に必要とするのは、遺骸を埋めるための僅かな土地だけ。
だとしたら、それまでに流された血は、何のためなのか。
古来から英雄とは民を慈しむものだった。大ハーンは、善行も行ったけれど、流した血の多さからすれば、功罪は何とも判じがたい。

「英雄……。英雄とは何だ」
大ハーンの胸に大きな疑問を残した郭靖、黄蓉と共に、トゥルイが守っていてくれた母の墓に詣で、草原に別れを告げます。
墓石に頬を寄せ、離れたくないと、郭靖以上に名残を惜しむ黄蓉――お蓉にとって李萍母さんは、もう一人のお母さんと思えるほどになったんですね(お義母さんなんだけど)。

そうしてようやく、牛家村の楊家を訪れた2人が見たのは、忌中の印と喪服姿の穆念慈。そうして真新しい楊康の位牌。
聞けばわずか五日前、息子の敵を討つと欧陽鋒が訪れ、楊康は従容として討たれたということでした。
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息子の名付け親になってほしい。もはや遺言となった楊康からの頼みを聞いた郭靖、
「俺は義兄でありながら、康弟が道を誤るのを正してやることができなかった」
この子には、自ら過ちを正せる人間になってほしいと、楊過、字(あざな)を改之と名付けます。
そうして、喪中だから祝言には出られないという穆念慈に別れを告げ、2人が向かう先には――

ということで、なかなか感慨深いエンディングでしたが、この感慨、ひとえに楊康の見事な最期――と云うのかな、多くの過ちは犯したけれど、最後には正道に戻って自分の生に決着をつけた、それに対するものの方が大きい気がします。
ゆえに郭靖の楊過に対する命名も、原作や李亜鵬版のように「父のようになるな」ではなく、父のようであれ、お前も父のように、過ちを犯しても自ら正せる人間になってくれ、という願いがこもっている気がして、より感銘が深かったです。

で、李亜鵬版とか、郭靖に比べて楊康の比重が軽いのが勿体ないな~と思っていたので、こちら、しっかり作りこまれた楊康には、私的には満足。ただ、その分郭靖が、ところどころ食われちゃってましたかね(胡歌が食われてた、と云う意味ではありませんけどね)。

そうう言えば欧陽鋒が思い切りキャラが変わってましたが、あれはあれでなかなか良かったし、あとはコックンにせよ穆姐さんにせよ、李萍母さんやコジンにせよ、一段二段深く描かれてた感じで、そういうあたりも面白かったです。
(その分ジェベ師匠が、居るんだかいないんだかと云う……(^^;)

まあ、なんにせよいい作品だったな~~ということで、大幅遅れの『射鵰英雄伝』のレビュー、ようやく終了と相成りました。
読んでくださった方、お付き合いありがとうございましたm(__)mペコ

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Comment

 

>「優しい母は子供を駄目にする」

李萍母さんと惜弱さん、何から何まで対照的だったなぁ、と改めて思ったセリフでした。
でも、子どもの性質にも寄ると思うんですけどね(^▽^;)
厳しく育てられて、よくひねなかったものです。

>おかげで一灯大師の人物の大きさとか、裘千仞の改心に対する感銘とかが中途半端になっちゃいました。惜しいなぁ。

同感です。裘千仞が改心するシーンは、とても感動的だったはずなのに・・・。
えっ、それで改心するの?!と逆に驚いてしまいました。

>ということで、なかなか感慨深いエンディングでしたが、この感慨、ひとえに楊康の見事な最期――と云うのかな、多くの過ちは犯したけれど、最後には正道に戻って自分の生に決着をつけた、それに対するものの方が大きい気がします。

はい。楊康が主人公だったかも?というような印象でした。
でも、これはこれでアリですよね。多少の改変はあっても、人物をより深く掘り下げて描いていたところは、とてもよかったと思います。
人気があるのもわかりますね。

>(その分ジェベ師匠が、居るんだかいないんだかと云う……(^^;)

全くです。いなくてもよかったんじゃないかと・・・(^^;)

>まあ、なんにせよいい作品だったな~~ということで、大幅遅れの『射鵰英雄伝』のレビュー、ようやく終了と相成りました。

体調の悪い中、レビュー、お疲れ様でした~!
引き続き、楽しみにしてます(^ー^)
  • posted by ふく*たま 
  • URL 
  • 2015.03/17 15:09分 
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  • [Res]

Re: ふく*たま さんへ 

> 李萍母さんと惜弱さん、何から何まで対照的だったなぁ、と改めて思ったセリフでした。

本当に、こういう面での親たちの性格の対比もうまかったですね。

> でも、子どもの性質にも寄ると思うんですけどね(^▽^;)
> 厳しく育てられて、よくひねなかったものです。

同感です。
その点、郭靖は、実に素直だったというか、グレるほどには頭が良くなかったというか(^▽^;)
(康だったら確実にグレてますね(^^;)

> 同感です。裘千仞が改心するシーンは、とても感動的だったはずなのに・・・。
> えっ、それで改心するの?!と逆に驚いてしまいました。

そうなんですよ~。
あそこはもっと、追い詰められて、助けられて、で、どーんと感情の振幅が来ないと……。

> はい。楊康が主人公だったかも?というような印象でした。
> でも、これはこれでアリですよね。多少の改変はあっても、人物をより深く掘り下げて描いていたところは、とてもよかったと思います。
> 人気があるのもわかりますね。

同感でした。
楊康をより深く描くことで、話の厚みが増した気がしますものね。
郭靖の成長もわかりやすかった気がしますし。
しかも、キャラは少々(大幅に?)変わっても、あくまでも『射鵰~』の枠内だった、と云うところも良かったと思いました。

> 全くです。いなくてもよかったんじゃないかと・・・(^^;)

あはは。
でも本当ですね(笑)

> 体調の悪い中、レビュー、お疲れ様でした~!
> 引き続き、楽しみにしてます(^ー^)

ありがとうございます。
ふく*たま さんも、レビューお疲れ様でした。
  • posted by rei★azumi 
  • URL 
  • 2015.03/18 10:15分 
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rei★azumi

Author:rei★azumi
ヒト属ネコ科 コタツ猫亜種 読書ネコ
『神鵰侠侶』で金庸にハマった、金庸初心者。
とりあえず、金庸の小説全作品読破を目指すも、突如神鵰侠侶二次小説にハマる。
さて、この先、どうなりますことやら。

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